まちなか【味な居酒屋】呑みある記 3店
居酒屋 六番目
昭和から平成にかけ、さんろくで一世を風靡した通称「番目チェーン」の、現在では希少な存続店。
たしか三番目から十番目まであって、どこも各々個性のある店で人気。「番目をハシゴした」なんて武勇伝を自慢する輩までいたものだ。
しかし、その多くは店主の高齢化や諸般の都合で廃業。残るのは六番目と九番目の2店。
ちなみにどちらも、店舗を移転し現在に至る。
で、紹介するのは六番目。
数年前、同住所エリアにあるビルの地下から移転。大宴会対応の大きな店から、カウンターメインのこじんまりとしたスタイルにシフト。
もっぱら少人数で通っていた筆者には、むしろ今の方がしっくりくる。
グランドメニューは、以前より幾分少なくなったようだが、人気のアイテムは存続していて、その点も筆者には喜ばしい。
上はこの冬の限定おすすめメニュー。
旬のものもあって、海鮮に自信あり、という店のスタイルが見て取れる。
おすすめの中から、『活ほっきと活ほたて』を盛り合わせて。
貝殻を器にしてくれると、俄然テンションが上がる。
活貝ならでは、どちらも香りよし、歯ごたえよしで旨味たっぷり。
ひと冬に、絶対に何度か食べたい(一度じゃ足りない)タチ。
当日は天ぷらをお願いした。
不意にパクっとやれば、熱々のせいで口の中は大騒動(笑)
ハフハフ、ホフホフ・・・がしばし続いて、ようやく会話は「ほいひ~(おいしい)」になる。ハフハフしながらなので言葉は「は行」だ(笑)
近年はけっこう早い時期からタチが出回るが、やっぱ、食べるならぐんと寒くなってからの方が良い。
このタチも、ミルキーな旨さの濃厚さが違う。かつ熟練の揚げのおかげで、サクッと始まり中はとろとろ~と来る。
ううむ、この店にしてよかった。
気を取り直して、冷や酒でクールダウン。
同店で「冷や」を頼むと、お銚子で出てくるのが通例で、筆者はこれを昔から気に入っている。
酒好き同士で過ごすなら、銚子で「差しつ差されつ」やるのが何たって楽しい。
上も、昔からお気に入りのメニュー「かき鍋」だ。
一人か二人に丁度良い小鍋立てというのがオツである。
牡蠣だけでなく豆腐やネギなど体が温まりそうな具がいっぱいで、何といっても牡蠣の出汁がしみるおつゆが良い。
ついつい、おつゆばっかり飲まないでね、としかられる(笑)
以前は牡蠣の土手焼きという名で、鍋肌に味噌の土手を作る本格的な「土手焼き」があったような気もするが、時の流れで変わったか、筆者の記憶がすすけたか(笑)
上は、クジラのから揚げ。
生姜焼きも良いが唐揚げも捨てがたい。ほんのりスパイスが効いた、むっちり食感のクジラ肉に酒がますます進んでしまう。
昭和育ちには、今ではノスタルジックなものとなったクジラ。メニューに見つけると、無性に食べたくなるのも昭和育ちの特性だ(笑)
おや、振り返ってみれば唐揚げが続いてしまったか。
上は、もう少し呑みましょうとアテに頼んだ「イカゲソ唐あげ」。
大好物ゆえ、頼むのがクセになっているのかも(笑)
ともかく、刺身も良いがこの店は揚げ物も格別。香ばしい衣とイカゲソの旨みはベストマッチ。サクサク&プリプリ食感は病みつきだ。
ちょっとご注目。
上の2つの画像。から揚げにはどちらも野菜が添えられている。
これが料理屋の品格。老舗はこういうところ、手を抜かない。
だから何十年も通うことになる(笑)。
お店情報
店名:居酒屋 六番目
住所:旭川市3条通7丁目
電話番号:0166-24-0006
営業時間:16:30~22:30
定休日:日曜
駐車場:なし
居酒屋 半蔵
お次はビルの中にあるお店を紹介。
グループさんでわいわいやってもよいのだが、一人でお邪魔するときにも重宝しそうなお店はいかがでしょう。
おひとり様でお邪魔した日。
お通しをアテに呑みながら、さて、あとは何をつまもうかなと思案中。
それはともあら、豆腐にキムチ&揚げ玉って、何だか妙に旨いぞ(笑)。ビールが進む。
店内あちこちから、いろんなカタチでメニューをアピール。日本酒(地酒)も豊富だ。
まさに目移り。迷っちゃうなあと思ったところに、さらに違うメニューが。
お1人様メニュー・・・?
