【全編文字起こし】初の著書『漫才過剰考察』が話題、令和ロマンの髙比良くるまさんが1年ぶりに登場
「奇奇怪怪」のTaiTan(Dos Monos)と玉置周啓(MONO NO AWARE)がお送りする番組。
令和ロマン・くるまさんが1年ぶりに登場
Taitan:ラッパーのTaitanです。
玉置:MONO NO AWAREの玉置周啓です。
Taitan:今日の脳盗はですね、オープニングをすっ飛ばしていきなりゲストに来ていただこうと思っております。令和ロマンのくるまさんが来てくれてます!
くるま:令和ロマンくるまです!
Taitan:1年ぶりの!
くるま:テンションがすごい!オープニングをすっ飛ばして。
Taitan:収録が始まる前のなんかピロートークみたいな…
くるま:ピロートークは終わった後っすね。
玉置:お前先のタイプだもんな。
Taitan:先に俺やるからね。
玉置:珍しいな。
Taitan:ということで、くるまさんが1年ぶりに来てくれて。この間来てくれたのがM1直前だったので、チャンピオンになってからのくるまさんは初ですよ。
くるま:そうか!ありがとうございます本当に、あれきっかけで一気に勢いがついてね…。
♪前TM
Taitan:ということでチャンピオンになったくるまさん。なんならM1どころかABCもチャンピオンで、ゴールデンコンビもチャンピオンで。チャンピオンずくしで、どうでしたか今年は?
くるま:ゴールデンコンビが5月に収録あって、そこで優勝できたんで、「もう行ったよなー」って感じですよね。オンエアは最近でしたけど、5月にもう1回優勝してるんでマジで心穏やかに過ごせますよね。もっかいM1でるとか屁でもないし、何でもありじゃないですか。もう1000万取ってるんですよ、5月に。
Taitan:あれ、1000万ってケムリさんにあげたんでしたっけ?
くるま:いや、僕がもらった方ですね。何に使おうかっていうのを模索してるんですよ。
Taitan:ボールを作って配ろうみたいなのありませんでしたっけ?
くるま:そうなんですよ。でも番組でちょっと切り取られて発信されちゃったんで、「そんな配ったら迷惑じゃないか!」っていう教師の皆様からのお叱りを受けまして。
Taitan:え、何それ!気になる気になる、もうなんでもありじゃないですか
くるま:確かに、その視点は欠けてて。「物を配ったら先生の仕事が増えるからそれは迷惑だ」っていう、全国の教育の関係者からDMがいっぱい来てて。本当に申し訳ないなと思って。
Taitan:そんな仕事増えますかね、ボールを受け取るだけですよね。
玉置:印鑑探さないとだしさ。
Taitan:そんなん普段からやってるでしょ
くるま:まあそれを言われて、しっかりルールが決まってなかったんで。皆さんから意見いただけたから、なるべく楽できるようにしたいなと思って。こっちも迷惑かけたいわけじゃないので。
Taitan:1000万払って迷惑かけるっていう…。
くるま:1000万っていうか、もうこの時点で3000万ぐらいかかるらしいんで。送料とか負担するから。
Taitan:え、やば!え、それどうするんですか?
くるま:いやもう完全に自腹ですよ。自腹でボール配ってみようかなみたいな。
Taitan:3000万自腹でボール配るとか、芸人夢ありすぎだろ。え、それってサインとか書くんですか?
くるま:なんかそれは印刷されたやつになるみたいで、全部決定じゃないですけど。いろんな教師の皆さんの意見を取り入れてね。
Taitan:善意むずいっすね
くるま:まあ、今みんな忙しいですからねほんとに。
玉置:なんすか、その回収。
くるま:いや、でも思うんですよ。やっぱ芸人とかって楽しいからやってるけど、みんな別の仕事それぞれしてるから。それこそちょっと前に話題になりましたけど、芸人がみんな地面師たちの話めっちゃしてて。そしたらお客さんが「私たちはライブとかラジオとか聞くのに精一杯だから、地面師見れてねえんだよ」みたいポストがバズってて。まあ「そっかそう思うのか」って。お前らはみんな暇だから「もうええでしょ」とか言ってるけど…。
Taitan:知らない話すんなと!
