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「もうきょうだめだ」という日もあるけれど...脱サラして独り立ち、新人農家が挑戦し続ける理由とは

Sitakke

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HBCテレビ「今日ドキッ!」より、選りすぐりの情報をお届けします。
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あたたかい家族の姿を描くコーナー「ファミリーストーリー 家族のキズナ」。
脱サラして今年から独り立ちした新人農家の挑戦を追いました。

苦難の連続だけれど……「それでも!」新人農家が挑戦し続ける理由

札幌出身のしばた農園の柴田豊大(しばた・よしひろ)さん、33歳。
1歳の息子と妻と3人で暮らしています。
脱サラして今年、新人農家として独り立ちしました。

柴田さん:「きれいな更地だったのが、今こうやってビニールハウスが建って、すごいクリエイティブな事をしている気持ちになる。」

柴田さんは北大大学院を卒業後、東京の商社に入社。
まさにエリート街道まっしぐらでした。

しかし、北海道に戻り農家を目指す事に。
働き盛り、30歳の時のことです。

北海道における去年までの農家数は3万2000軒程。
ここ15年でおよそ2万軒減少しています。

そんな中で、なぜ農家を目指したのでしょう?

柴田さん:「北海道で一次産業をしたいのは学生の頃から思っていた。食べるのが好きだったからおいしいものを毎日食べたいな。好きなものを毎日食べられる特権を得られる職業が良いなって思って」

夢を追って脱サラして、まもなく真弥さんと結婚。

妻 真弥さん:「本当にできるのかなという不安(があった)」

退職後は、サポート制度を利用して3年間の農業研修を受けることに。

ちょうどそのころ、待望の長男が誕生!

柴田さん:「とにかくうれしかったかな。タイミング的にはどうなんだろうとかは悩みましたけど…」
研修が終わり、4月から農家としてのスタートを切りました。

苦難の連続、「心の支え」となったのは

しかし、待ち受けていたのは苦難の連続…

柴田さんが農地に選んだのは、「北広島」
札幌にもアクセスが良い立地に惚れこみました。
しかし、ここで農業を始めるには高いハードルが…

柴田さん:「電気と水道が通ってない。近くに井戸を掘るのに500万円くらい。電気引くのにも50万円位はかかってるのかな」
他の地域で普通に農業を始めるよりも、今の時点で750万円ほどかかっているそうです。
さらに土地を平らにするだけでも200万円ほどかかりました。

農地を全て整えるのに“1,000万円”もの費用を費やしました。
そのほとんどが借金です。

柴田さん:「絶対に成功させなきゃいけないし、ワクワクを感じられる余裕がないのが正直なところです」

投資費用を抑えるために、ビニールハウスは三笠の農家から中古で購入。
自ら解体や運搬、サビ止め、組み立てまでを行い、満身創痍のスタートとなりました。

作業量の多さに加えて、新規参入者の大半は、生活を補える所得が得られていないと実感する程、厳しい農業経営の世界…

柴田さん:「どういう段取りをするべきかをまだつかみ切れてないから、ものすごくいろんな事に時間がかかるんですよね。本当に今つらいんですけど、ニヤニヤできているのは子どもがいるおかげかもしれないですね」

心の支えになっているのは愛する家族。

妻 真弥さん:「お金の面の不安があったので、私も働きますというつもりで」

6月上旬、予定していたハウスは完成。
慣れない作業で所々に穴が開いてしまいました。

しばた農園で最初に植えたのはミニトマトです。

柴田さん:「夫婦2人だけでは手が回らないことも多いので、たくさんの人の手を借りて…」
ハウス3棟分を札幌に住む両親や知り合いの助けも借りながら植えました。
ただ、ここにも苦悩が…

柴田さん:「どんなトマトになるかっていうのも全然正直想像ができないからガチャガチャ引いてる感じですね」

土の状態によっても大きく左右される作物。
最悪の場合、実すらならない可能性もあります。

妻 真弥さん:「出荷してお金になるのかなっていう、なんとかそこはクリアできるようなモノが育ってくれっていう思いで…」

7月下旬。いよいよ収穫期。
トマトはなっているのか…果たして

わずか一か月半で苗は人の身長程にまで成長!
肝心なミニトマトの出来栄えは!?

柴田さん:「思ったより食べたときにおいしくて感触は全然悪くないなと思います。ちゃんと実って赤くなってた時にすごいきれいだなという気持ちでホッとしましたね」

無事、懸念していた土の影響も出ず出荷規格にあったミニトマトの栽培に成功!

夜、家族団らんのひと時は束の間のリラックスタイム。
この日の夕飯は農園でとれた野菜を使ってピザとカプレーゼ風のサラダを真弥さんが作りました。

柴田さん:「夜に心折れて『もうきょうだめだ』みたいな日があるんですよ。畑のど真ん中で機械が壊れてどうやって動かそうってときとか、妻に愚痴ったら子供を連れて畑に来てくれて…気持ちが一旦リフレッシュするというか、もう一回やろうって気になります」

柴田さんの挑戦はまだまだ続きます。

※掲載の内容は番組放送時(2024年10月4日)の情報に基づきます。

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