お料理、グランドメニューから注文しても構わないが、一人で食べるなら少し量を少なくご提供しますよ、というものだ。
これは有難い。ひとりの時は食べたいものがあっても、どのくらいの量なのか、食べきれるかなというのが悩みのタネ。
これは有難い。あるいは、量が少ないのであれば、種類多めに頼むこともできるし。
ということで、大好物のハムカツ。
うん、こういうのいいんだよ。ツマミとして食べるなら、このくらいの量で十分。
なんか、東京下町の飲み屋さんっぽくて、むしろ粋だ。
いきなり締めという訳じゃないが、この日はなんだか「コメ」が食べたくて。
筆者の場合、炒飯はゴハンにあらず、アテなのだ(笑)。
それより、ご覧あれ。この量はちょっと食べたい、小腹減った、という時にぴったり。
ご飯あつつのホクホク、さらにフワフワ。
味付けちょっと濃いめでほんのりスパイシー。狙い通り、これは良いアテになる。
お代わりしたいけど、そんなことしたら小さいのを頼んだ意味がないよな(笑)。でも、そのくらいのインパクト。
お店情報
店名:居酒屋 半蔵
住所:旭川市2条通7丁目ヨシタケ2号館1F
電話番号:090-7659-6265
営業時間:18:00~22:00
定休日:不定休
駐車場:なし
個室居酒屋 くいもの屋わん 旭川店
狙い目はこのビルの地下。
確か、昔々は喫茶原宿だったっけ(昭和の話)。
ちなみに2階には、筆者もたまにお邪魔する魚萬さんが営業中。
店名に個室居酒屋とあるが、店内はまさにそうした設えになっていて、仲間や家族と語らいたいとき、席ごとに仕切られた空間は居心地がよい。
メニューは実に豊富。ツマミ系から創作料理、海鮮に鍋、アジアンに洋食、ゴハンものも。
迷ってばかりもいられないので、まずはビール吞みながらじっくり吟味しよう。
アテは「しっとり!おつまみ海苔天」(490円)、向こうは「スパイシースティック」(396円)。
これだけでも、けっこうボリュームあるけどね(笑)
そんな時、ふと目に留まったのが上のメニュー。
ほう、『冬の鍋』とは何やら惹かれるものがある。
とろろ鍋なんぞ、知っちゃいるが食べたことがないし、しかも『博多風明太とろろ鍋』ってどんなんだ?
いっちょう、試しに食べてみますか。
とろろ鍋とは、その名の通りとろろを鍋に入れる料理。
注文後ほどなく登場した鍋は、野菜が煮えたところに、明太子を溶かし込んだとろろを入れて食べるという趣向だ。
お出汁に濃厚なとろろが相まって、なんとも良い風味。とろみがついたおつゆは、いかにも身体が温まりそう。
ほんのり辛さはむしろすっきりとも感じらる、食が進む面白い鍋なのだった。
とろりついでに、リゾットを。
やわらかなおコメに溶けたチーズは香りよくコクもたっぷり。
超アツアツ、端のちょっと焦げたところ、これがまた美味しいんだよね。
締めのつもりが、これまたビールが欲しくなる、こまったヤツだ(笑)。
同店のうれしいおもてなしは、お出汁のサービス。
せっかくなら、あたたかいお出汁をより楽しもうと、筆者は熱燗を頼み『出汁わり(酒を出汁で割ったもの)』に興じる。
なんともオツな時間を満喫させていただいた。
デザートも。
上は、中華街名物「はりねずみ饅」(1個198円)。
お店情報
店名:個室居酒屋 くいもの屋わん 旭川店
住所:旭川市2条通8丁目 ピアザビルB1
電話番号:050-5484-2279
営業時間:17:00~1:00
定休日:不定休
駐車場:なし
ほろよい後記
いかがでしたか。
この先2月、3月ともなりますと、いろいろと会食の機会も増えてきそう。
集まるならやはり、まちなかは便利。ぜひ良いお店をみつけて、楽しくお寛ぎください。