くるま:そうっちゃそうかなと思って。
Taitan:いや、それは違うと思うけどなあ
玉置:楽屋トークしかできなくなっちゃうよ。
くるま:見てる人もいるから楽しんで貰えばいいけど、そういう意見があるんだなって。まあそんなこと言ってもしょうがないですけど、何も出来なくなっちゃうんで。受けた上で結局やるんですけどね。「Shogun」のネタとかもやるし。
Taitan:それは困っちゃうかもしれない。
玉置:俺も見てないわ流石に。
くるま:まあ、本当に有意義な1年でしたよ。
Taitan:本も出して。
くるま:出しましたねえ。
Taitan:『漫才過剰考察』、これ本当に自分で書いたんすよね?喋ってゴーストライターみたいなノリじゃなくて。
くるま:自分で書きましたね。まあインタビューの部分もあるんですけど、これが多分人生で一番しんどい作業でしたね。楽しいけどしんどいというか。熱中しちゃって、こんな徹夜したことないというか。マジ無限にできちゃうじゃないですか本って、直しが無限にできちゃうから。何回も直して、直してみたいな。
Taitan:これはくるまさんが書きたいって思ったんすか?企画を持ち込んだんですか。
くるま:これは元々『漫才過剰考察』っていう連載をwebで不定期でやっていて。
Taitan:あ、それ読んでましたよ。
くるま:本当ですか?昨年のM1の前からやらせてもらっていて、「M1優勝記念に出版しませんか」って話が出て。連載をまとめて、ライトな感じで出す予定だったんですよ。でも優勝したから変わったこととか、連載を並べてみたら、なんかちょっと言ってることズレてるよなとかあって。もう9ヶ月かかってますからね。
Taitan:いや、よくまとめましたよね。
くるま:まとめたことだけは一番評価されたいっすね。短くすることってめちゃくちゃ大変で。ボク活字が苦手なんで、「活字苦手勢」ができるだけ一気読みできる文字のサイズとその分量を目指してて。あと途中途中で、僕が本のハリーポッターが好きなんで、本のハリーポッターみたいにちょいちょい太字になって、びっくりさせてくるっていう…。
Taitan:ハリーポッターってそういう演出ありましたっけ?
くるま:あるんすよ、怖いところを急に太字にするんですよ。そのオマージュで太字にしてるんですけど。
Taitan:ビジネス書とかの時間がない人用のオマージュじゃなくて、ハリーポッターオマージュなんだ。
玉置:形式が違いすぎて全然繋がらないけどね。まあ確かにそのおかげもあって読みやすかったかもしれない。あとちょいちょい小ネタも挟んであって。「笑いの怪物」のネタとか。おしゃべりと一緒で筆に脂が乗ってて、その油で滑ったまんま最後まで読み続けられちゃうような、そんな本でしたよね。
くるま:いっちばん嬉しい書評ですね。これ追加していいですか?人の本ってそうやって褒めればいいんだ。「脂が乗ってて、筆が滑っていく」ってめっちゃかっこいいな。
玉置:いや、そこが一番言いながら鳥肌立ってたんですけども。恥ずかしい。
Taitan:今日それ言うために来たんだもんね。
玉置:ふざけんなよ!
