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猫の日なので和名に<ネコ>が付く日本の魚を調べてみた その意外な結果とは?

サカナト

ネコザメ(提供:PhotoAC)

2月22日は<ネコの日>。

魚好きの中にはネコ好きでもあるという人が一定数います。

では、和名に「ネコ」と付く魚がどのくらいいるか知っていますか?

先に答えを教えると、実は和名に「ネコ」が付く日本の魚は意外にも少ないのです。

天然記念物のネコギギ

ネコギギはナマズ目ギギ科に属する淡水魚です。ネコギギの由来には諸説があるものの、一説には「ネコのように丸っこいから」とも言われています。

海外ではナマズを英語でCat fishと呼び、多くのナマズ目にこの名が使用されていますが、日本のナマズ目魚類でネコという意味の単語が使用されているのは、ネコギギを含む2種だけです。

ネコギギ(提供:PhotoAC)

日本産ギギ科は4種が知られており、ネコギギのほかにギギギバチアリアケギバチが日本に生息。ネコギギとギギはよく似るものの、臀びれの鰭条数が異なることや、ネコギギはギギよりも尾柄が高いことなどから区別することが可能です。

ネコギギとギギでは分布域も異なり、ギギが琵琶湖や淀川水系以西、四国、九州などを分布域とするのに対し、ネコギギは伊勢湾に注ぐ河川のみに生息します。また、ネコギギは国の天然記念物に指定されており、原則採集が禁じられています。

ネコザメは英名でCat sharkではない?

ネコザメはネコザメ科に属するサメです。ネコザメ科にはネコザメのほか、シマネコザメが知られており、両者は体にある帯状の模様の数などにより区別することができます。

ネコザメは日本でよく見られるサメの一種ですが、シマネコザメは滅多にお目にかかることはできません。

ネコザメ(提供:PhotoAC)

ネコザメの名前の由来も諸説あるものの、一説には眼の上の隆起がネコの耳に見えることかこのような名前が付いたともいわれています。

和名がネコザメなら英語でCat sharkと言いたいところですが、実際の英名はBullhead shark。Bullは「雄牛」などを意味する単語で、本種の頭部の形に由来していると考えられています。

動物の名前が付いたサメでは、しばしば和名と英名で異なる動物が名付けられることがあり、ネコザメのほかに、イタチザメ(Tiger shark)トラザメ科(Cat shark)などが有名な例です。

なお、2025年2月現在、アカネココバンハゼなど名前の中にネコが隠れているような魚を除き、ネコがつく日本の魚はネコザメ科の2種と前述のネコギギの計3種のみとなります。

英名がそのまま和名にケースも

日本に生息する魚のうち名前にネコが付くのはネコギギ、ネコザメ、シマネコザメのみでしたが、実はこれらのほかにもう1種、名前にネコが付く魚がいます。

それがアメリカナマズことチャネルキャットフィッシュ(Ictalurus punctatus)です。

チャネルキャットフィッシュ(提供:PhotoAC)

本種は英名のChannel catfishがそのまま和名に適応されています。英名がそのまま和名に適応されることはしばしばあり、ブルーギルもその一例です。

チャネルキャットフィッシュは北米を原産とする淡水魚で、日本では1971年に養殖を目的として茨城県などに導入。2000年頃に霞ケ浦などで爆発的に増加し、現在、霞ヶ浦は普通に見られる魚となっています。

日本の特定外来生物に指定されており、飼育、放流、生きたままの運搬、譲渡が禁じられています。

ネコがつく魚は意外と少ない

ネコは人々にとって非常に身近な動物であり、魚の和名にも使用されています。

しかし、名前にネコが付く魚は意外と少なく、チャネルキャットフィッシュを入れても4種のみなのです。

ネコだけではなく、ネコ科(トラ、ヒョウなど)に範囲を広げた場合はどのくらいの種が該当するのかなど魚の名前を調べてみるのは面白いですよ。

(サカナト編集部)

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