【記者ノート】新潟県農業大学校修了の女性3人を主力に、25棟のビニールハウスで野菜や野菜苗作り等約30年 野菜苗や花苗の植込みには、やはり女性ならではのきめ細やかさが求められる
新潟県農業大学校修了の3人の女性のイチゴのスポット植えを見守る相澤誠一さん(ビニールハウスの中で)
上越市浦川原区今熊を中心に、野菜づくり約30年になる相澤誠一さん(73)(同区顕聖寺)は元々地元農協の園芸担当だったが、42歳で農協をやめ自分で農業を始めた。農協での園芸の仕事を生かして、野菜農家として何とか生計を立てたいと独立した。今熊の25棟のビニールハウスを中心とした野菜作りと、8㌔ほど離れた頸城区中増田では、50㌃の畑を活用し、巨峰系の黒・赤・白を中心として約10種類のブドウ作りなどを行っている。
ビニールハウスでは通常の野菜作りのほか、野菜苗や花苗などに力を入れて来た。新潟県農業大学校修了の3人の女性、市内在住の22歳と32歳、50歳の農業女性が働いているが、彼女ら従業員の労働環境や雇用待遇を守りたいとの思いもあり、15年前に法人化し、㈱エー・エフ グリーンを立ち上げた。現在女性3人は口を揃えて「農業が好きだし、農業大学校を修了していることもあり、そこで学んだ野菜づくりがしたかった」と話す。特に野菜苗や花苗を育てるのは、女性の方が得意とのことだ。
私が訪ねたこの日は、ちょうどイチゴの苗をポットに植える作業をやっており、きめ細かな作業はまさに女性ならではの仕事に見えた。なお、ブドウは畑の前で直売するものの、通常の野菜のほか野菜苗や花苗などはホームセンターや農協の直売所あるるん畑などで販売している。また、仲間達と研究を重ねた丸えんぴつナスは、ソムリエサミットで表彰されたこともある。更にみずみずしいじゃがいもやニンジンなどを消費者に提供したいとの思いから、雪室も取り入れるなどし、管理に工夫をこらしている。
雪室自体は夏につくり、その雪室に暑い季節から野菜を入れて温度管理することで、秋から冬にかけても新鮮なまま美味しい野菜を届けることが出来るメリットがある。そうすることで、農業面での冬の時期の出荷の課題の解決の一つに繋がった。相澤さんは30年間を振り返り、「私も農業仲間達と研究会を立ち上げるなどして、どうしたら今後の野菜農業を進めていけるかと挑戦をし続けている。73歳になったが、うちの女性農業者に負けない意欲を持ち続け、頑張っていきたい」と力強く話している。
竜哲樹
昭和25年新潟県上越市吉川区生まれ、新潟県立高田高等学校卒業。昭和48年3月富山大学文理学部卒業(教員免許取得)。元産経新聞社記者、元上越市議会議員。にいがた経済新聞社顧問。
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