くるま:でも絶対普段から活字読んでる人ですもんね?小説とか。
玉置:好きではありますけど、僕は漫才とかは細かく考察できないんで。でも読み始めたらフォントのサイズも調整されていて、途中でTver広告も入ってきたりして。
くるま:飛ばせない広告ね、あのイラつきをもう一度ということで。
玉置:そういうの見てると、勝手に心がほだされてというか、最後まで読めちゃいましたね。
くるま:いやー、嬉しいですね。さ、TaiTanさんも上手に褒めて頂いて。
Taitan:めっちゃ嫌なんだけど!もうこの本の褒めは脂でフィニッシュでいいでしょ。でも本当にめちゃくちゃ面白かったですよ。ここまで書いちゃうんだみたいな。これ本当に松本人志氏の『遺書』みたいになるんじゃないですか。もう教科書みたいになっちゃうんじゃないかこの世代の。
くるま:どうなんですかね。でも今っていうのをめちゃくちゃ意識してて、「後世に残そう」じゃなくて。あったんですよ、なんか「今の話しをしちゃうと後々売れないんじゃないか」みたいな。でも「もうそれやめない?」って思って。そんなん無理だわと思って、永久の本を出すのは
Taitan:くるまさん、この中でも言ってましたけど。くるまさんみたいな「考察っぽい芸人増えたな」みたいなこと言ってたじゃないですか。でも、これ決定版じゃないですか。他のそういうタイプの芸人は、どういうリアクションになってるんですか?もうその道ないじゃないすか。
くるま:そうですね、むしろそれで閉ざしたいっていうか。それよりもっと素直にやって欲しいっていう気持ちが強いですね。
Taitan:まじで『遺書』枠になっちゃうんじゃないですか。スカしとかも、全部「松本さん以前・以降になっちゃった」みたいな。ちょっと分析考察キャラみたいな事やったら「くるまさんの真似してるな」ってなっちゃうみたいな。
くるま:松本さんの方はそれでみんなが真似して、お笑いの花開いた感じがしますけど、こっちは枯れさせる方というか。
Taitan:なるほど、このバブルを終わらせにいくと
くるま:「やめよう」っていう本なんで、気持ちとしては。今日M1の準々決勝に出てきて、そのレベルには考察系の人っていないんですよ。だけど、もっと後輩とか1年目、2年目の子とか、学生お笑いの子とかは、頭いいからどんどん考えられるようになっちゃって。結果的に似たような漫才になってたりとか、そういうのが勿体無いよねみたいな。
Taitan:めっちゃ気になるんですけど。似通っていく傾向ってどんな感じなんですか?
くるま:漫才で言ったら「最初すぐ掴みをここでやって」「手を大きく広げて拍手をもらう」とか、「粗品さんみたいなワードでつっこむ」とか。普通に「なんとかじゃねえか!」って突っ込めばいいのに、みんな粗品さんみたいな「なんとかの、なんとか!」みたいなツッコミしちゃって。そういう人が多いんすよ、そんな見た目じゃないのに
Taitan:確かに、めちゃくちゃ見覚えありますもんね。
くるま:ココ!ってやる人が多くて。まあそれでウケちゃうからいいんでしょうけど。東京ホテイソンさんとかはあれで確立してやってるからこそ、なんか色んなネタがあった方がそれぞれのレベルって上がるのに。割と均一化してるよなっていうのはあって…。
Taitan:なんでいろんなスタイルがある中で、そこにみんな集中していくんですか?やりやすいからですか? まあ、ウケるからじゃないですか。ウケて勝つから・・・
Taitan:なるほど、いろんな人のパターンを見て。サンプリングしていったらそうなっていくっていう。
くるま:そうですね、本当にやりたいことは別にあったかもしれないけど、M1の時期だけみんなそれをやるみたいな。単独とかでは皆それぞれ自由にやってるのに。
Taitan:でも音楽とかと似てるんじゃない?みんなサビから始まる曲ばっかになったみたいな。誰がやりだしたわけではないんだけど、サブスク以降になったら飛ばされちゃうから0秒00からサビが始まる曲が乱立したみたいな。誰に責任があるわけでもないんだけど、なんか全体的にそうなったみたいな。
玉置:そうね、環境とか制度のせいでそうなったみたいな。
Taitan:で、くるまさんがそれを終わらせた後は、どういうスタイルが定着してくんですか?
くるま:いや定着とかじゃなくて、まあ全部終わらすことはできないんで…。
Taitan:え、なんで終わらせたいんですか?
くるま:いや、むしろ残すためですよ。それこそ競技化って加熱したら、何でもそうですけど、やりすぎちゃうとブームが去っちゃうじゃないですか。それをもうちょっと鈍化させようっていう。今なりかけてますけど、ネタの作りがどんどん似ていって。決勝とかあんまりハネなくなっているというか。いい意味で拮抗してるんですけど、みんな同じになってるなみたいなところが見てると思うし。キングオブコントを見てても、みんなのネタが一緒になってきていて、お笑いがどんどん狭くなっていく感じが怖いんですよね。
Taitan:いやぁ、本当にくるまさんがこれからどうなっていくのかっていうのがね。それこそ、この間飯とか食ったときに、「本当に何も考えてない」みたいに言うじゃん。
くるま:そうっすね、本当に。
Taitan:本当に本音なんですよね、くるまさんって。
くるま:本当に考えてないっすね。
Taitan:とにかくもう、ただ楽がしたいだけみたいな。
くるま:そうですね。でもちょっと変わりましたよ。
Taitan:お!それ…ちょっと新作聴かせてください。
玉置:新作?
