ACIDMAN、「sonet」リリース記念ライブ&壇上交流会 ライブレポート公開
ACIDMANの進撃の1年はここから始まる。1月11日、Zepp HanedaでACIDMAN「「sonet」リリース記念ライブ&壇上交流会」が開催された。1月8日に発売されたばかりの新曲、ドラマ版『ゴールデンカムイ』最終話エンディングテーマ「sonet」を初披露する2025年の初ライブと、ファンへの感謝イベントを合体させ、CD購入者全員がライブ終了後に機材を残した壇上でメンバー3人と握手ができる。いわゆるレコード会社主導の販促イベントではなく、大木伸夫(Vo,G)自身が企画したという初の試みだ。
チケットは瞬時にソールドアウト。満員のオーディエンスに向け、まずは「sonet」のミュージックビデオが大画面に映し出される。映画&ドラマ版第1話・9話の監督である、久保茂昭氏が監督を務めたこのミュージックビデオは、森と水辺の雄大な自然をバックに、華麗なコンテンポラリーダンスとバンドの演奏が溶け合う素晴らしい映像美。そしてインストSE「最後の国」、オーディエンスのクラップ、直前のMVと同じ衣装を纏ったメンバー登場からライブ本編へ。いつもと違う流れが新鮮だ。
浦山一悟が高らかに4カウントを叫び、スポットを浴びた佐藤雅俊のベースがうなりをあげる。「造花が笑う」でスタートしたライブは、続く「風、冴ゆる」で早くも最初のピークに達した。ファン投票上位に入る人気曲だが、近年はあまりセトリには入っていなかったアッパーチューン。大木と佐藤がステージの際まで飛び出して熱狂を煽る。「oi!oi!」の怒号でオールスタンディングのフロアが揺れる。「あけましておめでとうございます!」と、大木の声も弾んでる。2025年初ライブ、バンドもファンも気合満点だ。
「コロナ禍を経て、お客さんとの距離は元に戻ったけど、またいつどうなるかわからない。僕らにとって一番大事なのは、ライブに来てくれるあなたたちです。その人たちに何か特別なことはできないか?と思ったのがこの企画です。最後まで楽しんでいってください」(大木)
ここから3曲は、軽やかに身体が揺れるナンバーを。大木の弾くソリッドなギターリフ、サビの裏打ちリズムが心地よい「River」、輝くミラーボールに照らされて、ファンキーなベースラインと鮮やかな転調がかっこいい「Visitor」、ジャズ、ダンス、ロックが一体化した、しなやかなリズムが身体を揺さぶる「白と黒」。攻撃的ロックチューンと壮大なバラードの間にある、こうしたファンキーでグルーヴィーな楽曲にある“うま味”が、近年のライブではどんどん増している。ACIDMANは進化している。
「全ては終わってゆく。だけど明日があると思える。ちょっとした楽しみが待っている。小さな幸せだとしても、それを人生の中で見つけていってほしいと思います。忘れちゃいけないのは、全ては終わってしまうという覚悟と悲しみを受け入れること。そうすると世界はもっと美しくなると思っています」(大木)
大木が常に語っている人生哲学が、最も良く反映された楽曲の一つ「季節の灯」は、アコースティックギターが導く壮麗なロックバラード。ライブで久々に聴いた「UNFOLD」は、さらに深いところまで音と思索を深め、息が詰まるほどの緊迫感をはらんだエモーショナルなスローナンバー。そしてこれも久々に大箱会場でセトリ入りした「水の夜に」は、前半の静けさから後半の激しい高まりへと、曲の流れに身をまかせ、ACIDMANの色に染められるドラマチックな1曲。「スローバラード」にくくられる曲であっても、ACIDMANには常に力強いリズムがある。生きる鼓動がある。
「僕が伝えたいことはいつも一緒。せっかく生まれた命を楽しく生きてほしい。それが全てです。物質的な豊かさじゃなくて、精神的な豊かさを感じてほしい。音楽というただのエンタテイメントのその先に、心に残る何かを持って帰ってもらいたいんです」(大木)
エンタテインメントとしての音楽の感動が、揺るぎない思想へ昇華される、「世界が終わる夜」はそんな特別な曲だ。壮大なロックバラードの轟音の中で、“また此処で笑い合おう”と大木が力の限り叫ぶ。一悟のシンバルの連打が感情をぐらぐら揺さぶる。そして間髪入れずに始まった「輝けるもの」。猛烈なスピード、強烈なストロボライト、佐藤が拳を振り上げてステージ前に飛び出す。映画版『ゴールデンカムイ』主題歌として大ヒットし、ACIDMANを新たなステージに押し上げた大事な1曲。フロアは沸騰、狂喜乱舞の盛り上がりが壮観だ。
「「sonet」には小さな歌という意味があります。今はまだ小さな歌が、みなさんにとって大きな歌になっていってほしい。今、悲しい涙を流している人も、その涙には必ず意味がある。どこかできっと花を咲かせると思います」(大木)
