Sakurashimeji――結成10周年記念ツアー「Sakurashimeji Live House Tour 2024 心音」ファイナルを開催!
「Sakurashimeji Live House Tour 2024心音」は、Sakurashimejiが今年6月に迎えた結成10周年を記念して実施されたツアー。11月24日の東京・代官山UNIT公演を皮切りに全国4都市のライブハウスを巡った今ツアーのチケットはすべてソールドアウトし、追加公演として設けられたこの日の渋谷ストリームホール公演も満員御礼という盛況ぶり。また、Sakurashimejiの2人が主演を務めるテレ東ほか水ドラ25「カプカプ」も放送中と、高い注目度の中で迎えたツアーファイナルとなった。
精力的な新曲リリースにグループ名表記の変更、そして初のテレビドラマ主演。10周年という大きな節目を迎えながらも立ち止まって思い出に浸ることを選ばず、常に未来へ目線を向けてギターデュオとしての音楽性をさらに追い求め、表現の可能性を広げる活動を重ねてきたSakurashimeji。今年の活動の集大成とも言える「Sakurashimeji Live House Tour 2024心音」で展開されたのは、そんな彼らの音楽に対する真摯でチャレンジングな姿勢が如実に現れたステージだった。開演時刻を迎え、シンプルなバンドセットが組まれたステージに姿を見せた雅功と彪我は「辛夷のつぼみ」をオープニングナンバーとして届ける。スポットライトを浴びた雅功が思い切りエレキギターをかき鳴らしたのを合図に、ステージから放たれたパワフルなバンドアンサンブル。「前へ前へ前へ前へ」というフレーズに力を込める2の声の重なりを推進力に、フロアは瞬時に熱を帯びていく。
曲を終えるなり「始めるぞ」と雅功が静かに宣言すると、今度は彪我が歪んだエレキギターの音を轟かせて注目を一身に集めた。「わがままでいたい」のスタイリッシュかつダンサブルなバンドサウンドはオーディエンスの体を自然と揺らし、軽やかにカッティングを刻む雅功の「踊れ、東京!」という叫びも会場の一体感を引き上げる。ベース、ドラム、キーボードを加えた5人のバンド編成で各地を回ってきたステージ上のメンバーの演奏は盤石で、続く「エンディング」でも心地良いグルーヴがホール全体を包み込む。明日へのメッセージを晴れやかな歌声に乗せた彪我は「もっといけるんじゃないですか? 東京!」と聴衆を煽り、きのこりあん(さくらしめじファンの呼称)は思い思いに手を挙げてこの呼びかけに応えた。
「Sakurashimejiです! ツアーファイナル、遊びに来てくれてどうもありがとう。いっぱい歌うんで、最後まで好きなように楽しんでいってください」。雅功の短い挨拶を挟んだのち、ここからは雅功がアコギに持ち替える形で楽曲を重ねていったSakurashimeji。滑らかに歌いつなぐ2人の巧みなボーカルワークが光る「simple」を経て、去り行く“君”への未練を歌う「届けそこねたラブソング」では性急なバスドラムと彪我が刻む小刻みなビートが、主人公の不安定な心境を鮮やかに浮かび上がらせる。雄弁な演奏の上で雅功もまた感情を思い切り乗せたボーカルを響かせ、聴き手を楽曲の世界観へと力強く引き入れてみせた。
疾走感あふれるアレンジで「はじまるきせつ」を披露すると、雅功は「人気者すぎて追加公演でございます。うれしい、ホントに!」と喜びの心境をあらわに。そしてここでバンドメンバーを紹介し「すごく仲のいいバンドなんです。みんな同年代、Z世代でやってるバンドなので、フレッシュさを前面に出してやっていきたいなと思います」と聴衆に語りかけた。「ファイナルだから寂しい気持ちもあるけど、それを覆すくらいの楽しさで心がごちゃごちゃになっていて、どうしようと思っています(笑)。だけど、次の曲はそんな気持ちも全部ひっくるめて歌えたら」。