くるま:基本的に与えられたことをしたいっていうのはそんな変わってないんです。やっぱり優勝して、いろんなそういう仕事するようになったときに、インプットの量が多すぎて。ちょっとやってみたいことがさすがに出始めた。
Taitan:おおー!自我が!うれしい。
玉置:なんだよ、その喜び。うれしいけどね。
Taitan:それこそ、鳥羽さんのお店に行ったじゃないですか。
くるま:あの人ね。
玉置:あの人…鳥羽周作さんね。
Taitan:LINEでずっと喋ってるでおなじみの。鳥羽周作のところへ3人で行ったときに、俺がギャンギャン聞くわけですよ。「くるまさん、マジで何やるんすか?」みたいな。「本当に何もやんない」みたいな。「与えられたものを興味があったらやるし、なかったらやんないし」みたいな。そういうこと言ってたんで、俺はちょっとやっぱり「残念かも」みたいな。このゲームを支配して欲しいのに。この世界を。もっとジョーカーみたいになってほしいなと思ったんですけど。今はちょっと変わってきたんですか?自我が。
くるま:自我というか。お笑いの仕事が結構いっぱいあって、劇場とかそういう今までのものは全部出るけど。やっぱり、でかかったのがやっぱり「Forbes」の「30 UNDER 30」。
Taitan:嘘じゃん!ぜったい嘘。
玉置:俺にはわかんないけど。
くるま:本当なんすよ。言ってることは。
Taitan:いやいやいや。
くるま:TaiTanさんが言ってることはわかるんすけど。たぶんTaiTanさんが思ってるのとちょっと違います。「世界を変える日本人」「30歳未満で」みたいな。選ばれて「よっしゃー!」じゃないわけですよ。「なにこれ?」とか思うわけじゃないすか。面白いかなと思って受けてみて。表彰式みたいなのにも行って。そこで「なんか、すいません…」「芸人なのにすみません…」みたいな。そういうスタンスで過ごしてて。ちょっとおいしいなみたいな。周りからいじられるだろうなぐらいに思ってたのは事実なんすよ。でも思ったより…結局他の人に「M-1見ました」とか言われて。なおかつ、自分がその直後に30になって。M-1チャンピオンとか、ゴールデンコンビ優勝とかいろいろあったときに、自分がこれ以上卑下するのって、なんか周りに失礼だなっていうようなフェーズに普通になりました。なんかやっと大人になったんですよ。
Taitan:いいですね、いいですね。いいねいいね。
くるま:普通に大人になった。卑下していたらこの人たちのことを下げてるってことになるなと思って。同じ賞を持っていた人たちにね。世界で売れてるアーティストとか特殊メイクのアーティストとか映画の人とか。そういう人たちを自分は冷めさせてるな、サービス精神がないんじゃないかと思って。本心じゃないですよ。調子のってはない。「Forbesですもんね」と言われたら「そうなんですよ」ってくらいのトーンで返すことがマナーだなっていうことに気づいて。なんかそこにもう一つの自分を作れたんですよ。そこからいろんな業種の人と会ったり。ちょっとやっぱり芸人として、若干いろんな俳優さんとか音楽の人とかと気さくに話すのって、ちょっとミーハーすぎるイメージがやっぱりあるんですよ。、やっぱりチャラついてる胡散臭い先輩のイメージが、ちらつじちゃうわけですよ。だけど、もう思い切って接してみようと思って、結構今年いろんな人と会ったんですよ。初対面の人と。
Taitan:ポッドキャストもやってますよね。
くるま:番組とかもやってるんで。そうしたら、「意外に俺これいけるな」「この人たちと相対せるな」と思って。今、名刺があるから。なにか新進気鋭みたいな感じにされてるから。それをきっかけに、今までの先輩は一緒に飯食ってピースして終わりだったけど。自慢話をして、なんか「アイドルと知り合いだぜ」で終わり。胡散臭い感じになっちゃってたけど。俺ちゃんとこの人たちと仕事する人になってみようかなって。初めての。
Taitan:いい!やば!芸人史上初めて。
