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「イライラしたら負け!」堤防カワハギ釣りの【キホンの釣り方】を徹底解説

TSURINEWS

カワハギ(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)

季節はいよいよ本格的な秋。食欲の秋にピッタリと言えるのが、釣って楽しい、食べて美味しいカワハギだ。著者はこれまでカワハギと出会うための記事を執筆してきたが、今回はいよいよ実釣編。詳しい釣り方についてみていこう。

基本は底を狙う

まずは基本となる釣り方を紹介しよう。一連の流れをスムーズに行うことが出来れば、自ずと釣果は上向いてくる。

エサは丁寧にセット

ポイントに付いたら、まずは釣り座を決めよう。迷った時は、こちらの記事をご覧いただきたい。

剥きアサリは手軽に入手可(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)

支度を整えたら、まずは胴突き仕掛けの針に丁寧にエサをセットする。適当に付けるとすぐに盗られてしまうため、どのエサでも丁寧に、必ず針先が出るようにしておく。アサリを使用する場合、(1)一度水管を通す(2)身の部分を縫うように刺す→(3)針先がアサリの内臓部に来るように刺し、針先を出す……という刺し方が一般的だ。

糸フケは出さないように

エサがセット出来たら仕掛けを投入するのだが、オモリが着水する瞬間から着底の瞬間まで、糸フケを出してはいけない。その隙に食ってくる事があり、気づかないうちにエサが盗られてしまうからだ。

両軸リールを使用している場合は親指でサミングしながら、スピニングの場合は竿を握っている反対の手で糸の出方を調整しながら落としていくのが重要となる。

着底直後がチャンス

この釣りは、着底した瞬間が最大のチャンスとなる。着底したらすぐにリールのクラッチ(ベール)を戻し、まず素早く一度竿をあおるのだが、この動きが空アワセとなるため、活性が高ければこれだけでフッキングすることもある。

その後ラインテンションをキープしつつゆっくりと仕掛けを落としていき、また煽ったり、途中で止めたり、底にオモリを付けて糸を張ったまま止めたりしてみる。この際、途中でアタリらしきものが出たら軽くアワセを入れる、といった動作を繰り返す。

本アタリの見極め

カワハギ釣りにおいて最難関とも言えるのが、本アタリの見極めとフッキングだ。カツカツといった感触は思わずアワセたくなるが、これはただエサを齧っているだけ。

最高のフッキング(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)

その中に時折「クイッ」や「グンッ」と引っ張るような感触、「ヌッ」と重くなるような手応えが混じるのだが、実はこれが本アタリ。躊躇なくシャープにアワセを入れよう。時に着底した瞬間に引っ張られることもあるので、違和感があれば即アワセで良いだろう。基本的に向こうアワセはほぼ無いと考えたい。

時に浮かせて釣る(宙釣り)

底で反応が無い時は、カワハギが底から浮いている場合が多い。そんな時の対処法を紹介しよう。

水面を覗いてみる

場所によっては、水面付近に群れているカワハギが見える事がある。これらのカワハギはスレているため掛けるのが非常に難しいが、水面付近にエサを落として見ながら釣るのも面白い。

釣り公園の橋脚周辺は最高のポイント(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)

くれぐれも覗き込みすぎて落下しないようにしよう。特に小さなお子さんを連れている場合は最大限の注意を払いたい。

底から浮かせてみる

着底後に反応が無ければ、リールを数回巻き取って様子を見てみる。この時、何回転でアタリが出たかを覚えておくと、次の時も同じタナを攻めることが出来る。理想は「底から水面まで何回転必要か」を数えておき、自分の仕掛けがどの辺りにあるのかを大まかに把握。次からはアタリが出た場所を集中的に攻める……といった寸法だ。

どの針に食ってくるかを確認

カワハギ釣りで使用する胴突き仕掛けの多くは、針数が3本ある。

掛けられなかった場合でも「どの針に食ってきたか」「どの針のエサがよく齧られているか」を確認しておこう。そしてタナを調整する際、真ん中の針が最もよく齧られる場所に設定すれば、効率よく釣果を伸ばすことが出来るはずだ。

取り込みと活〆

上手くカワハギをフッキングさせたら、あとは取り込みと活〆だ。詳しく見ていこう。

一瞬軽くなる

カワハギは掛けた直後、フワっと水面に向かって浮きあがる事がある。この時に「あれ?外れたかな?」と油断してラインを緩めてしまうと、バラすリスクが大幅に上昇してしまう。アワセを入れたらリールを素早く巻き、一気に底から引きはがしてしまおう。

横走りに注意

カワハギは底に突っ込むよりも、体を横に向けて横走りすることが多い魚。テトラや藻場といった障害物付近で掛けた場合は遊んだりせず、手早く一気にリールを巻き取りたいところだ。また、すぐ傍に別のアングラーがいる場合はオマツリするリスクもあるので、ドラグはややきつめに設定しておきたい。

良型はタモを

20cmを超える良型は、テトラ竿で抜き上げようとすると結構な重さを感じるはず。またカワハギの特性上、口の皮一枚に掛かっている事も多い。そんな時は無理をせず、タモで取り込みたいところだ。

コブダイは比較的よく見る外道(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)

また、外道でコブダイの子供(30cm~40cm)やサンバソウがヒットすることもある。釣りを始める前に、念のためタモを用意しておくことをオススメしたい。

活〆はナイフで

カワハギの〆方だが、(1)ツノ部分を付け根から折り、(2)脳天(目とツノの間)をナイフで刺す。(3)エラ蓋からナイフを入れてエラを露出させたら、(4)エラの付け根を切る。その後、氷入りの海水に入れて魚体を振りながらしっかり血を抜こう。

〆方の手順(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)

こうすると綺麗に血抜きが出来るので、帰宅した際に血が回っていない真っ白なキモと対面できるはずだ。著者は様々な〆方を試してきたが、20年ほどやってきてこの方法がベストと考えている。

美しいキモ(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)

カワハギとの知恵比べを楽しもう

カワハギは体が扁平なため、見た目やサイズ以上に引きが強い。短い穴釣り竿で掛けた場合、その引き味は手元にダイレクトに来るため、最初はあまりの引きの強さに驚くはずだ。

そしてきっちり活〆を施すことが出来たならば、帰宅後に待っているのは最高の食味を持つ高級魚。是非自身のウデと舌で、カワハギの引きと食味を堪能してほしい。どっぷりハマッてしまう事請け合いだ。

<荻野祐樹/TSURINEWSライター>

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