40・50代女性の年金は“月10万円以下”!?「将来もらえる年金額」を紹介
現在、40・50代女性は、将来自分がどのくらい年金をもらえるかご存じでしょうか。今回は、最新の検証資料から、現役世代が将来もらえる年金額を男女別にご紹介します。
将来もらえる平均年金額をチェック
国の社会保障審議会年金部会が発表した令和6(2024)年財政検証結果の概要には、将来もらえる年金額の見通しが掲載されています。実質賃金上昇率(対物価)0.5%の世の中が続いたとして仮定した場合、平均の1人分の実質的な年金額は以下の通りとなります。
<1959年生まれ(現在65歳)の人の年金額>
男性:14.9万円
女性:9.3万円
<1974年生まれ(現在50歳)の人が65歳でもらえる年金額>
男性:14.1万円
女性:9.8万円
<1984年生まれ(現在40歳)の人が65歳でもらえる年金額>
男性:14.1万円
女性:9.9万円
<1994年生まれ(現在30歳)の人が65歳でもらえる年金額>
男性:14.7万円
女性:10.7万円
この資料から、どの年代でも男性よりも女性の方が、約4万円も年金額が少ないことが分かります。夫婦2人で合わせると、年金額は月約25万円となりますが、女性だけの場合は約10万円となっており、これだけでは老後の生活ができないと感じる方もいるかもしれません。
女性の年金額が少ない理由
女性は、男性よりも一般的にもらえる年金額は少ない傾向が見られます。それには、以下のような理由が考えられます。
・家事や子育てで、専業主婦になる女性が多い(第三号被保険者となるため、基礎年金のみ。厚生年金部分はもらえない)
・パートタイムで働いており、社会保険料を納めていないケースが多い(いわゆる130万円の壁を超えないように働き、年金保険料を納めていないので、厚生年金部分はもらえない)
・女性は男性に比べて、平均賃金が低い(納めるべき年金保険料は、収入に比例する。保険料を多く納めた人の方が、もらえる年金額が多い)
もちろん、女性でも会社でフルタイムで働き、しっかりと社会保険料を納めている場合、男性と同じように約14~15万円の年金を受け取ることができます。しかし、家事や子育て等で仕事をセーブしてきた女性の場合、男性よりももらえる年金額が少なくなってしまう傾向があります。
年金だけではない!「老後資金の準備」を始めよう
残念ですが、将来もらえる年金だけでは、豊かな老後の暮らしを送ることができないのが現状です。今からコツコツと老後資金を用意し、将来経済的に困らないように準備していきましょう。老後資金を準備するポイントをチェックしていきます。
・手取り収入が多い仕事への転職を検討する
・資産運用を始める
・65歳を過ぎてもできるだけ長く働く
年金だけでは生活できないと不安に感じている方は、まず、今もらえる収入を増やすことを検討してみましょう。毎月先取り貯金を行い、確実にお金を貯めていくことが大切です。そして、NISAなど非課税でお得に資産運用ができる制度を活用し、お金を増やしていきましょう。さらに、65歳を過ぎても、パートなどで仕事を続けて収入を得ることも重要です。
まとめ
自分が将来もらえる年金額を具体的に知ることで、老後の生活がイメージしやすくなりますね。老後資金は、急に貯めることはできません。コツコツと長期的に準備していく必要があります。今回ご紹介した内容を参考にしながら。自分の老後のマネープランを具体的に立ててみてはいかがでしょうか。
下中英恵/1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者