くるま:実はいないじゃないですか。そっちに転身する人はいるし。なんか芸人のままでいる人はいるけど。フェードアウト組はいるけど。ガッツリお笑いの場でやるのを諦めないでみていようかなと。それこそ、ラジオっていう舞台で今こうやって3人で喋ってると楽しいけど。本当に音楽のライブとお笑いライブをマジでちゃんと融合したことないから。やってチャレンジしてみるのが、自分の仕事なのかなって思って。それがやりたいことです。お笑いと何かをなんかマジで真剣に組み合わせるっていう取り組み。
Taitan:すげぇ。1人吉本興業みたいになってる。
くるま:吉本がやるのは結構お笑いのフィールドに引きずり込むってことじゃないですか。それは会社ができることだと思うんで。マジで何かできんのかなって。今そのポッドキャストがやっぱり、めっちゃいい刺激になってて。めっちゃいいんですよ。特殊メイクのアーティストの人の話を聞いてたら、なんかセットとかライブとかもやるんですよみたいな。きゃりーぱみゅぱみゅのやつもやるんですよっていう。快歩さんって方がいるんすけど。その人がもしかして、オダウエダさんとかななまがりさんのコントとかを特殊メイクでついてもらったら、めっちゃ面白そうじゃないすかとか。そういうのって今たまたま俺が変な名刺を与えられてることによって気付けることだと思って。選択肢に絶対ないんで。これ本で書いてるようにお笑いがやっぱ狭まりつつある。そういう時代だからこそ。なにか突破口になるんんじゃないかと。お笑いのなかに新しいお笑いがないからこそ、外から持ってきて新しい風が吹けば。まだなんかお笑いいけるのかなと思って。
Taitan:めっちゃ面白い。
くるま:まだ全く具体性ないんですけど。来年からちゃんと動き出さなきゃなと思ってるんで。
Taitan:いや本当に嬉しいっす。くるまさんからそういうのを聞きたかったんです。こないだも。
くるま:嬉しいですか。そうだったら…申し訳ないです。やりたいことないとか言って。
Taitan:「やりたいことなんて1個もないんだから、俺のことはほっといてほしい」みたいなこと言っていて。
くるま:プランが別に今も具体的あるわけじゃないんですよ。だから、助けてください。そういうのわかんないんで。どうしたらいいか。発想力しかないんです。
Taitan:すげぇことを言っている。
玉置:すげぇこと言ってるな。
くるま:でも気付きました。いろんな人と接して。たぶん、ぱっと思いつくのはぱっと思いつくんですよ。ただ、みんなみたいに整える力が本当にないんですよね。TaiTanさんみたいな。1個ずつやるじゃないですか。自分で作ったプロジェクトみたいな。そういう人にやってもらうのが一番いいんだろうなと思って。
Taitan:そしたら、くるまさんと手を組みたいです。
くるま:組ませてください。
Taitan:それこそ、この脳盗もくるまさんに企画者として入ってもらったことがあって。会議とかに参加してもらったんんすけど。まぁ早い。それこそだから発想の鬼。発想の鬼っていうのもそうなんだけど、早いですよね、全てが。
くるま:確かに早いんですよ。確かにあのときは気付いてなかったんですけど。お笑いだからこんなこんなもんですよ的な。
Taitan:草野球で、「あれ?これ135出てるよ」みたいな。なんか普通の作家さんとかいる会議で。「ここ、なんか全然駄目じゃないすか」みたいなことを誰よりも早く気付くみたいな。
くるま:お笑いに関してはそうっすね。
Taitan:いやなんかお笑いだけじゃなくて。なんかこれが世に出たときの、これは多分反応しづらいっすみたいなのとか。くるまさんは、そのときちょっと卑下して「もう粗探しの天才です」みたいなこと言ってましたが。構造的欠陥が秒でわかるみたいな。その力を本当貸してほしいっすね。
くるま:そんときはなんかラジオっていうのも自分がやってる分野だし。お笑いのコーナーだからこそ気づけると思ったんです。だけど、いろんな人と喋ったときに、結構得意なんだって思って。
Taitan:めっちゃあると思うんすよ。
くるま:めっちゃ正論。正論ニキなんだ俺。あらゆるお悩みに対して。あ、そっかと思った。
