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清水エスパルスの本拠地“アイスタ日本平”の芝生管理に情熱注いで30年!レジェンド職人が一番困ってしまうこととは…

アットエス


SBSラジオの静岡サッカー熱血応援番組「ヒデとキトーのFooTALK!」に、清水エスパルスの本拠地、IAIスタジアム日本平(アイスタ日本平)の芝生の維持管理をしている「株式会社グリーンマスターズ清水」の代表取締役、佐野忍さんをお招きしました。聞き手はパーソナリティのペナルティ・ヒデさんと鬼頭里枝さん(2025年7月15日放送)

(ヒデ)私の大好きな“代表取締役”じゃないですか!大好物ですよ。下っ端が来たら適当に扱いますけど、代表取締役ですよ、代表取締役。

佐野さんはサンフレッチェ広島の新しいスタジアム「エディオンピースウイング広島」にも関わった技術者でもあるそうですね

(佐野)広島は設計から施工までやりました。

(鬼頭)私は清水エスパルスのホーム試合の時、アイスタ日本平で必ず毎回佐野さんに会うんですね。いつもジャージに黒いポロシャツで、いろんなスタッフさんのお1人なんですよ。で、「今日は芝、何ミリですか?」「夏芝100!」とかってやりとりをしていました。大変失礼しました。

(ヒデ)佐野さんは広島のスタジアムのほかにも?

(佐野)元日本代表監督の岡田武史さんがやっているFC今治のアシックス里山スタジアムも。今もうちの職員が行って、芝生の管理をしています。

(ヒデ)Jリーグのスタジアム、ピッチの良さ。今は本当に選手ファーストで考えられている。昔は雑に扱われた時代もあったと思うんですけど、今は芝生一つでプレーも、さらに観客動員数も変わりますよね。

(佐野)変わりますね。

(鬼頭)まさに芝生の管理をされているレジェンドということだと思います。具体的には、どういうことをなさってるんですか。

(佐野)芝生の管理って難しくはないんです。例えば自宅の庭の芝生と日本平の芝生と管理方法が違うかっていうと、やってることは同じです。芝刈り、今はものすごく暑いので散水、それから芝生も栄養がないと育たないので肥料をやる。この三つが中心なんですよ。

(ヒデ)本当に植物としてですよね。だからガーデニングをしているわれわれ素人と根本的なものは変わらない?

(佐野)変わらない。

(ヒデ)でも、植物は踏んだらどんどん悪くなって枯れてしまいます。サッカー選手は激しいから、ダメージもすごいですよ。そこからはプロのなせる技だと思う。

(佐野)そうですね。だから、それをどうやって早く回復させるか。選手に怪我なくプレーしてもらえるかってのは常に考えています。サッカーは野球と違って雨でもやる。雨の中で水が溜まったらプレーにならないので、水はけを常に良くしなきゃいけない。そういうことは常に頭の中に入れながら管理をしてますね。

ボールの転がりとクッション性

(鬼頭)清水のアイスタ日本平の芝生には特徴があるんですか?

(佐野)IAIスタジアムの芝ができてもう30年ぐらい、僕たちが長年かけて積み上げてきた技術の粋が詰まっています。

(ヒデ)だからベストピッチ賞9回も10回も取ってるわけだ。

(鬼頭)選手に聞くと、みんなが「いい」って言います。

(佐野)なんといってもボールの転がりとクッション性。この二つを両方兼ね備えてるスタジアムは、おそらくそうたくさんはない。僕は日本平だけかもしれないと思っています。

(ヒデ)選手には、踏んだ瞬間にやっぱり分かるものがあると思う。「硬いな」とか「やりづらいな」とか「苦手だな」とか。それがないんでしょうね。

「ここは清水。俺たちでやりたい」

(ヒデ)佐野さんはアイスタの仕事を30年ほど前に手掛ける前に、例えば造園業のようなことをしていたんですか?

(佐野)個人邸の庭をやったり、公園の木を植えたりということをしていました。

(ヒデ)どのタイミングでサッカーのピッチに?

(佐野)今のアイスタ日本平が30年以上前に作られる時、ティフトンという芝をアメリカから輸入していた会社に自分はいました。だから、どうしても地元の清水にできるスタジアムの芝生は自分がやりたいなと思っていたら、チャンスが来たんですよ。

(ヒデ)昔は日本では、芝生でサッカーをやるって概念って少なかったと思います。高校選手権の時、国立の冬の芝も、まあ悪かったですよ。佐野さんは、芝生のことをたくさん勉強されたんですか?

(佐野)日本平で今使っている芝がどういう性質のものかということは徹底的に勉強していました。それで日本平でやることになった時にJリーグの方から「こうやったらどうか」などといろんな話がありましたが、実はそれを全部拒否しました。「ここは清水だから、僕たちでやりたいから」って。

(ヒデ)その代わりに全責任を背負ったんですね。

(鬼頭)清水のアイスタのピッチと、佐野さんの会社が管理している今治のスタジアムなどのピッチの芝は似ているんですか?

(佐野)ピッチとは別に芝生を育てている畑があって、同じ畑から各スタジアムに持ち込んでいるんですね。

(鬼頭)へえ、仲間なんだ。

(ヒデ)あとは長さですよね。チームからの要求もあるでしょうし。

(佐野)昔はすごい要求が来ていましたね。でも、クラブや監督からの要求っていうのはほとんど拒否してました。最近はもう全然来なくなりました。

(ヒデ)どんな時に一番の喜びを感じるんですか。

(佐野)やっぱりホームのチームに勝ってもらわなきゃ困るんです(笑)。一番ショックなのは、アウェイチームが勝って「すごい良いピッチでやりやすかった」って言われること。

(鬼頭)アウェイの選手も「アイスタのピッチ、最高」って言いますもんね。

(ヒデ)分かる…。うちの相方も「松竹の舞台、めっちゃウケる」って言ってた。佐野さん、ちなみにうちの相方のギャグ、芝刈り機の「ウィーー」ってやつ、知ってます?

(佐野)知ってますよ(笑)

秋春制になったら芝生も改良?

(鬼頭)さらに佐野さんの会社では、静岡県内の校庭とか公園の芝生化の活動にも力を入れてらっしゃるんですよね。

(佐野)10年以上前から、県内の80以上の小中学校、幼稚園でやってきました。

(ヒデ)プロが使っているような芝を、一般の子供たちも使えるっていう。これ、なにげに幸せなことですよね。

会社はこれからどんな方向に進んでいくんですか。

(佐野)気候が変わってきているし、何と言ってもJリーグが秋春制に変わります。そうなると、芝生はどうなるか。頭の中でのイメージと、実際とは違うことがあるから分からない。

あとは、今はスタジアムに屋根を付けるようになってきましたが、屋根によって芝生は相当苦しい状態になる。これをいかに解決していくかっていうのが最大の課題になっています。それを克服できるような理想の芝生ができればいいですね。

(ヒデ)選手たちがピッチに入る時にお辞儀をしたり、ちょっと芝に触ってキスするとか、
その理由が分かったような気がします。

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