そんな雅功の言葉と共に「生きるよ」でライブを進めると、今度は歌うように跳ねる3拍子のリズムに乗せてエモーショナルな歌と演奏を聞かせた雅功と彪我。彪我によるメロディアスかつ技巧的なギターリフは雅功のアコギのオーガニックな鳴りと絡み合い、主人公の静かなる決意の強さを浮き彫りにする。スポットライトに浮かび上がった雅功の独白のような弾き語りからドラマティックなサウンドスケープが広がっていく「ただ君が」では、ありったけの思いを歌に乗せて届ける雅功と彪我の豊かな歌唱表現を、オーディエンスが静かに熱い眼差しで受け止めた。
「人生で初めて行ったライブって覚えてる?」という雅功の素朴な疑問から、彪我の“初ライブ”が「浜崎あゆみさんのライブ」、雅功の“初ライブ”が「ヘキサゴンのライブ」であることが明かされたMCを経て、中盤には新曲が披露される場面も。今回のツアーでお披露目された「who!」はパワフルなバンドサウンドが印象的なナンバー。リードボーカルを取る雅功はシャウト交じりに曲を歌い上げ、その遊び心あふれる表現で聴衆の耳を楽しませる。リリース当時はアコギ2本の弾き語りスタイルだった「おたまじゃくし」や「あやまリズム」も、この日はエレキ2本のギターサウンドがリードするにぎやかなバンドアレンジで届けられ、2人はときにお互いのほうを向き合い、ときにバンドメンバーとアイコンタクトを交わしながら熱いセッションを楽しんだ。晴れやかに心踊るような歌声を響かせる彼らのパフォーマンスに呼応するように、ファンもまたクラップをしたり手を挙げたりと、それぞれ自由に音に乗る。そんな中、「あやまリズム」の最終盤にはフロアから「ごめん!」という息の合ったコールが飛び、Sakurashimejiとファンとの強固なつながりを浮き彫りにしていた。
ライブがクライマックスへと差し掛かったところで、雅功は今回のツアーに「心音」というタイトルを掲げた理由を明かした。「10周年一発目の曲を作ろうとなったとき、『どんな気持ちで歌えばいいんだろう?』と考えたんです。10年を振り返るといつだって音楽が心にあって、いいことも悪いことも、全部音楽に教えてもらった。“いつだって心に音楽を”という精神で生きていたら、どうにかなるんじゃないかなとも思ってる。そんな気持ちを歌にしたいなと思ったから、『心に音楽を』を曲のテーマにしたんです。だから、仮タイトルを『心音』にして」。そう語った雅功は「今年最後のツアーで、“心に音楽を”という精神をみんなに伝播したいなと思って、この『心音』というタイトルにしました」と続けた。
「僕らはずっと歌い続けますし、イヤフォンを着けたら僕らがいつでも歌っているというのを忘れずにいてほしいです。ここからがラストスパートなので。皆さんの心を燃やして楽しんでもらえたらと思います」。雅功のまっすぐな呼びかけののち、Sakurashimejiは「心音」が仮タイトルだった10周年記念の楽曲「明日を」で演奏を再開させた。“心に音楽を”という思い、そして“未来を見据えた2人の今”を歌うこの曲には、力強い疾走感の中にもひたむきに音に向き合うがむしゃらさが滲み、雅功と彪我は自らをも鼓舞するようなパワフルな掛け合いで演奏に没頭する。雅功から「お前たちの声を聞かせてくれ!」と呼びかけられたオーディエンスもまた力の限りのシンガロングで2人に思いを返した。ホールが熱い高揚感に包まれたクライマックス、彪我の作詞作曲によるアッパーチューン「たけのこミサイル」で2人が勢いを加速させると、「大好きだったあの子を嫌いになって」ではドライブするバンドアンサンブルにオーディエンスがハンズアップで呼応する。疾走感あふれるメッセージソング「なるため」で雅功が「一緒に歌えますか!」と呼びかけると、ステージ上の2人へ向けて会場中から大きな歌声が送られ、この声に雅功と彪我は満足げな表情を浮かべた。