一悟の力強いドラムに続いて大木がコードを奏で始める、その瞬間に背後の幕が開き、弦楽八重奏団が姿を現した。大きなどよめきと歓声に包まれる観客席。「sonet」はドラマ版『ゴールデンカムイ』最終話エンディングテーマとして、小さな事象がやがて大きな現象を生み出す“バタフライエフェクト”をモチーフに書かれた1曲だ。レコーディングにも参加した四家卯大ストリングスの心強い助けを得て、ACIDMANならではのリズミックバラードの最新名曲を、心を込めて歌い上げる大木。かつてないほどに力強く人生を肯定する歌詞を締めくくる、“そこでまた笑い合おうぜ”という一節。大木の伝えたいことはずっと一緒だ。
「本当にどうもありがとう!」
ライブ本編はおよそ90分。新曲、レア曲をふんだんに盛り込み、バンドが絶好調を維持していることがよくわかる充実のライブだった。
この後3人は「壇上交流会」に臨んだ。1/8に発売された「sonet」のCDを購入し、当日持参して参加券と引き換えたファンを対象に行われたが、なんと約2000人が参加。ライブに集まった半数以上が参加して、およそ1時間半にわたってファンと握手。多くのファンの想いを受け感極まった大木が涙を見せるシーンもあり、ACIDMAN初の試みは、バンドにとってもファンにとっても忘れられない体験になった。
ACIDMANは、3月から「ACIDMAN LIVE TOUR “This is ACIDMAN 2025”」をスタートし、さらに2025年の最終目的地、7年ぶり7度目となる10月26日の日本武道館公演へと突き進む。ここで生まれた小さな歌がやがて大きな歌になる。日本武道館は必ず伝説的な一夜になる。必見だ。
【ACIDMAN New Single「sonet」概要】
■「sonet」音源:https://acidman.lnk.to/sonet_digitalPR
■「sonet」Music Video:https://youtu.be/y98vXGZT5bQ
■2025年1月8日(水) シングルCD発売
https://acidman.lnk.to/sonetPR
【シングル商品概要】
<初回限定盤>
紙ジャケット仕様
CD+Blu-ray TYCT-39265 / ¥6,600(税込)
※初回プレス分のみ:応募抽選シリアルナンバー封入
●CD収録内容
sonet ※WOWOW「連続ドラマW ゴールデンカムイ 北海道刺青囚人争奪編」最終話エンディングテーマ
sonet (Instrumental)
3. 『輝けるもの』Live Track from 「ACIDMAN LIVE TOUR “ゴールデンセットリスト” at LINE CUBE SHIBUYA (2024.8.11)」
●Blu-ray収録内容
ACIDMAN LIVE TOUR “ゴールデンセットリスト” at LINE CUBE SHIBUYA (2024.8.11)
<通常盤>
紙ジャケット仕様
CD TYCT-30152 / ¥1,500(税込)
※初回プレス分のみ:応募抽選シリアルナンバー封入
●CD収録内容
sonet ※WOWOW「連続ドラマW ゴールデンカムイ 北海道刺青囚人争奪編」最終話エンディグテーマ
sonet (Instrumental)
『銀河の街』Live Track from 「ACIDMAN LIVE TOUR “ゴールデンセットリスト” at LINE CUBE SHIBUYA (2024.8.11)」
『ワンダーランド』Live Track from 「ACIDMAN LIVE TOUR “ゴールデンセットリスト” at LINE CUBE SHIBUYA (2024.8.11)」
2025年3月20日(木・祝) 愛知 Zepp Nagoya
2025年4月13日(日) 岡山 CRAZYMAMA KINGDOM
2025年4月26日(土) 大阪 Zepp Osaka Bayside
2025年5月4日(日・祝) 福岡 Zepp Fukuoka
2025年5月25日(日) 宮城 SENDAI GIGS
2025年6月13日(金) 神奈川 KT Zepp Yokohama
2025年6月21日(土) 新潟 NIIGATA LOTS
2025年7月12日(土) 北海道 Zepp Sapporo
2025年7月18日(金) 埼玉 ウェスタ川越
2025年10月26日(日) 東京 日本武道館
ACIDMAN LIVE TOUR "This is ACIDMAN 2025“