ガルナッチャ100%のフルーティーなカバ「ボデガス・サン・ヴァレロ」~「ガルナッチャ/グルナッシュ プレゼンテーション&テイスティング」レポート④
スペインのガルナッチャ・オリヘン協会とフランスのルーションワイン委員会は2024年11月7日、東京都港区の八芳園で「ガルナッチャ/グルナッシュ プレゼンテーション&テイスティング」を開催した。
同イベントでは、両団体がEUの協力のもと共同で展開する「ガルナッチャ/グルナッシュ ヨーロッパの高品質ワインプロジェクト」の一環として、スペインではガルナッチャ、フランスではグルナッシュと呼ばれるぶどう品種についてのセミナーと、同品種でつくられたワインの試飲会を実施した。
今回は出展者の中から、スペインのボデガス・サン・ヴァレロ(Bodegas San valero)を紹介する。
ボデガス・サン・ヴァレロとは
ボデガス・サン・ヴァレロは、スペイン北東部に位置するアラゴン州カリェニナ地方で1944年に設立されたワイナリーだ。
ワイン生産者の協同組合であるコーポレーティバ・ヴィニコラ・サン・バレロ(Cooperativa Vinícola San Valero)が運営し、約500人の生産者が在籍。約4000haものぶどう畑を所有し、カリェニナ地方で最も重要なワイナリーの1つとして老舗の存在感を示している。
今回は、同ワイナリーでアジアマネジャーを務めるカルロス・クエバス(Carlos Cuevas)氏に話を伺った。
ボデガス・サン・ヴァレロのアジアマネジャー、カルロス・クエバス(Carlos Cuevas)氏
――ボデガス・サン・ヴァレロの特徴について教えてください。
一言で表現すると、「真っすぐなワイナリー」です。例えるなら女性がメイクアップしていない「すっぴん」の状態のように、何も手を加えずに素材の魅力を最大限まで引き出しています。そのため、ぶどうのフルーティーさをダイレクトに感じることができるのが特徴で、色も自然の美しい色を生かしています。畑のある土地は降雨量が少ない時もありますが、太陽を存分に浴びることができるため、非常にパワフルなワインが出来上がります。
――入門編として日本のワインファンに薦めたいワインを教えてください。
「ガルナッチャ ブラン ド ノワール パティクラル カバ」ですね。ガルナッチャ100%でつくられたカバ(カヴぁ)は珍しく、黒ぶどうから白ワインをつくっているというユニークさもあります。とてもフレッシュで爽やかな味わいなので、日本でも親しんでいただけると思っています。同じシリーズで、熟成期間を長くすることにより深みの増した「リザーブ」もお薦めです。
「パティクラル カバ ガルナッチャ ブラン ド ノワール」(写真左)
Garnacha Blanc de Noir Particular Cava
タイプ:白・泡
ぶどう品種:ガルナッチャ100%
9カ月間、瓶内熟成させてつくるガルナッチャ100%のカバ。色は淡く明るいゴールドで、きめ細かい泡と赤い果実の繊細な香りが際立つ。口の中で心地良い炭酸が弾け、非常に爽やかな印象。酸味のバランスも良く、調和の取れた余韻が長く続く。
「パティクラル カバ ガルナッチャ ブラン ド ノワール リザーブ」(写真右)
Particular Cava Garnacha Blanc de Noir Reserve
タイプ:白・泡
ぶどう品種:ガルナッチャ100%
「パティクラル カバ ガルナッチャ ブラン ド ノワール」よりも熟成期間が長く、15カ月熟成させることにより、より深いイースト香を感じることができる。爽やかでありながら、複雑な味わいを生み出す。