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【体験レポート】"Shizuoka SAKE" 魅力発見!GI静岡の魅力を探る酒蔵巡りツアー

酒蔵プレス

富士山の豊かな水と、海の幸が有名な静岡県ですが、実は日本酒の名産地でもあります。静岡県の酒造りの特徴といえば、豊富な名水と、全国的にも評価の高い「静岡酵母」を活かした、すっきりとした淡麗な味わい。そんな静岡の酒造りの秘密を探るべく、「Shizuoka SAKE 魅力発見!モニターツアー」に参加してきました。

酒蔵を巡り、静岡ならではの食とお酒のペアリングを体験し、GI静岡の魅力をじっくり堪能する贅沢な一日。この記事では、その体験を余すところなくお届けします。

静岡の酒造りを支える技術と研究—沼津工業技術支援センター訪問

ツアーのスタートは、静岡の酒造りの最先端である研究施設「沼津工業技術支援センター」。
ここでは、静岡の酒造技術の発展を支えている「静岡酵母」や酒質分析の研究が行われています。

バイオ科 鈴木雅博さんよる特別講義。静岡県の酒蔵は東海道沿いに集まっていることを解説している様子。

静岡県の酒質の特徴は「淡麗な味わいで穏やかな香り」ですが、その特徴を作りだしているものの一つとも言えるのがこの静岡県独自の酵母である「静岡酵母」。バナナを思わせるような香り「酢酸イソアミル」を出すのが特徴で、ここ沼津工業技術支援センターで研究開発されたものです。
この日講義を行ってくださった鈴木さんは現在その「静岡酵母」の研究を担当しています。

通常、一般の人が入ることのできない「酒造試験室」の中も見学

特別講義の後には施設内をご案内いただき、酒造試験室や麹室なども見学。研究用なのですべて小規模ですが、設備などはもちろん本格的で、参加者の中には日本酒に詳しい方・酒蔵へ行ったことのある方もいらっしゃいましたが、皆さん興味深く見学していまいた。

施設見学のあとの質疑応答ではかなり専門的な「静岡日本酒」についてのお話や、今後の研究目標などのお話も伺うことができ、静岡の日本酒の美味しさの秘密を知る貴重な機会となりました。

静岡の地酒と食のペアリング— 居酒屋 和光で味わう贅沢なフードペアリング

続いて訪れたのは、静岡の地酒と郷土料理のペアリングを楽しめる富士宮の居酒屋「和光」。
ここでは、静岡の特産品を活かした料理と、それにぴったり合う日本酒のマリアージュを体験しました。

提供された料理は、どれも静岡の食材を活かしたものばかり。

ニジマスの刺身(富士宮の名産。富士山の伏流水で育てられたニジマスは、驚くほど上品な味わい)根原大根と鶏肉の煮物(根原大根は富士宮根原地区のブランド大根。鶏肉も近くの養鶏場から仕入れているそう)しらすと桜エビのピザ(静岡といえばしらすと桜エビ!今回のツアーのために特別に考案されたメニュー)

合わせる日本酒は、富士宮での3つの酒蔵から厳選された3銘柄。

左から、
富士の巻狩り 本醸造(牧野酒造)
富士錦 純米酒(富士錦酒造)
富士正 辛口純米げんこつ(富士正酒造)

この後訪ねる牧野酒造さんから代表銘柄「富士山」の
特別純米、純米吟醸、純米大吟醸の3種類もテイスティングさせていただきました!

地元食材にこだわったお料理と地酒の組み合わせは抜群!

どの組み合わせもとても合っていましたが、その中でも特によかったのは下記の組み合わせ。

ニジマスお刺身×富士の巻狩り 本醸造
 サーモンよりすっきりとしつつも旨味のあるニジマスと「富士山」のやわらかな旨味の相乗効果!

根原大根と鶏肉の煮物×富士錦 純米酒
 大根と鶏にしみ込んだお醤油と甘みが、富士錦のやさしい旨味と交わり心地よい余韻を感じられます。

しらすと桜エビのピザ×富士正 辛口純米げんこつ
 しらすと桜エビの香ばしさ、チーズのコクを「富士正」のキリっとした味わいで引き立てます。

どのお酒も飲み疲れせず、ずっと飲んでいたくなるような味わいで、お酒もお料理もついつい進みます。
まさに、地酒と地元食材の最高のペアリング体験でした。

GI静岡の認定酒を味わう—牧野酒造・富士錦酒造を巡る

午後は、静岡を代表する2つの酒蔵「牧野酒造」と「富士錦酒造」を訪問。
ここで特に注目したいのが、「GI静岡」という認定制度です。

GI静岡とは?

