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「甘やかして育てたから」ギャンブル依存症の息子持つ母は周囲に責められ…家族も苦しむリアルな実態

Sitakke

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ギャンブル依存症から抜け出せない息子、苦しむ母親の告白です。

大谷翔平選手の口座から、およそ26億円を不正送金した罪などで、元通訳の水原一平被告が起訴された事件でも注目された、「ギャンブル依存症」。

ギャンブルの底なし沼にはまった人は、「規模は違えど共感するところ、重なる部分がすごく多い」と話します。

ギャンブル依存症の実態を深掘りしました。

「まさか自分は違うだろうと思ってしまった」

北海道出身の31歳の男性はそう話します。

約5年前、ギャンブル依存症と診断されました。

のめりこんだのはオンラインでできる競馬や競輪です。

「口座残高や入出金履歴を見て、『恐ろしいことをしていた』と一気に現実が押し寄せる」と、自らの行動を省みても、次の日にはまた…

「賭け方が悪かったんだとか、負けた分はまたギャンブルをすれば大丈夫だと、ギャンブルをとにかく正当化しようと頭が働いた」

さらに、違法なオンラインカジノにも手を出しました。

その手軽さにひかれてしまったといいます。

「四六時中やっているというのもあるし、運さえよければ一気に稼げるというのもある。1回で賭けられる額にも上限がないので最後にはのめり込んでしまった」

ついには…1200万円もの借金を抱えることになりました。

現在は、ギャンブル依存症の当事者同士が体験を語るグループに参加し、1年以上、ギャンブルを断っています。

今は、過去の自分の行動への後悔を語ります。

「自分が病気なんだということを早く認めていれば、病気だからこそのアプローチもあったし、回復の方法があったのになと思う」

依存症に向き合う大切さ

ギャンブル依存症の治療に取り組む医療機関が、札幌市にあります。

ギャンブル依存症の集団療法を男女混合で実施しています」

さっぽろ麻生メンタルクリニックでは「集団療法」として週に1度、ギャンブル依存症の当事者たちが話し合う場を開いています。

依存症がどんな病気で、自分はどんなことに悩んでいるのかを口に出して話してみること。

そして、話し合いの場で助言を受けて、自分自身のギャンブル依存症に自覚をもって向き合えることが大事なのです。

さっぽろ麻生メンタルクリニックの長岡徹院長は、完治することはないと言われるギャンブル依存症でも、治療によって、ギャンブルと距離を置くことはできるといいます。

「依存症の病気で忘れちゃいけないことっていうのは、1人では止め続けることはできないということ」

依存症を見てくれる病院クリニックに、いったん相談を検討してみてほしいと話しています。

ギャンブル依存症で苦しむのは、本人だけではありません。


今もギャンブルから抜け出せない息子…

札幌市内に住む女性は「当事者の母親」。

20年ほど前、高校を卒業した息子がギャンブルをしていることに気が付きました。

スロットなどで生活費を使い果たし、友人に借金をしていた息子。

病院に連れて行くと、「ギャンブル依存症」と診断されました。

「本人は納得はしていなかった」と女性はいいます。

その後、息子は闇金からも金を借り、取り立ての電話は母親である女性だけでなく、夫や娘の会社にまでかかってきました。

「そこまでしてもギャンブルがしたいのかと…もう頭がおかしくなっているというか、抑えられないっていうことですよね」

息子はギャンブルを辞めると約束し、回復施設に入りました。

しかし、入所中に再びギャンブルを始めてしまい、いまも依存症から抜け出せずにいます。

回復してほしいという必死の願いで、施設に入る費用も負担した女性。

「私達は子どもの嘘にだまされて、回復施設に入るためのお金を出したということになる」

母親として、「裏切られた」というやり場のない思いが今もくすぶっています。


家族が悪いわけではないのに…理解してもらえた自助グループ

今、そんな女性の支えになっているのは当事者の家族どうしの自助グループです。

「あなたが甘やかして育てたから」

家族が悪いわけではないのに、子どもが依存症になったとき、そんな風に責められることもあったという女性。

なかなか家族の苦しみを理解してもらえないと感じていましたが、自助グループの存在に助けられています。

「本当に自分の大変さとかをわかってもらえる。話すことができると気持ちが軽くなると思う。そういった家族が少しでもいい状態で生活していけたらいい」

さっぽろ麻生メンタルクリニックの長岡徹院長は、ギャンブル依存症で“家族が取るべき行動”を次のように挙げています。

・借金の肩代わりはしない
・やめさせようと頑張らない
・病院に一緒に行き、症状に向き合ってもらう

ギャンブル依存症の相談窓口
・札幌市民 011‐640‐7183
・札幌市民以外 011‐864‐7000

文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2024年5月7日)の情報に基づきます。

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