演歌に憧れて日本で歌手デビュー:エリック・フクサキさん
ファッションデザイナー:コシノジュンコが、それぞれのジャンルのトップランナーをゲストに迎え、人と人の繋がりや、出会いと共感を発見する番組。
エリック・フクサキさん
1991年、ペルーの首都リマ生まれ。2011年に「第1回 フォレストアワード NEW FACE オーディション」で特別賞を受賞してデビューし、2014年からはソロとして活動。ポップスからラテン、演歌まで幅広いジャンルを歌いこなすシンガー・ソングライター。「エルフ・ザ・ミュージカル」「イン・ザ・ハイツ」などのミュージカル作品にも出演しています。
JK:西島数博さんの「BAROOM」で行われたイベントでお会いしたのよね。斎藤圭土 さんがピアノで、川島ケイジさんと一緒に唄ってね。あの場面が素晴らしくって!
エリック:ありがとうございます(*^^*)
出水:エリックさんはペルーの出身で、2009年に単身来日されたんですけど、日本に来ようと思ったきっかけはなんだったんですか?
エリック:もともと僕の父親が音楽大好きで、演歌が好きなんですよね。僕も子どもの頃から演歌を良く聴いていて、日本ののど自慢大会みたいなイベントがたくさんあって、そこで優勝したのがきっかけでブラジルに行って、ブラジルでも優勝して。
JK:日系の方々のイベントね。何を歌ったの?
エリック:氷川きよしさんの「大井追っかけ音次郎」・・・「無法松の一生」だったかな?
JK:ちょっとやってみて!
エリック:「こくら~うまれ~で~げんかぁ~いそだち~♪」
JK:さすが! 声が通るわね! この前のラテンのも良かったし、すごいタレント!
エリック:いえいえ(^^)でもそれで日本が大好きになって。イメージとしてはどこ行っても浅草みたいな感じかなって思っていたんですけど、来たらすっごい都会でビックリしましたね。ペルーも都会なんですけど、日本ほどじゃないかな。でも都会ですよ。人もあったかくて、料理もおいしくて、カルパッチョみたいな「セビーチェ」が有名です。
JK:ペルーって行ったことないんですよ! ブラジルは何回も行ったことあるんですけど・・・日本から行くと遠いんですよ!
エリック:そうですね、40時間ぐらいかかりますね。
出水:来日したのはその時が初めて?
エリック:そうです。最初は大会があって、そのときも「大井追っかけ音次郎」を歌ったんですけど、その後オーディションに出てみないかって言われて、ディーンの「このまま君を奪い去りたい」を歌って特別賞を受賞して、アルマカミニイトっていうユニットでデビューすることになったんです。
出水:すごいですね、日本に来てから順調ですね! 2014年からはソロ活動を始めますけれど、ソロではどんな楽曲を歌ってるんですか?
エリック:最近作っている楽曲だったりとか、オリジナルとか、スペイン語のカバー曲だったり、サルサも歌うし、たまに演歌も歌うし・・・ごちゃまぜなんですよ(^^;)何でも歌う。
出水:ペルーのリマ出身ですが、リマってどんな場所ですか?
エリック:海岸地区にあって、魚料理だったりとか、肉も食べるし、人があったかくて陽気なんですよ。首都ですが海が目の前にあって。
JK:ちょっとリオみたい?
エリック:どうでしょうね? リオに行ったことないので・・・でも多分近いんじゃないんですかね?
JK:ペルーって治安はどうなんですか?
エリック:よくないです。最近は怖いですね。僕が行っても怖いです。でも場所によるかなって感じですね。
出水:小さい頃はどんな遊びをしてたんですか?
エリック:学校の友だちと家で遊んだことが多かったですね。学校は必ず誰かがドライバーで連れて行ってくれて。1人では絶対行かなかったですね。
JK:リマではすでに歌はやってたんですか?
エリック:すでに演歌を歌ってました。ペルーの日系文化会館があって、ペルー出身の大先輩のアルベルト城間さんだったり、いろんな方が日本の文化を大切に守ろうとしていて・・・
JK:日本人とのハーフで良かったですね。日本語がここまでできるのは珍しいわね。
エリック:実は僕、日本と中国のハーフなんです。ペルーの血は入っていない。純アジア人。父方のひいおじいちゃんが130年ぐらい前に日本からペルーに渡って、母方のおじいちゃんが中国からわたって、僕の父と母が出会ったわけですよ。
JK:でもラテンの血が騒ぐっていうのはあるでしょう?
エリック:スイッチが入るとね(笑)
出水:小さい頃は演歌で、その後自分で作曲するようになりますが、日本や中国のルーツとペルーのミックスにはオリジナリティはあると思いますか?
エリック:聞こえてくるものが聴いてきた音楽のジャンルだったりするので、考えて作ったわけじゃなく、自然に聞こえてきたものなので、それが自分らしいかなと思います。
JK:ペルーでは日本のTVも見られるでしょ。日本を知るってなったらTVでしょ? 皆さんよく見てるわよね。
エリック:見られますね。でも僕のおじさんが日本に住んでて、おじさんが録画してペルーまでもってきて(^^;)だから僕はどっちかっていうと、そっちの方をよく見てました。志村けんさんとかコロッケさんとか(笑)
出水:歌手になりたいと本格的に思ったのはいつごろですか?
エリック:多分15~16歳の時には決めてました。最初は氷川きよしさんや細川たかしさん、美空ひばりさんも大好きで。この前BAROOMでも物マネしたんですけど・・・「美空ひばりです。どうも。雨~さんさんと~♪ ありがとうございます」
JK:カワイイ~!
出水:すごい芸達者ですね! それこそペルーでは日系のおじいちゃんおばあちゃんから大人気だったんじゃないですか?!
エリック:はは(笑)
(TBSラジオ『コシノジュンコ MASACA』より抜粋)