愛猫の『ブラッシング』してますか?サボると起きる厄介なトラブル4選
1.毛球症
猫は非常に綺麗好きな動物。頻繁に自分の体を舐めて毛づくろいをします。そのため、猫の体はいつも清潔です。ただし、このとき飲み込む抜け毛が毛球となって消化器官に溜まってしまうことがあります。
特に長毛の猫種は、毛球が大きくなりやすく、吐き出せない場合は腸に詰まってしまう「毛球症」のリスクが高いです。毛球症は重篤になると、嘔吐や食欲不振などの症状が現れ、場合によっては腸閉塞を引き起こし、外科手術が必要になるケースも。
そんな毛球症を予防するのにブラッシングは極めて重要。定期的にブラッシングすることで毛球症の原因となる抜け毛を取り除くことができます。長毛猫を飼われている方は毛球症に遭遇するリスクが高いため、こまめなブラッシングを心がけましょう。
2.皮膚トラブル
ブラッシングは皮膚の健康維持にも効果的。古い抜け毛が残っていたり、毛玉ができていたりすると、皮膚が蒸れる・引っ張られるなどにより炎症や細菌感染などのトラブルを引き起こします。皮膚が痒くなってかきむしってしまい、そこから細菌感染を引き起こすケースも。
ブラッシングを行うことで、そうした皮膚トラブルの原因である古い抜け毛を取り除き、通気性を良くすることが可能。結果的に猫の皮膚を清潔に保ちやすくなります。また、ブラッシング中に皮膚の異常を見つけやすくなるので、皮膚トラブルの早期発見も期待できます。
3.抜け毛が散乱
当たり前ではありますが、ブラッシングを怠ると猫の抜け毛が部屋中に散乱しやすくなります。特に気を付けたいのが、換毛期。春と秋ごろに訪れる換毛期では夏毛と冬毛が生え替わるため、大量の毛が抜け落ちます。
まるでアメリカの映画などでよく見かける回転草のように、ふわふわと抜け毛の塊が部屋中に転がるようになるのです。抜け毛が家の中に散乱すると掃除が大変。衛生面でも少し気になります。
毎日数分だけでもブラッシングすることで、抜け毛の飛散を抑えることが可能。快適な環境づくりのためにも毎日のブラッシングは必要不可欠なのです。
4.アレルギー
猫の抜け毛やフケには、猫アレルギーを引き起こす成分が付着しています。そのため、猫の抜け毛は猫アレルギーを持つ人にとっては悩みの種。抜け毛を取り除けるブラッシングは必須のケアとなります。
現在、猫アレルギーを持たない人にとっても他人事ではありません。猫アレルギーは後天的にも発生するものなので、注意が必要。慢心することなくブラッシングでアレルギー対策を心がけましょう。
まとめ
猫の健康と快適な生活環境を維持するために、ブラッシングは非常に大切なケアのひとつ。毛球症や皮膚トラブルの予防、抜け毛やアレルギーの対策としても効果的です。猫にとってもブラッシングはリラックスできる時間。飼い主さんとの絆を深めるコミュニケーションでもあります。
もちろん、ブラッシングを嫌がる猫も多いので、愛猫の様子を見ながら無理をさせないように行なってください。
今回の記事を参考に、猫が嫌がらない範囲でこまめなブラッシングを心がけてみてください。
(獣医師監修:唐野智美)