熱狂渦巻くムードの中、本編ラストの曲を前に思いを語ったのは彪我。「今という時間を力強く生きていくことが、明日への道標になるんじゃないかと思って。だからこそ、僕らは“今の等身大”を歌ったりするんじゃないかなって」。Sakurashimejiが歌い届ける“等身大のメッセージ”が持つ意味を自分なりに解釈し、その思いをオーディエンスに伝えた彼は「次の曲も、今を力強く生きようという思いからできた曲です。皆さんの明日への道標になるように歌わせていただきます」と、ドラマ「カプカプ」の主題歌として書き下ろされた最新曲「いつかサヨナラ」をコールした。オーソドックスなエイトビートの上、彪我が鳴らすのはロックンロール然としたギターリフ。無骨なロックサウンドと彼ららしい瑞々しさを湛えたボーカルが混じり合う、最新系のSakurashimejiの音を思い切り響かせて、2人は舞台袖へと姿を消した。
2人が姿を消すなり湧き起こったアンコールの拍手に応じ、ツアーTシャツに着替えてステージに戻った雅功と彪我。本編の終盤から「終わりたくないなあ〜」とつぶやいていた雅功は「音楽やっててよかったなと心から思う年だったなって」と2024年を振り返り「親父がね、俺の顔見るたびに『お前楽しそうやな』って言うんですよ。『変わってほしいわ』と言われるんですけど、絶対に変わりたくないなと今日思いました!」と笑った。そんな雅功のかき鳴らすギターを合図に、バンドが次に届けたのは「My Sunshine」。スケール感に満ちたサウンドを背に、思い切り声を張り上げて明日への思いを歌う雅功と彪我へ向け、オーディエンスはリズミカルにクラップを鳴らして力強く楽曲を彩った。甘酸っぱい世界観が広がる活動初期からの人気曲「ひだりむね」では、雅功が「ジャンプ!」と観衆にリクエスト。心からの音を楽しむ2人のパフォーマンスに笑顔の輪が広がる中で曲を終えると、雅功と彪我はここで来年予定されている東名阪ライブツアー「Sakurashimeji Live Tour 2025〜track [mono]」を改めて告知。そして、新たなニュースとしてSakurashimeji初の対バンツアー「Sakurashimeji Live Tour 2025~track [poly]」の開催決定を知らせた。
Sakurashimejiの新たな挑戦に沸き立つ会場の熱気は2人が姿を消しても収まらず、フロアからは再び熱い拍手が。ダブルアンコールに応じた雅功と彪我は共にアコースティックギターを抱え、2人だけの弾き語りで「朝が来る前に」をラストナンバーとして披露した。「みんなではなくて、貴方に歌います」と宣言した雅功の言葉通り、1音1音を優しく噛み締めるように歌い届けた2人。雅功はラストのフレーズをオフマイクで歌い上げ、聴き手の心にSakurashimejiの音楽を、より印象的に刻み込む。エモーショナルな空気感の中で迎えた「心音」ツアーのラストシーン。充実感に満ちた笑顔を浮かべた2人は「また遊びに来てね」と手を振りながらステージをあとにした。
写真:鈴木友莉
文:三橋あずみ
セットリスト
M1. 辛夷のつぼみ
M2. わがままでいたい
M3. エンディング
M4. simple
M5. 届けそこねたラブソング
M6. はじまるきせつ
M7. 生きるよ
M8. ただ君が
M9. かぜいろのめろでぃー
M10. who!(新曲)
M11. あやまリズム
M12. おたまじゃくし
M13. 明日を
M14. たけのこミサイル
M15. 大好きだったあの子を嫌いになって
M16. なるため
M17. いつかサヨナラ
EN1. My Sunshine
EN2. ひだりむね
EN3. 朝が来る前に
LIVE INFORMATION
初の東名阪対バンQUATTROツアー
「Sakurashimeji Live Tour 2025 ~track [poly] 」開催決定!
