行き場のないお歳暮~宅配荷物の外装破損、気にする?
さいたま市のNPO法人「さいたまユースサポートネット」では、子どもたちにクリスマスプレゼントのようなお菓子が配られています。
これが商品にならない!?子どもたちは大喜びですけどね!
こちらの団体では、普段から子供の貧困対策としてお米などの食料品やお弁当を配っているのですが、そこに、特別メニューとしてお菓子が加わりました。配られていたのは、行き場のないお歳暮などのお菓子だ、といいます。どういうことなのか?さいたまユースサポートネット代表理事の青砥恭さんに聞きました。
NPO法人さいたまユースサポートネット代表理事 青砥恭さん
「宅配の会社さんが配達をするのに、袋が破れていたり、箱が少し傷んでいたり、要するに隅っこがちょっと傷がついていたり凹んでいたり。ま、それをですね、宅配の会社さんとすれば、それはそのまま届けられないので、それを処分をする代わりに、子どもたちに配れないか、そういうご案内があって、それを私たちの団体にいただいて子どもたちに配ると、こういうことをやってます。
チョコレートとか、それから割と高級とされているブランドのお菓子がたくさんありましたですね。まあ実際、これが商品にならない、と言いますかね、それにはちょっと驚くことでもあるんですけど、中身はまったく問題がないので、子どもたちはとっても喜ぶ、ということですね、まったく問題ありませんでしたね。」
一番外側の箱や包装紙が破損したものは、廃棄してたんですね!
百貨店などの荷主(送る側)によっては、包装紙も含めてブランドイメージとして、外包が破損したことで、商品そのものの価値を損なった、と損害賠償を求めるケースもあるとか。また、受け取りを断られた荷物の、27.9%が小さな汚れや傷だけだった、という調査も。
しかし、送り先に受け取りを拒否されれば、運送業者は持ち帰るしかない。しかも、こういう荷物が転売されると値崩れしてしまう懸念もあり、廃棄を希望されることが比較的多かったのです。
この現状に、あまりにももったいないと、日本財団とヤマト運輸が共同でプロジェクトを立ち上げ、全国の子ども支援団体に日用品や食料を届けることを始めました。
外箱の破損、イヤですね。すごく気にします。
それにしても、自分に届く宅配の荷物の外箱というと、だいたいが段ボールですよね。その段ボールの汚れや傷、そんなに気にする人が多いのか。街で聞いてみました。
・「イヤですね。結局それを家の中に持って入るわけでしょ?ダイニングテーブルの上に乗っけて、汚れてるとやっぱりイヤだわ。」
・「汚れはあんまり良くないと思います。何の汚れか分かりませんからね。だから、大変だと思います、運ばれる方は。」
・「やっぱり破れてたりすると、あ~なんか結構な衝撃受けたんじゃない?って思っちゃいますよね。うん、イヤなもんですね、あまりいい感じはしない。印象なのかもしれないですけどね。」
・「すごい気にします。凹んで中の本とかが濡れちゃったりということがあったので、中に影響無かったらいいんですけど、結構、影響あること多いんですよ。う~ん、そうですね、やっぱり、気を付けてたらそうはならないと思うんですよ。だから、気を付けてないんだなって思っちゃうんで。」
汚れそのものがイヤだ、という方もいましたが、どちらかというと、こういう汚れや傷がつくということは結構な衝撃を受けたんじゃない?何かとぶつかったり、落としたりした?と、思ってしまうから、気にしちゃう、という方が多かったです。
自分宛の荷物もすべて、【割れ物注意】シール貼ってもらいます!
そして、中には、こんな方もいました。
・「段ボールが汚れるとか、切れてたりすると、ちゃんとした物が届いてるのかな?という気にはなります。開けてみて中がなんでもなければ『あ、よかったな~』って、それを引きずることは無いけども、開けるまでちょっと不安はあるよね。
だから、自分が宅配便とか出すときは、割れ物とか何も入ってなくても、必ず、なんだっけ、【天地無用】?【割れ物注意】みたいなのを貼ってもらいます。それが自分のとこに送るものだとしても、そうやっちゃいます。雑に扱われたらどうしよう、とか思ってしまいます。」
どの荷物も【割れ物注意】にしちゃうんですね~。大事に運んでほしいし、開けるまでヒヤヒヤするのがイヤな気持ちも分かりますが・・・。また、他にも、なぜ傷ついたのかを徹底的に追及して、明確な説明をしてもらうという方もいました。
伺った中では、外箱の破損を気にするという方が59%。半分を超えました。
昔ほどは気にしなくなりましたね
では、一方の気にしない派の声です。
・「別に多少汚れてる程度は気にならないです。穴開いていたりとか凹んでたりとかは気になるけど、逆に日本の宅配便でそんなことあるのかなって。その穴開いてるとか、かなり外側の状態悪いみたいな。外国とか良く聞きますけど。」
・「そうですね、中身が大丈夫なら、外身はどうせ捨てちゃうんで。気にならないですね。」
・「気にならない。中がちゃんとしてれば。荷物が遅れるのはあれだけど。」
・「気にしなくなりましたね、昔ほどは。なんだろう、もう宅配荷物が増えてきたから、もう仕方がないかな、って感じですかね。昔は、一個一個ね、大事に届けてくれっていう気持ちがあったけど、今はあんまり思わなくなってきたかなっていう。気にはなる。雑に扱われたんじゃないか、っていう気にはなるけど、まあ仕方がないかなっていう。」
外箱は、捨てちゃうモノですもんね!
印象的なのは、これだけ宅配の荷物が増えたのだから、もう仕方ないのでは?と思って気にしなくなった方がいたこと。
荷物の増加と共に、破損防止に向けた対策は様々取られていますが、すべてを無傷で届けるのは難しいですからね。
ただ、この気にしない派のみなさんも、自分が送る荷物については、破損を気にする人もいるので綺麗に届けてほしい、と、ほぼ全員が答えました。そう考えると、気にする派がとっても多くなりますよね・・・。
そりゃあ、もちろん、綺麗に届くに越したことはありませんが、人手不足にあえぐ運送業界に、さらに負荷をかけることに繋がってしまいます。そういう荷物が子どもたちの役に立つ、と考えると、それは良いことではあるので難しいですが、あまり神経質にならず、【汚れや傷から守るための外箱】と私たちが少し、考え方を変える必要もありそうですね。
(TBSラジオ『森本毅郎・スタンバイ!』取材・レポート:近堂かおり)