地下鉄駅のマスコット猫「ミカン」が大人気!会社の収益増にも貢献 台湾
ミカンの名は日本語から
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台湾・高雄にあるMRT地下鉄の「橋頭糖廠」駅には、駅長猫がいます。茶トラの「蜜柑」(ミカン)です。形や色がみかんに似ているため、日本語で「ミカン」と名付けられました。
2020年4月4日に生まれたミカンは野良猫でしたが、同駅の職員に引き取られて同年9月に「駅長」に就任しました。
高雄MRTはこの猫のノベルティ商品やイベントを通じて猫駅長の存在を宣伝したため、「ミカン人気」は高まりました。2021年3月には、当時の台湾総裁がわざわざ会いに来るほどのセレブになったのです。
ミカンのおかげで、同社は2024年に1000万台湾ドル(4560万円)以上の収益を得ています。
人気にともなって、ノベルティ商品も売り上げ増
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ミカンは月に1日だけファンと会うために働きますが、そのほかの日は本部のある事務所で快適な生活を楽しんでいます。窓から街を見下ろせる専用の執務室があり、世話をしてくれる人もいて、ぜいたくな毎日を送っています。
「ミカンの魅力はその愛らしさです」という同社は、リュックサックから文房具、ジャムなどミカンをモチーフにした120種類以上の商品を販売しており、熱心に買い求めるファンや乗客が後を絶ちません。
2024年7月には左営駅に「ミカン専用カウンター」が設置され、ミカン関連商品を販売するようになりました。その結果、売り上げは急上昇し、年間売上高は前年比25%増になったのです。
日本の鉄道会社との協力協定も
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高雄MRTはミカンのInstagramとFacebookアカウントも開設しており、ミカンの日常生活を紹介するとともに、野良犬・猫への思いやりのある行動を人々に呼びかけています。
Instagramのフォロワー数は18万4000人で、そのうち9割は台湾国内の人々ですが、海外からのファンも1割ほどいます。国別の上位は香港、米国、日本の順になっています。
同社は「これからも野良犬や野良猫の福祉を優先するとともに、高雄市の観光PRや国際交流を促進することで、ミカン駅長のブランドを育てていきます。もちろん、この猫の世話と健康管理には責任を持って取り組みます」と声明を出しています。
同社は今後もミカンの新商品の開発を続けておみやげ品市場を盛り上げると同時に、創造性のある商品の市場を開拓していく意向です。
そして日本の「ミカン・ファン」にはうれしいニュースがあります。
高雄MRTは2025年2月に日本の江ノ島電鉄(神奈川)、京福電気鉄道(京都)と「観光マーケティングおよび事業協力に関する三者協定」を結んだことを発表しました。
この協定では、ミカンの共同ブランド商品とプロモーション活動が台湾と日本で同時に行われ、ミカンが3社それぞれの制服を着た画像もネットで公開される予定です。日本の2鉄道の主要駅にはミカンの商品カウンターが設置されるといいます。
これから日本の各観光地で、ミカンを目にする機会が増えそうですね。
出典:Cat rakes in NT$10m for Kaohsiung MRT