犯人の特徴を役割分担で記憶、四日市で金融機関強盗の防犯訓練
金融機関強盗に備える訓練が12月17日、みずほ銀行四日市支店であり、行員や警察官ら約20人が参加した。犯人役の警察官の威嚇の演技が真に迫り、緊張感のある内容になった。
近鉄四日市駅の目の前にある同支店。日ごろから、行員らは非常通報ボタンを押すことや犯人の特徴を記憶して捜査に協力するといった役割分担をしているという。四日市南署と協力しての訓練は年に1、2回で、いざという場合に役割が果たせるかどうかを経験する機会になっている。
犯人が短銃を発砲しながら店内に押し入り、カウンター内の行員らを脅して金を要求するとの想定。行員がカウンター越しに紙袋を渡すと、犯人は店外に逃走した。1分後、署員から「犯人の特徴を教えてください」と質問があり、行員たちは記憶の中から身長や体重、髪型、上下の服装などを伝えた。かなり正確に特徴を言い当てたが、本当に事件が起きても出来るかどうかがポイントだ。
四日市南署の阿曽悟・生活安全課長が講評し、「一番大切なのは皆さんやお客様の安全。犯人を刺激しないで、その時に自分ができることをしてください。犯人の多くは事前に店を下見します。みなさんが声をかけることで、『人相を覚えられたかな。ここではやめておこう』と考えることもあります。声かけは大切です」など、日ごろの心構えの大切さを訴えていた。
阿曽課長によると、三重県内での金融機関強盗は、2022年に桑名市の郵便局で液体をまいたものの、金品を盗まずに逃走した未遂事件が起きている。その後、犯人は検挙されている。