千葉市美術館で6月16日(日)まで回顧展 松戸ゆかりの画家夫妻 板倉鼎・須美子
約100年前、松戸で育ち、パリで絵を学ぶ途上で早世した画家がいました。
その名は板倉鼎(かなえ)。妻の須美子も画家です。
松戸ゆかりの二人の画業を守り、伝える人たちがいます。
※写真の作品はいずれも松戸市教育委員会所蔵
松戸ゆかりの画家 回顧展開催で話題
鼎は1901(明治34)年、現在の埼玉県吉川市に生まれ、小学生の頃に一家で松戸市に移り住みました。
やがて東京美術学校に進み、その後、須美子と結婚。
二人はパリで暮らしましたが、鼎は1929年に病に倒れ28歳で他界します。
残された娘と帰国した須美子も34年、後を追うように25歳で亡くなりました。
ひたすらに絵筆を執って表現を追求した画家二人。
いま千葉市美術館で回顧展が開催され、多くの人に感銘を与えています。
この二人の画業を記録し、作品を守り続ける人たちに話を聞きました。
松戸市の文化遺産を守り伝える活動
松戸市教育委員会美術館準備室の元・学芸員、田中典子さんもその一人です。
田中さんは同委員会に在籍中は、地域の優れた美術を保存・活用する仕事に従事。
松戸市にまだない美術館の開設準備に携わってきました。
今年3月に退職、今は個人としてやり残したことを進める毎日を送っています。
例えば、板倉夫妻の他にも過去に大勢いた、松戸ゆかりの芸術家たちの書簡などを活字化すること。
「彼らの行動や思いを知ることで、作品をより深く理解できるようになる」とのことです。
芸術を身近に空気のようにまとえる街に
また、多くの芸術家が暮らす松戸市ですが、市内で発表の場が少ないのが課題。
田中さんが在籍した美術館準備室では、若い才能を市民の誇りとして知らしめる活動を行っています。
多くの芸術家が住み、活躍でき、日常に芸術がある街に。
市のホームページには「松戸市デジタル美術館」もあります。一度のぞいてみては。(取材・執筆/にゃっつ)
松戸市デジタル美術館/https://www.city.matsudo.chiba.jp/miryoku/kankoumiryokubunka/rekisi-bunka/dezitarubizyutu_top/index.html
板倉鼎・須美子展
会期/~6月16日(日)
場所/千葉市美術館
住所/千葉県千葉市中央区中央3-10-8
料金/一般1200円、大学生700円、小・中学生、高校生無料
問い合わせ
電話番号/043-221-2311
千葉市美術館
ホームページ/https://www.ccma-net.jp/exhibitions/special/24-4-6-6-16/