春の高校バレー県予選特集 男子(1)大分工業 大きく成長した姿で恩返しの大会に 【大分県】
高校バレーボール最大の大会「春の高校バレー」の出場権を懸けた県予選が始まる。栄冠を手にするのは―。ここでは優勝候補となるシード4校を紹介する。
県高校総体で高さ、パワーに勝る大分南を粘りのプレーで下し、全国高校総体への出場を決めた大分工業。全国では勝つことこそできなかったが、予選グループ、敗者復活戦ともに県予選と同じ粘りのプレーで善戦。会場を大いに沸かせた。「99%の努力と1%の才能」をモットーに掲げる江崎裕之監督は、「努力次第でここまでこれるんだと大きな自信につながった。春の高校バレー県予選では、負けない大分工業を証明したい」とチームの成長を実感している。
全国高校総体後はこれまで見落としていた細かな部分を調整しながら、チーム力の底上げに取り組んでいる。「20点を超えてからのネットタッチや、短いパス、トスなど細かい部分のミスが失点につながっている。そこを見直すことで大崩れしなくなった」と江崎監督。スパイクのコース選択や打つタイミングなど選手自身が判断する場面も多いため、一人一人が「今、何をするべきか」を考えながらプレーするトレーニングにも力を入れているという。
細かな部分を調整し、大崩れしなくなった
チームの調子は上向きだ。全国高校総体直前までけがで離脱していた後藤誠心(3年)がセッターに復帰。リハビリ期間を経てゲーム感を取り戻し、攻撃のバリエーションは広がった。得点源としてチームを支えてきた藤野功季(同)や和間志苑(2年)に加え、成長著しいミドルブロッカーの梶原寅之介(3年)、城井陽多(同)など攻撃陣の層も厚い。粘り、つなぎ、地道に点を積み重ねていくプレースタイルは変わらないが、そこに攻撃力がプラスされ、チームはさらに進化しつつある。
江崎監督は選手たちの人となりにも大きな信頼を置いている。「全員、真面目で一生懸命。学校生活や私生活に口を出すことはほとんどない。バレーの指導に集中することができる。特に3年生は精神的に大きく成長した。自分を変えてくれたバレーに、最後に恩返ししてほしい。どんな試合を見せてくれるかワクワクしている」。恩返しとは勝ち負けではなく、これまでの成果を出し切ること。キャプテンの遠島飛童(同)が「去年は悔しい思いをした。今年は全員で笑って試合を終え、全国の舞台に立ちたい」と話すように、これまでやってきたことを信じ、チーム一丸となって頂点を目指す。
県総体に続く優勝を目指す
(甲斐理恵)