薬膳スイーツとキンパで新たな食の魅力を知る 須磨の新店『Ambre Table』 神戸市
東須磨に薬膳スイーツとキンパのお店ができたと聞いて、取材するのを楽しみにしていました。『Ambre Table(アンブル ターブル)』(神戸市須磨区)、訪れてみると、新たな食の魅力を知ることのできるお店でした。
東須磨駅のほど近く、住宅街にお店はあります。お隣は『明暮焙煎所』、道を挟んだ斜め向かいには『cafe Cerasus』のある辺りです。
穏やかな笑顔で迎えてくれるのは店主の山田さん。ワインとチーズを扱う人気店『酪と酵母』のオーナーでもあると知りました。
「琥珀の食卓」という意味を持つ『アンブル ターブル』。「忙しい中でも身体によいものを美味しく手軽に取り入れられるように」という思いから、琥珀色をした調味料、胡麻油や蜂蜜、米飴などを積極的に取り入れたスイーツやキンパを販売されています。
お店を入ってすぐの正面のショーケースにはカラフルなキンパが並びます。注文を受けてから巻くことが多いため、陳列されているのは最小限。
奥のショーケースには、お菓子が並んでいます。ベイクドチーズケーキやキャロットケーキもありますが、初めて見る珍しいものもたくさん。
こちらは韓国の伝統菓子である「薬菓(ヤックァ)」。小麦粉や米粉に水飴、生姜、蜂蜜、シナモンなどを混ぜ、油で揚げた後、シロップに漬け込んだものだそうです。できあがるまでに3日もかかるお菓子です。
ねっちりサクッとした独特の食感。噛むごとに優しい甘さが染み出してくるので、お茶にもコーヒーにもよく合いそうです。
「薬菓」は、「薬膳素材のジェラート」にも添えてあります。よもぎ味とミスッカル(雑穀)味のジェラートをいただくことにしました。
よもぎを一口食べてびっくり!想像していた特有の苦味はまったく感じず、ミルキーなジェラートによもぎの爽やかさな風味が見事に溶け込んで、なんとも上品な味です。よもぎがこんなに美味しいと思ったのは初めてです。
「ミスッカル」とは、麦や米や豆などの穀物を粉状にしたもので、韓国では牛乳やお湯などで割って飲むことが多いのだそう。きな粉のような、なんだか懐かしい味。こちらもジェラートに優しく馴染みます。
さすが『酪と酵母』で乳製品を扱い慣れた山田さんの作るジェラートはどれも絶品! ジェラートは、定番のものに加えて季節の素材を使ったものも出される予定です。
早くもリピーター多数のキンパは、早くに売り切れてしまうこともあるほど人気です。
ご飯は少なめで、嬉しくなるほど具沢山。住宅街でお店を出すにあたり、「晩ごはんになるようなものを出したい」と考えられたそうです。
「オリジナル7種のキンパ」は、どの具材も主張しすぎないのに、たくあんのポリポリもごぼうの風味もちゃんと効いていて、細やかな味のバランスが最高です。7種、ひとつひとつに適した味が施されており、丁寧な仕事ぶりを感じます。
「青唐辛子のキンパ」は、隠れ人気No.1の商品。シンプルな細巻き。口に入れるとふわっと香る青唐辛子…と思っていたら遅れてやってくる辛み!じんわ〜り辛い、刺激的な味です。クセになる辛さでどんどん手が伸びるのですが、結構辛いので辛みに弱い人はご注意を。ビールのお供にもぴったりだそうですよ。
ほかにも、からし菜やセリを使ったものなど、季節ごとに旬の食材を使ったキンパが登場します。
見た目の美しさもさることながら、薬膳の知識を取り入れ、身体のことを考えながら丁寧に作られる商品の数々。食材の組み合わせによって生み出される新たな味は、どれもが新鮮で魅力的です。「もう一度あれが食べたい。今度はあれも食べてみたい!」と、何度も足を運びたくなるお店です。
お一人で営業されていますので数に限りがあります。特にキンパは予約がおすすめです。
場所
Ambre Table
(神戸市須磨区東町1-2-8 藤木マンション1F)
営業時間
月・木・金曜日 11:00~14:00、16:00~20:00
土・日・祝日 12:00~20:00
※売り切れ次第終了
定休日
火・水曜日
オープン日
2025年5月10日(土)