石破退陣の報道と、石破おろしの報道。わずかなニュアンスの違いの理由は…青木理「石破さんをおろしたい勢力とそうでない勢力がいる」
7月25日の「大竹まこと ゴールデンラジオ」(文化放送)では、朝日新聞の「加速する中堅若手「石破おろし」 すねに傷…表立って動けない重鎮ら」を取り上げ、大竹や青木理がコメントした。
参院選大敗後も続投に意欲を見せる石破茂首相(自民党総裁)。党内では「石破おろし」を実現するため、中堅・若手議員を中心に、両院議員総会の開催を求める動きが加速している。
「衆院選で負け、参院選でも負け、このまま誰も責任を取らないのはおかしい」「もう首相との信頼関係はなくなっている」――。24日午後、衆院第1議員会館の一室。集まった中堅・若手議員ら約10人は口々に首相への不満を述べた。
この会合の席上で配られたのが、「決議」というタイトルの一枚紙だ。「我々自民党国会議員は参院選の結果責任を問い党再生のために、速やかに両院議員総会の開催を求める」と書かれ、賛同者の署名欄がある。両院議員総会は、党国会議員の3分の1以上の署名を集めれば開催できる。
署名集める中心になっているのは旧安倍派・旧茂木派・旧二階派、現在も唯一存続している派閥の麻生派の中堅若手議員だ。
太田アナ(アシスタント)「という記事がありまして、二面に関連する記事が載ってるんですけれども、そこにも見出しに「旧安倍派ぬぐえぬ裏金批判」とか「旧岸田派静観姿勢崩さず」という話が出ています」
大竹まこと「中堅若手が決議文だけども、どういう人たちがやってるのかなと思ったら旧安倍派、麻生派。派閥が背後にいるんじゃないかという朝日の記事がありまして、朝日の別の記事では退陣論吹き荒れるという見出しが付いていて、これが「旧安倍派ぬぐえぬ裏金批判」というのと、「旧岸田派静観視制崩さず」というふうに普通に見出しがついてるんですけど、あれ?と。派閥なくなっただろうと。派閥で残ってるのは多分…」
太田アナ「麻生派だけですね」
大竹「だよね。だけど、新聞にこうやって大きく旧安倍派、旧岸田派。残ってんじゃねぇか(笑)。残ってるのを認めてるっていう記事の書き方だよね」
青木理「署名集めの中心だというのは旧安倍派、旧茂木派、旧二階派、そして麻生派って書いてあって、大竹さんおっしゃるように、なんだ派閥残ってんじゃんというのももちろんですけど、僕が同じ朝日の記事に注目したのが、安倍派なんかがかなり言ってるわけですよ。おそらく、筋論としては、衆議院選挙で負け都議選で負け、参議院選挙で負けた。責任取るべきだというのは全く筋論だと思うんですけれど、ただ石破さんの責任はもちろん大きいですよね。総裁であるんですから、大きいんですけど、でも、ちょっと長い目で見てみたらこの12年3年で何故これだけ自民党に逆風が吹き荒れたかというと、裏金の問題、統一教会の問題だったわけじゃないですか?少し考えちゃうのは朝日の記事の中にあるのは、23日、かつて権勢を誇った旧安倍派の中核メンバーが一堂に会したと。萩生田政調会長や松野前官房長官、西村元経済産業大臣、世耕前参院幹事長が都内で顔を揃えた。会談の内容は明らかになってないけれども、旧安倍派の重鎮の動きに若手が反応しているというんだけど、いやいや、あなたたちが裏金をやったからこうなったんでしょと」
大竹「もっと言えばこの何十年間の経済の停滞も含めてだよね」
青木「だからそう考えると石破さんは、メディアの動きもちょっとおもしろくて、読売新聞と毎日新聞は「退陣へ」という風に一面トップで打ち出してるんですよ。朝日なんかはまだ「退陣へ」とは打ってないですよね。吹き荒れる石破おろし論。これも、ちょっといろいろ聞いてみるとはっきりしたところがわかんないけど、石破さんをおろしたい勢力とそうでない勢力がいる。ただ石破さんご自身は今のところ、そんなことは言っていないと言っている。でも、何故か読売と毎日にその記事が出てくるのは、おそらく石破さんをおろしたい層の情報とそうじゃない方の情報とでメディアも混然となりながら政局の中で争ってるみたいな状況ですよね」
大竹「逆で言うと、もし、おりたとなるとこの後も総裁選とかとんでもないよね政局が」
青木「難しいところですよね。誰なのか。意欲を示したのは高市さん。あるいは備蓄米の問題で名前を売った小泉さん。あるいは茂木さん。今、官房長官の林さんとか。色々いますけど、でも石破さんやめても衆参両院の少数与党である事実は変わらないので、そうなってくると野党とある程度調整できる人じゃないとだめなわけですよ。高市さんにそれできるんですか?とか、あるいは小泉さんがそれできるんですか?とか考えると、石破さんじゃないとできないんじゃないのと考える人もいて、聞いてる限りはかなり与党内は混迷の状態らしいですよね」