Taitan:言うと…、僕は整えニキなんで。整えてどうにか。メールとかを返していくみたいな。
くるま:あ~。助かります。
Taitan:そういうのができるタイプなんで。ちょっとこれあるんじゃない?玉置周啓君もね…。ほら?ほら?ほらなんか…すごいニキじゃん。
玉置:用意しとけよ!性別のみ伝わったけど。
Taitan:すごいニキとして轟かせてるじゃん。
くるま:ツッコミニキですからね。
玉置:ツッコミニキも恥ずかしいですけど。
くるま:ちょうど30になったのもでかいんです。同級生の結婚式とかも行くじゃないすか。30ちゃんと30に影響されました。30になったことに。年齢とやっぱりちょうどやっぱ良かったんすよ。M-1優勝した次の1年とか。何かステージが上がったことをちゃんと…責任を取らなきゃいけない1年だったんで。「大人になった」の一言に尽きますね。
Taitan:すげぇなForbes。
くるま:Forbesに大人にしてもらいましたね。
Taitan:割礼みたいな。
玉置:地元のお姉さん的な。
くるま:グループLINEとかにも入ってみたりとかしたんです。いい意味で開き直れたんですよね。「もう世界変えましょう!」とか発言して。4時間ぐらいめっちゃ無視されたとか。
Taitan:すごいな。令和ロマン・くるまを無視するLINEグループがある。
くるま:心優しい人が、4時間後ぐらいに「私もなんか、こういう医療メーカーで働いております。世界を変えましょう」と、ちょっと照れながら言ってくれたり。なんかでも、それでも回ってるよなって。お笑いの力で。「なんかこんな人がいたんだよ」とか。誰かが職場で言っても意味あるよなと思って。「地ビール作ってます」って人とかとちょっと喋ってみたりとか。芸人の悪い癖毛嫌いしすぎてた。なんか胡散臭いとか。いじりすぎてたと思って。いじる人もいるから。悪意のある人と斜めの人が溢れてるから。俺もななめな人間だったけど、お笑いのためならまっすぐになろうと思って。本当はななめなのかもしれないけど。もう忘れようと思って。これまでのことは。で、そんな俺をいじってもらおうと思って。若林さんとか有吉さんとか。いるんだから10年20年。まっすぐ代表。
Taitan:マジで大人になった。3,4ヶ月前に会った人と人が違いすぎて戸惑ってます。なんなのこの人みたいな
くるま:マジで大人になりました。大人になりましたね。かなり変化しました。
Taitan:なんか元気もらえた。
くるま:大股で歩いてます。街とかも。こんにちはって感じで。
玉置:それは関係ないかもな。
くるま:はい!いきましょう!とか。ハキハキしゃべって。CMとかもどんどん巻くんです。この前も3時間巻きました。CM撮影。着いたら代理店と一言も話さずに、クライアントのところへ行って。「これやりましょう」「この衣装がいいです」とか間の伝言ゲームを全部すっとばして。
Taitan:モンスタータレントじゃないの?
くるま:これめちゃくちゃいいですよ!何を伝えたいですか?で、あればこうでこうでこうですよ!って。じゃあいきましょう!みたいな。
Taitan:裏で泣いてる人いますよ。
くるま:保険で撮りましょうとかない。ぶっちゃけどうですか?とか聴いちゃったほうが。全員で早く終わって、全員にお給料払われるんで。
Taitan:マジでイーロン・マスクとかと同じ発想。コストカッター。
くるま:仕事は減らしてないんで。前の時点で「この人いらないです」とかは言ってない。
Taitan:そんな元気なくるまさんでした。告知。
くるま:辰巳出版さんから『漫才過剰考察』が出版中です。重版しています。重版したけど間に合ってなくて…。書店にないとかにもなってます。目指せ〇万部!言っちゃいけないみたいで。
Taitan:大人になったなぁ。M-1も準々決勝まで言って。ぜひ2連覇してもらいたいんで応援してます!
くるま:ありがとうございました!はい!!
玉置:はきはきしてるなぁ。
Taitan:くるまさんでした。
(TBSラジオ『脳盗』より抜粋)