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うつけ者と言われた織田信長はどのくらいヤバかったの?

TBSラジオ

メインパーソナリティ・パンサー向井の周りには、個性豊かなパートナーが勢ぞろい。さらに、お笑い芸人やタレント、アーティストなど、愉快 なゲストが毎日やってきます。

ふらっと こども電話相談室

2025年2月12日放送

パンサーの向井慧が「電話のおにいさん」となって、毎回、様々な質問に合わせた頼もしい先生をお呼びしています。

今回は先週放送したにこちゃんと加来耕三先生のつづきです。

Q.織田信長はうつけ者と聞きましたが、今で言うとどのぐらいヤバかったんでしょうか?(東京都 にこちゃん 12歳 小学6年生)

(回答した先生)加来耕三さん/歴史作家

向井おにいさん:今日は歴史についての質問っていうことなんですけど、にこちゃんは歴史が好きなんですか?

にこちゃん:大好きです。特に戦国時代ですね。

向井おにいさん:好きな武将とかはいるんですか?

にこちゃん:やっぱり織田信長がいちばんです。

向井おにいさん:じゃあ、にこちゃんの聞きたいことも信長に関してのことなんでしょうか?

にこちゃん:はい。織田信長はうつけ者と聞きましたが、今で言うとどのぐらいヤバかったんでしょうか?

向井おにいさん:ははは、なるほどね(笑)。確かにうつけ者って言われるけど。

にこちゃん:どのくらい・・・ふふふ(笑)。

向井おにいさん:今で言うとどれぐらいヤバい人だったのか。

にこちゃん:はい。

向井おにいさん:今日は歴史に詳しい加来耕三先生が来ているので、ちょっと話を聞き・・・。

にこちゃん:ああっ! 加来先生!

向井おにいさん:えっ、知ってる?

にこちゃん:はい、ユーチューブですごい、勉強させてもらってます。

向井おにいさん:すごいねえ。

にこちゃん:ひゃあー!

向井おにいさん:その加来先生と今からお話できるから。

にこちゃん:はい。よろしくお願いします!

向井おにいさん:すごい、にこちゃんは本当に歴史が好きなんだね。

にこちゃん:わあ!

向井おにいさん:じゃあ加来先生、お願いいたします(笑)。

加来先生:はい。加来耕三です。

にこちゃん:こんにちは!

向井おにいさん:すごいテンション上がってる。

にこちゃん:うれしいです。ほんとに。

加来先生:織田信長がすごいのは自分自身を焼いてしまうわけですね。自分で寺に火をつけて燃やしてるわけですからね。

にこちゃん:すごいびっくりしました。

加来先生:そこがすごく重要でしてね、光秀が三日天下で終わった最大の理由は信長の首を晒すことができなかったからなんです。

にこちゃん:燃えちゃったんですよね?

加来先生:そうなんですよ。信長が自分で燃やしたんですね。寺の奥へ入って鍵をかけて入ってこられないようにして、人が来る前に火をつけたわけです。

にこちゃん:はい。

加来先生:そこで秀吉の参謀だった黒田官兵衛が「信長公は生きている。今、安土で増兵中である。織田家の人間は秀吉さんのもとに集まれ!」ってやったんですね。これで山崎の合戦が起こって光秀が負けることになるわけです。

にこちゃん:ああー。

向井おにいさん:今の話を聞いてもやっぱり信長って破天荒な武将ですけど、うつけ者って・・・。

加来先生:あのね、うつけ者というのは今風に言うと「ばか者」とか「あかんたれ」という意味合いの言葉なんだけども、信長はその当時の決められた学問が嫌だったんですよ。

にこちゃん:おおー。

加来先生:当時は中国から入ってきた古典を勉強するのがいちばん大切なことだと言われたんですけども、信長は関心がないんですね。

にこちゃん:そうですか。

加来先生:でも信長のお父さんの信秀という人が立派だったと思うのは、信長のやりたいことだけやらせるんです。信長は馬をやりたいと言ったんですね。だから信秀は天下を探し回って馬術の達人を先生として呼んでくるんですよ。だから尾張でいちばん馬に乗るのがうまかったのは誰かというと信長なんです。

にこちゃん:ええーっ。

加来先生:次に信秀は弓の先生を同じように探してくるわけです。だから弓がうまいのはやっぱり信長がいちばんなんですよ。さらに信秀は鉄砲の先生を探してこさせた。だから信長は尾張ではいちばん鉄砲がうまかったんですよ。信長のしたいことだけさせたんです。

にこちゃん:すごい教育方針ですね。

向井おにいさん:そうだね。

加来先生:するとどういう人間ができ上がるかというと、劣等感のない人間ができるんですよ。

にこちゃん:劣等感がない?

