60代夫婦の《リアル家計簿》年金のみで生活がギリギリ……。将来、減額されたら厳しいです【FPが解説】
読者から寄せられたリアルな家計簿を大公開。家計簿の収入と支出の内訳から、改善できるポイントがあるのか、ファイナンシャルプランナーが解説します。【60代夫婦】
【リアル家計簿】60代夫婦の場合
家族構成
夫……60代、年金生活者
妻……60代、年金生活者
※年金のため2ヶ月分を家計簿に記載
【相談内容】年金生活のため、収支がギリギリです。将来的に年金が減額されないか心配です。
解説するのは……
◆sino
ファイナンシャル・プランニング技能検定3級 日商簿記検定3級
資産形成や節約に関するアドバイスを得意とし、普段はライターとして活動しています。
節約×制度理解で支える年金生活の安定プラン
GOODポイント
公的年金のみを収入源としている世帯の割合41.7%とのこと*。
つまり、約6割の方は年金だけでは生活費をまかなえず、貯蓄を取り崩したり働いて補ったりしているのが現状です。
*……参考:厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」
質問者さんはギリギリながらも年金の範囲内でやりくりされており、節約にしっかり取り組まれている様子がうかがえます。
気になる支出項目をチェック
一方で、固定費については見直しの余地がありそうです。
水道光熱費は、電気・ガス会社の見直しをおすすめします。
また、携帯電話を格安SIMに変更し、自宅のインターネット回線も契約先を見直すことで、通信費も削減できるでしょう。
ご夫婦のみであれば高額な保険が不要なケースもあります。
現在ご加入中の保険についても内容を確認し、必要に応じて見直してみてください。
少子化で年金は減る?
少子化の影響で年金が減額されるのではないかとご心配とのことですが、日本の公的年金制度は「マクロ経済スライド方式」を採用しているため、賃金や物価の変動に応じて年金額が調整される仕組みになっています。
さらに、年金財源の一部はGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)によって運用されており、安定的な支給が続けられるよう工夫されているのです。
そのため、将来少子化が進んでも、年金が大幅に減額される可能性は低いと考えられています。
とはいえ、安心して老後を迎えるためには、今のうちから固定費を見直し、月に数万円の余剰資金を生み出しておくことが大切です。
まとめ
・年金内で生活できているのは、節約にしっかり取り組めていると言えます。
・固定費を見直し、家計に余裕を持たせましょう。
・年金は大きく減額されないよう対策が取られています。固定費を削減するなど、できることで余剰資金を生んでおきましょう。
※この記事では媒体で募集した情報を掲載しています。