真鶴町 役場一部移転から1カ月 町長「27年の完了目指す」
真鶴町が町役場庁舎(真鶴町岩)の移転で、4月1日に健康こども課と保険福祉課の一部を第1弾として情報センター真鶴(庁舎から約500m)に移転してから1カ月が経過した。小林伸行町長は本紙の取材に応じ、2027年に役場移転完了を目指す考えをあらためて示した。
現在の庁舎は1971年に建設。老朽化が進んでいるほか、エレベーターやスロープといったバリアフリー化も不十分であったが、人口減少や産業衰退などの影響、国や県からの補助金が見込めず、財政的に建て替えが難しい状況だった。そこで町は、町民の活動施設である情報センターへの移転を2024年7月に示した。議員への説明では否定的な意見もあったというが、小林町長は「災害時に役場が機能しなくなると支障をきたす。早急に取り組む必要があると判断した」と語った。
情報センターは04年建設の地上3階、地下1階建て。多目的スタジオや映像ホール、会議室、3階には図書館などを備えている。
今回は移転方針の第1弾として、町民の利用が多い健康こども課と保険福祉課の地域包括支援センターの機能を2階に移転させた。今年度中には、保健センターで実施している一時預かり事業や子育てサロンも移し、「こども家庭センター」として開設する予定。また27年までにその他の機能は、情報センターと町民センターへの分散移転を目指すとしている。
移転後の現在の庁舎敷地の活用については、町営住宅などの整備を検討しているという。小林町長は「近年は移住希望者が増えている。また高齢者の一人暮らしには不便も多く、町の中心部にある現庁舎敷地は、病院や介護施設が近く、安心して暮らせる環境。町民の満足にもつなげられると思っている」と話した。
移転から1カ月が経ち、健康こども課の職員は「これまでは人の出入りが多い中で相談対応をしていたが、移転後は町民の方も安心して相談していただいている印象がある」と話した。町民からは「役場がきれいになるのは良いこと」と歓迎する声がある一方で、移転を知らない町民は「車を持たない高齢者には役場からの移動が負担になるので、もっと周知してほしい」との意見も聞かれた。
小林町長は「今後の移転については広報や3カ月に1回開催しているまなづる株主ミーティングなどで、随時周知していく」と話した。