南座では20年ぶり上演、二月新派喜劇公演『三婆』が開幕 舞台写真&開幕コメントが到着
2025年2月13日(木)~24日(月・休)まで南座にて上演される、二月新派喜劇公演『三婆』。初日に先駆けゲネプロが行われ、水谷八重子、波乃久里子、渡辺えりが意気込みを語った。
昭和を代表する作家・有吉佐和子原作の『三婆』は、昭和36(1961)年に原作が発表され、昭和48(1973)年に小幡欣治による脚本で舞台化されて以降、半世紀以上に亘り愛され続けている。今回、南座では20年ぶりの上演となる。
出演は、一昨年6月に三越劇場で上演し大好評を博した、水谷八重子、波乃久里子、渡辺えりが再び顔を揃えた。また少年忍者のリーダーで南座初出演の川﨑皇輝、劇団新派の大野梨栄、鴫原桂、田口守ら充実した出演陣で、女たちの老後問題をユーモアたっぷりに描き出す。
金融業者の社長が、愛人・駒代(水谷八重子)の家で急逝したことから始まる本作。故人は莫大な借金を抱えており、本妻の松子(波乃久里子)は本宅の一部と、故人の妹のタキ(渡辺えり)の住む家を売却し、借金の返済に充てる。すると、兄の家は自分の家同然と突然タキが引っ越してきた上、駒代までが、料理屋を開業するまでの間だけ部屋を貸してほしいと、女中とともに転がり込んでくる始末。こうして “三婆”たちの奇妙な共同生活が始まる。
三人の住む家に出入りする八百屋の辰夫(川﨑皇輝)と女中のお花(大野梨栄)のカップルや、金融専務の重助(田口守)、山田和子(鴫原桂)ら周囲の人々を巻き込みながらも続けられる、思惑渦巻く熾烈なバトル。それぞれの意地やプライドにすがりつく三人の行く末は――。
時に三つ巴になって争い、時に手を組み合いながら大喧嘩を繰り広げる”三婆”のパワーは健在。新橋演舞場公演を経て、さらに磨きのかかった小気味良いやりとりも見所だ。
水谷八重子 コメント
京都へは、太秦の撮影所によく来ていましたが、南座はまた格別な空間で身が引き締まる思いです。『三婆』は一昨年の三越劇場でも上演しましたが、その頃より全体的に良くなったと思っています。作品の見どころは、お客様に教わるものだと思っていますので、南座のお客様の反応が楽しみです。
波乃久里子 コメント
上演を重ねて、無理に役作りをしなくても自然体で演じることができるようになったと感じています。南座へは、「顔見世興行」の時に、父(十七世中村勘三郎)についてよく来ていました。大好きな京都で、大好きな三人で公演ができることがとても楽しみです。
渡辺えり コメント
2022年南座で『有頂天作家』に出演した際、渡辺徹さんが使われていた楽屋を今回私が使っています。いろいろなことを思い出して、胸が熱いです。『三婆』はユーモアたっぷりの楽しいお芝居で、明日は我が身……と共感する部分もたくさんあります。私の演じるタキは、自分の年齢よりも若い、63歳の“おばあさん”。年齢を重ねたことを実感しますが、頑張りたいと思います。