<公演詳細>
【東京】渋谷クラブクアトロ
2025年4月18日(金) 開場17:45/開演18:30
※出演者後日発表
【大阪】梅田クラブクアトロ
2025年4月23日(水) 開場17:45/開演18:30
※出演者後日発表
【愛知】名古屋クラブクアトロ
2025年4月24日(木) 開場17:45/開演18:30
※出演者後日発表
Sakurashimeji Live Tour 2025 ~track [poly]
<公演詳細>
■愛知:ElectricLadyLand
2025年3月14日(金) 開場18:30 / 開演19:00
■大阪:Yogibo META VALLEY
2025年3月16日(日) 開場16:45 / 開演17:30
■東京:WWW X
2025年3月21日(金) 開場18:15 / 開演19:00
<席種・料金・年齢制限>
スタンディング: 6,900円(税込)
※3歳以上はチケットが必要となります。3歳未満のお子様のご入場はお断りさせていただきます。
※整理番号順でのご入場となります。入場時、別途ドリンク代が必要です。Sakurashimeji Live Tour 2025 ~track [mono]
RELEASE INFORMATION
11月28日(木)配信
テレビドラマの主題歌となったミディアムロックナンバー。アレンジにはオカモトコウキ(OKAMOTO’S)が参加し、12弦ギターで奏でられるテーマフレーズが印象的なシンプルなバンドアンサンブルで、新しいSakurashimejiサウンドが展開されている。無くした物を探しに旅に出ながらも、自分自身が変わってしまっていた事に気づき受け入れる事で、また明日に踏み出していく。聴く者に寄り添いながらも、決して押し付ける事のない“Sakurashimeji”らしいメッセージを纏った楽曲になっている。Sakurashimeji「いつかサヨナラ」
【放送日時】 2024年11月27日(水)スタート 毎週水曜深夜 1時〜1時30分
【放送局】 テレビ東京、テレビ北海道、テレビ愛知、テレビせとうち、TVQ九州放送
テレビ大阪:2025年1月クール放送予定
【配信】 各話放送終了後から、動画配信サービス「U-NEXT」「Prime Video」 にて順次見放題配信
▶U-NEXT:https://t.unext.jp/r/tv-tokyo_pr
▶Prime Video:https://www.amazon.co.jp/gp/video/storefront/
広告付き無料配信サービス「ネットもテレ東」(テレ東 HP、TVer、Lemino)にて見逃し配信
▶テレ東HP:https://video.tv-tokyo.co.jp/
▶TVer:https://tver.jp/
▶Lemino:https://lemino.docomo.ne.jp/
【主演】 田中雅功 髙田彪我
【ゲスト】 1話:小手伸也 2話:真矢ミキ 山中聡 3話:近藤芳正 宍戸美和公
4話:山崎樹範 5話:松尾諭 ベンガル
【脚本】 マンボウやしろ(「お耳に合いましたら。」「量産型リコ」シリーズ)
映月(「たまごっちショートアニメ」「COCHO COCHO」)
【監督】 八重樫風雅(「別に、友達とかじゃない」「ひだまりが聴こえる」)
【プロデューサー】 漆間宏一(テレビ東京)千葉貴也(テレビ東京)加藤伸崇(S・D・P)古賀奏一郎(SS工房)
【制作】 テレビ東京 S・D・P
【制作協力】 SS工房
【製作著作】 「カプカプ」製作委員会
【公式HP】 https://www.tv-tokyo.co.jp/capcap/
【公式X】 https://x.com/tx_capcap
【公式Instagram】 https://www.instagram.com/tx_capcap/
【公式TikTok】 https://www.tiktok.com/@tx_capcap
【公式ハッシュタグ】 #カプカプ水ドラ25「カプカプ」
Sakurashimeji「明日を」インタビュー
活動10周年を迎え、さくらしめじからSakurashimejiへ
2024年6⽉14⽇に結成10周年を迎え、10周年イヤーがスタートしたさくらしめじ。新曲「明日を」のリリースを機に、アーティスト名表記を“さくらしめじ”から“Sakurashimeji”に変更した2人=⽥中雅功、髙⽥彪我にじっくりと聞いた!
(2024年8月25日 掲載)
Sakurashimeji「明日を」 × radio encoreインタビューアフタートーク
アーティスト名表記を“さくらしめじ”から“Sakurashimeji”に変更し、新曲「明日を」のリリースした2人=⽥中雅功、髙⽥彪我にインタビュー。その直後に収録したアフタートーク=radio encoreです。
インタビュー直後のSakurashimejiトークをお楽しみください!
(2024年8月27日 掲載)
8月23日(金)発売
シンガーソングライターの馬場俊英をプロデューサーに迎えて制作された、結成10周年記念シングル曲。
作詞・作曲はメンバーが手がけており、言葉の大切さを改めて見つめ直し、何度も何度も歌詞を書き直しながら完成された。決して10年という月日を区切らず、前へ前へ進もうとする二人の意思が伝わりながらも「例え傷ついたとしても走り続けたい」という想いが込められたアッパーなメッセージソングとなっている。
これまでの‘“Sakurashimeji”らしさ溢れる青春感もありながら、世代を選ばず誰の心にも迫り来る熱い言葉が胸を打つ。まさにグループのこれからを描いた地図のように、鮮やかに展開されていく構成が心を震わせるアンセムとして、未来を鮮明に映し出してくれる。Sakurashimeji Digital Single 「明日を」