2025年ローレル賞は「近畿日本鉄道8A系」と「福岡市交通局4000系」
鉄道友の会は22日、2025年ローレル賞(優秀車両)に『近畿日本鉄道8A系』と『福岡市交通局4000系』を選定したと発表しました。
近畿日本鉄道8A系は、同社にとって24年ぶりの新系列一般形車両です。運用の汎用性と柔軟性、高レベルな客室サービスを実現し、新たな標準化を目指した点が評価され、会員による投票において支持率が高かったといいます。
福岡市交通局4000系は「一人ひとりにやさしい移動空間」がコンセプト。「シンプルな機能美の中に、新たなデザイン、技術をバランスよく搭載し、乗客の快適性に最大限配慮した次世代の地下鉄車両」として高く評価されました。
多様なニーズに応える次世代一般形車両「近畿日本鉄道8A系」
近畿日本鉄道8A系は、1960~70年代に製造された多数の一般形車両の更新を目的として開発された新形式車両です。奈良線・京都線用として4両編成で登場し、2024年10月から運転を開始。今後は大阪線、名古屋線、南大阪線などへの展開も予定されています。
カラーリングにおいては、赤と白のツートンを継承しつつ、新たな色合いと塗り分けパターンを採用。前頭部は八角形をモチーフとした特徴的な造形で、大型の種別行先表示やLED前照灯を備え、併結運転を前提とした貫通扉も設けられています。
ロングシート・クロスシートを切り替えられるL/Cシートを採用しており、混雑状況に応じた柔軟な運用が可能。また、各車の中央ドア脇には、ベビーカーや大型荷物など多様なニーズに対応する「やさしば」スペースを設けています。
「一人ひとりにやさしい」地下鉄車両「福岡市交通局4000系」
福岡市交通局4000系は、空港線・箱崎線の1000N系置き換え用として、「一人ひとりにやさしい移動空間」を設計コンセプトとして開発された車両です。
外観は前面の丸みを帯びた塗分けから側面にかけて「ブルー」のラインが続き、側面窓周りには福岡空港の「空」をイメージした「スカイブルー」を配するデザイン。
車内は明るい白色を基調とし、貫通扉や袖仕切り、荷棚にガラスを使用することで、すっきりとした開放感のある空間を演出。座席幅は一人あたり480mmまで拡大され、手すりやつり手の増加、目線近くまで下げた荷棚など、快適で使いやすい車内空間を追求しています。各号車には優先スペース(車いす・ベビーカー用)が設けられ、優先席の一部には座面の高い立ち座りしやすい座席が採用されました。
台車には空気ばね支持のダイレクトマウント式ボルスタ付台車を採用し、従来の防音車輪に加えて新たに片軸操舵機構を導入することで、非常に静かな車内空間を実現しています。機器類では、永久磁石不要な同期リラクタンスモータを世界で初めて主電動機に採用し、従来車と比較して40%の省エネ化を達成しています。
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