【川崎市宮前区】日大三高竹中秀明選手 「原点は有馬フレンズ」 甲子園準優勝 支えた捕手
第107回全国高校野球選手権で準優勝を果たした日大三高。全試合でマスクをかぶり、チームを支えた捕手・竹中秀明選手は、宮前区内の少年野球チーム・有馬フレンズで野球の基礎を学んだ。優勝は逃したが、甲子園を沸かせたプレーは記憶に新しい。
西東京大会から正捕手として投手を盛り立て、強力打線の6番を担った竹中選手。甲子園では3回戦の高川学園戦で、初回に2塁打、2回には2点適時打を放つなど3安打と活躍した。また、エースの近藤優樹投手や毎試合かわる先発投手たちを好投に導いた。
日頃から投手とのコミュニケーションを心がけているという竹中選手。「近藤は芯を持っている、山口は少し慎重なところがある」と投手一人ひとりの性格を理解し、「投手が投げやすいように」とそれぞれに合わせた声掛けやリードを心がけたという。決勝では惜しくも涙をのんだが、「今思うと、仲間と高校最後の試合を特別な場所で戦えたことは誇りです」と微笑んだ。
野球部を率いる三木有造監督は「明るい性格で、いつも周りに目を配ることができ、仲間思い。そうした人間性が魅力」と厚い信頼を寄せ、「捕手は竹中しか考えていなかった。大黒柱として活躍してくれた」と褒め称えた。
小2からチームの要
竹中選手が野球を始めたのは小学1年。同級生に誘われ、3つ上の兄もプレーしていた有馬フレンズに入会した。兄が全国大会に出場した姿を見て、「ベンチで見ているだけだったけど、レベルが高く、自分もその中で戦いたいと思った。それが野球に夢中になる原点になった」と振り返る。
監督をしていた伊藤真也さんは「捕手を始めたのは2年生の頃。体格が大きかったことが理由だった」と振り返る。優しい性格で、甲子園で審判にボールが当たった時に、心配して声を掛けている姿を見て「昔と変わっていない」と感じたという。同チームからは、栃木県代表・青藍泰斗高の中田吏投手も甲子園の土を踏んだ。「小学生の頃は2人でバッテリーを組むこともあった」と感慨深げだった。
竹中さんは、今後、大学でも野球を続けていく予定。将来はプロを目指す。「一つでも上のレベルで野球ができたら」と抱負を語った。