作られた"カノジョ"と天才科学者の近未来サイバーラブサスペンス!劇場アニメ『メイクアガール』
日本国内、そして海外から高い評価を得ているアニメーション作家・安田現象による劇場長編アニメーション『メイクアガール』。SNSの総フォロワー数600万を超える人気作家が全編フル3DCGで製作した完全オリジナル作品は1月31日(金)に公開され、超新感覚サイバーラブサスペンスとして人気を集めています。わずか7人で製作した長編アニメーションは、クオリティの高さにも注目!
今回は、話題作『メイクアガール』をSASARU movie編集部がレビュー!作品の魅力に迫ります。
『メイクアガール』の気になるストーリー
ロボットの開発・製造化に成功した天才的な頭脳を持つ少年・水溜明は、発明に行き詰まりを感じていました。そんなある日、友人からカノジョができればパワーアップできるという話を耳にします。その言葉を真に受け、研究を成功させるために人造人間のカノジョ・0号を作ることに。
プログラムされた恋愛感情と成長していく気持ちの狭間で葛藤する0号。そして人と心を通わせることが苦手な明との間に芽生えたのは"恋"なのか?
日常とSF要素が共存する近未来の世界観
本作の舞台は、現在より少し先の近未来。マンションやオフィスビルなどが建ち並ぶ現代と変わらぬ街並みを背景に、私たちの日常と地続きの世界観を描いています。親近感のある風景の中になじんでいるのが、人間の代わりに掃除などを行うロボット「ソルト」。家庭や学校で人々のサポートをする姿は、まさに私たちが思い描く近未来の暮らしそのもの。
また、本作は科学的に作り出されたカノジョである人造人間の0号を中心としたストーリーが展開。0号は、カノジョとはどのような行動をするのかを学ぶため、学校に通い明の友人たちとファミリーレストランでアルバイトをするなど、人間らしい感情を育んでいきます。ファミリーレストランで奮闘する姿はコミカルでかわいらしく、遊び心のある演出に思わずほっこり。
作られたカノジョ・0号の存在意義と葛藤
明を好きになるようにプログラムされている0号は、明とどのように接すればカノジョとして彼を幸せにできるのかを学び始めます。
明は0号を自身の研究を飛躍させるための道具として作り出しました。しかし、研究が思うように進まず、焦燥感を募らせていきます。0号が恋人同士のように週末のデートに誘っても、明は研究に没頭したいと考え、2人の関係はぎくしゃく。
0号は明を心から愛しているにも関わらず、その気持ちがプログラムされたものなのか、それとも本物なのかという葛藤に苦しむようになります。そして自分の存在意義を見失い、次第に恐怖心を抱くように。
人間同士の恋愛においても、相手との距離感は難しいもの。ましてや0号のように感情がプログラムされた存在であれば、なおさら複雑になってしまいます。
この映画は、0号と明の関係を通して、相手と向き合うこと、そして対話することの大切さを観客に問いかけます。人間関係の本質を浮き彫りにし、私たち自身のコミュニケーションを見つめ直すきっかけにもなりますよ。
夢を追い求めた、その先にあるものは?
天才科学者としてロボットや人工知能の研究を行う明は、母である水溜稲葉の研究を引き継いで完成させることを夢みて人生の全てを費やしています。夢を追いかける姿は、希望に満ち溢れているように見えるかもしれません。しかし、本作は夢の実現のために犠牲にしなければならないもの、そして本当に大切なものは夢の実現だけではないのではないかという葛藤を描いています。
夢の実現のために周りの大切な人や自分自身を犠牲にすることが本当の幸せなのか?という問いは、観る人の心を揺さぶります。夢を追い求める明が最後にどのような選択をするのか?ぜひ劇場で二人の結末を見届けてください。
この映画は、夢を追いかけることの光と影、そして本当に大切なものとは何かを私たちに問いかけます。明の姿を通して、あなた自身の生き方や価値観を見つめ直す良い機会になるかもしれません。
劇場アニメ『メイクアガール』の基本情報
原作・脚本・監督:安田現象
主題歌:Eve「花星」(TOY'S FACTORY)
配給:角川ANIMATION
アニメーション制作:安田現象スタジオ by Xenotoon
製作:メイクアガールプロジェクト
公開日:1月31日(金)から絶賛公開中
公式サイト:https://make-a-girl.com/