県高校総体 新体操 別府鶴見丘の西由美子が2連覇、努力が形となる 【大分県】
県高校総体
5月24日 サイクルショップコダマ大洲アリーナ
女子新体操 個人総合
1位 西由美子(別府鶴見丘2年)40.350(リボン20.350、フープ20.000)
2位 下之門芽生(同1年)39.150(19.850、19.300)
3位 清末結愛(同2年)38.800(20.750、18.050)
県高校総体の女子新体操個人総合は、別府鶴見丘2年の西由美子が2連覇を達成した。パリ五輪後のルール改定によって採点基準が刷新された今大会は、選手たちにとって演技の再構築が求められる難しいタイミングだった。それでも、西は得意のフープで逆転し、冷静な演技で栄冠を手にした。
最初の種目であるリボンでは、同じ高校の清末結愛(2年)に0.4点のリードを許した。しかし、「練習通りにやるだけ」と気持ちを切り替え、崩れなかったことが大きかった。続く得意のフープでは、流れを意識した構成と難度技の正確性が際立った。本人も「弱気になってしまった回転技以外は、体幹のバランスがよく取れた」と満足と課題の両面を語り、全国高校総体を見据える。
西は2歳から新体操を始め、日本体操協会の強化合宿にも参加してきた有望選手。直前まで疲労骨折の影響で制限付きの練習を強いられていたが、本番では強さを見せた。秋山涼監督は「本来の力は出し切れていないが、難度技の正確性が高く、大きなミスがないのが強み」と評価する。一方で「表現力の向上が今後の課題」とも語り、さらなる進化に期待を込めた。
個人総合優勝を果たした西由美子
西の演技について、河田幸栄審判長も「一つ一つレンガを積むような練習の跡が見える。地道に正確に積み上げたことが、緻密な演技につながっている」と高く評価した。体づくりへの取り組み、手具操作の正確さ、難度技の確実な実行。それらすべてが織りなす演技は、見る者に確かな説得力を持って映った。
一方、総合3位となった清末も観客の心をつかんだ。明るく活発なキャラクターを前面に押し出し、個性的な表現力で会場を魅了。「フープでミスをしたのは悔しいが、気持ちを切り替えて最大限やりきった」と振り返るように、その精神力とパフォーマンスには光るものがあった。表現がより重視される新ルールへの適応を意識し、「一つ一つの技のつなぎでインパクトを与えることを考えた」と語る姿は、今後の成長への期待が高まる。
今大会に出場した別府鶴見丘の4人は、それぞれに個性があり、互いに刺激を受けながら競い合う。河田審判長は「人を惹きつける演技をこれからも目指してほしい」と期待を寄せた。
個性的な演技で魅了した清末結愛
(柚野真也)