GI(地理的表示)とは、その地域ならではの特性を活かした産品に与えられる認証制度のこと。ワインの「AOC」やウイスキーの「スコッチ」と同じように、日本酒にもGI制度があります。
GI静岡の認定を受けるためには、次の条件を満たす必要があります。

静岡酵母を使用すること 静岡で採取された水を使用すること 国内産米を使用すること

その他にも「静岡らしい、なめらかで上品な酒質であること」や「静岡県内で醸造・瓶詰めされること」といった条件を満たし、厳しい審査を通過したものだけが「GI静岡認定酒」となります。

今回の訪問先である牧野酒造と富士錦酒造も、この「GI静岡」認定酒を造る酒蔵です。

牧野酒造—歴史を感じる伝統の酒造り

後ろに絶景の富士山を望み、のどかな田んぼに囲まれた牧野酒造。古い塀と高い煙突が特徴的

牧野酒造は富士山の伏流水を使用し、お米は全量手洗い、伝統的な技法での酒造りに取り組んでいます。

代表銘柄は「富士山」「白糸」。「富士山」はその名の通り、見事に望む富士山から命名されていますが、地元で古くから愛される「白糸」は、富士山の豊かな水源から流れる「白糸の滝」が由来。
富士山の水の恵みをたっぷりと使った、やわらかな口当たりとうまみが特徴です。

蔵元である牧野利一さんがご案内

タンクの中のもろみを覗かせていただきました

見学の途中には見事な富士山が!息をのむ美しさ!

蔵の中の見学の後は牧野酒造で作られたお酒の試飲。

「うちの酒は品評会に向いているような一口目が美味しい酒じゃない。飲めば飲むほど美味しくなっていくお酒なんです。」
そんな風に語ってくださった通り、一口、また一口とつい飲んでしまうような、そんな味わいを感じられました。

試飲では蔵元である利一さんの娘 奈未さんがご紹介をしてくださいました

毎年蔵元自ら杉玉を作っているそう。変わり種杉玉のフクロウと、今年の干支であるヘビがお出迎え

富士錦酒造—伝統×革新の酒造り

最後の訪問地である「富士錦酒造」。
こちらでは18代目である清(せい) 信一さんにご案内をしていただきました。
最初に蔵の出で立ちや、清さんが蔵を継いだいきさつ、富士錦酒造とゆかりのある方のお話など、貴重なお話をお伺いできました。

蔵の貯蔵庫はとってもシステマティック!車の部品工場を参考にして作った特注品

ところどころユーモアを織り交ぜながら、「富士錦」の酒造りのこだわりを伺えました

麴室の前では、実際に作った麹を試食。 素朴で優しい甘みを感じます。

仕込みに使われる酒米を作っている田んぼ。蔵元も一緒になって米作りを行っているそうです。

見学の後はお待ちかねの試飲時間。
こちらでもGI静岡認定酒を中心に代表銘柄である「富士錦」のお酒を試飲させていただきました。
富士山の伏流水の軟水を使っているからこそ感じられる、やさしい口当たり。飲み飽きしない、ずっと飲んでいたくなるようなで、すっきりと澄んだ味わいは、静岡の食材との相性の良さを感じさせます。

昔使用していた槽(ふね)を利用した自作の試飲台
おちょこをすすげて 冷たい富士山の水も飲める優れもの!

静岡酒の魅力を発見し、再認識する旅

旅の最後に参加者全員と富士錦酒造蔵元 清さんとご一緒に!

今回のツアーを通して、静岡の日本酒の魅力を改めて実感しました。特にGI静岡認定酒は、静岡県の酒造りのこだわりを象徴するもの。そこにしかない地元の水・酵母を使い、静岡ならではの味わいを大切にしていることがとてもよく分かりました。

「静岡のお酒は淡麗で飲みやすい」とよく言われますが、実際に酒蔵を訪れてみると、それだけでは語り尽くせない奥深さがあることを実感。静岡のお酒は、シンプルながらも繊細で、食事と共に楽しむのに最適な日本酒なのです。

静岡の地酒に興味を持った方は、ぜひ酒蔵巡りをしてみてください。きっと、あなたの知らなかった静岡の魅力が見えてくるはずです。

酒蔵プレス編集部静岡のお酒、いかがでしたか?是非皆さんも静岡へ足を運んでみてください!
https://sakagura-press.com

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