伊勢原市 空き家バンクの運用開始 宅建協会と覚書締結
伊勢原市はこのほど、公益社団法人神奈川県宅地建物取引業協会湘南中支部(北村久史支部長)と「伊勢原市空き家バンク制度に関する覚書」を締結した。10月1日から同制度の運用を開始し、22日には市役所で締結式が行われた。
伊勢原市空き家バンク制度は、空き家の利活用を促進するため国が構築した全国版空き家バンク制度を活用するもの。
制度は、空き家所有者と空き家利用希望者のマッチングを図るもので、売却や賃貸を希望する登録者から申請を受けた市内にある空き家情報を登録し、購入や貸借を希望する利用希望者に空き家の情報を提供する。
運用にあたり、所有者が不動産売買・賃貸契約を行う際に専門的な知識が必要になる。そのため、契約などに関する相談・媒介を行うなど所有者などを支援しようと、同協会湘南中支部と連携・協力し、適正かつ円滑な制度の運用を目的に、覚書を締結した。
同制度で協会は所有者などからの相談などを円滑に行うため、対応する所属の会員の一覧を作成し市に提供する。市は空き家バンク実施要項を作成し、その事務を行う。また所有者に対し、空き家バンクに関わる媒介などに関して、対応する協会所属の会員の情報を提供する。空き家に関する交渉や契約は協会が行い、市は売買契約などには関与しない。
市都市部建築住宅課の担当者によれば、今後同バンクの運用を通じて空き家に関する課題を抽出。市の実情に合わせた「伊勢原版空き家バンク」の運用を検討するとともに、空き家に関する相談体制の充実や管理不全空き家への対応など、さらなる空き家対策の推進を図っていく。
2023年の市内の住宅は全体で5万5710戸。そのうち空き家は3880戸で空き家率は、約7%になっているという。