加来先生:信長には劣等感がないんですよ。

向井おにさん:自分が劣っているっていう感じってことですね。

にこちゃん:ああ。

加来先生:だから信長は、学問をやっていたら自分はできたはずだと。自分はやらなかっただけだと。やったことは全部一流になっていると。これは良くもあり悪くもあるんですけども、そういう教育を信長にした信秀という人は戦国時代がもっと激しくなることがわかっていたんだと思うんですね。これから戦えるかどうかとなってくると個性の問題になってくるんですね。信長だけがほかの武将とはかけ離れて変わってますでしょ。

にこちゃん:はい。

加来先生:それはなんでかというと、信長は普通の学問をしていないんです。だから普通に勉強を一生懸命やった人から見ると、信長は大うつけだということになるわけですね。

にこちゃん:学問をやってないからうつけなんですね。

加来先生:学問もいろいろある中で、信長が嫌だと言ったものはやらなかったんですね。「中国の古典なんかそんなものは家臣に聞いたらいい」と。「俺がやらなくていい」と、こういうわけですね。

にこちゃん:ふふふ。

加来先生:ヤバいということではなくて、正規の学問をしていないので、普通の人から見たら変な人に見えただけなんです。性格のことじゃないんですね。それで信長は子どものときから合戦をやったり、ガキ大将でそこら中を走り回るわけですよね。それで尾張の地形を全部頭の中に入れてるわけですよ。

にこちゃん:おおー。

加来先生:戦争をするときに、どこで雨が降ったら川がどのぐらい増水するかとか、全部わかっているわけですね。

にこちゃん:えっ、すごいですね。

加来先生:だからそれを信長は学問だと思っているわけです。ところがほかの人たちはそれを学問とは思わないわけ。信長は単に遊んでいると思っている。それで信長は大うつけ者と言われるわけですね。

にこちゃん:はい。

加来先生:高僧といわれる偉いお坊さんが信長を見たときに「これは人物だ」と言うわけですね。普通の人とは違うんだということを言うんです。普通の人と違うことが悪いことではないと思うんですけど、学問を普通にやっている人たちから見ると、そんな信長は怖かったかもしれませんね。なにを考えているかわからないということで。でも信長には信長なりの考えがちゃんとあって、その個性で信長は尾張を統一して、やがて美濃を併合して、天下布武に行くわけですよね。

向井おにいさん:にこちゃん、いかがですか今のお話を聞いて。

にこちゃん:すごい、今、笑いが止まらないです(笑)。

向井おにいさん:はははは(笑)。いろいろ聞けて嬉しい?

にこちゃん:はい。

向井おにいさん:やっぱり信長というのは型にはまらなかったからこそ・・・。

加来先生:型にはまったら今川義元の大軍に立ち向かったりせえへんと思うわ。最初から降参すると思う。

向井おにいさん:だからこそ信長にはいろんな逸話があるってことですね。にこちゃん、加来耕先生とお話していかがでした?

にこちゃん:すごい楽しかったです(笑)。

向井おにいさん:本当に歴史が好きなんだね。

加来先生:ありがたいですねえ。

にこちゃん:先生!

加来先生:はい?

にこちゃん:最後に、あの、あれなんですけど・・・。あの、先生、推しなので・・・。

向井おにいさん:推し!?

にこちゃん:めちゃくちゃ今、推してるので、サインを家に届けてください(笑)。

加来先生:わかりました(笑)。にこちゃんのためなら送りましょう。

にこちゃん:楽しみにしてまーす! ありがとうございました!

向井おにいさん:すごいですね、先生。推しなんですって、にこちゃんの。

加来先生:意味わからへんかった。推しってなによ?

向井おにいさん:ファンってことです(笑)。

(回答者プロフィール)加来耕三(かく・こうぞう)さん。歴史作家。赤穂浪士の大石内蔵助も教えた東軍流という古流剣術の宗家に生まれ、歴史研究の道に進みました。歴史上の人物の功績や地域の歴史を掘り起こし、これまでに350冊以上の本を書いています。監修を務めた『コミック版 日本の歴史』シリーズは累計180万部以上のロングセラー。テレビ・ラジオへの出演も多く、歴史番組の時代考証など幅広く活躍しています。

(TBSラジオ『パンサー向井の#ふらっと』より抜粋)

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