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仕掛担当が教えてくれた アナタは知ってた?サルカン&スナップの種類と用途

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仕掛担当が教えてくれた アナタは知ってた?サルカン&スナップの種類と用途

釣り道具において「仕掛」は、ロッドやリール、ルアーほど脚光を浴びるわけではないが、魚に直接触れるアイテムとして、また、仕掛の良し悪しによって釣果が左右されるなど重要なアイテムだ。そんな仕掛を扱うメーカーならではのプチ知識を、開発担当者に聞いてみる当企画。「これ知ってたらお得」「釣果アップにつながる」「釣りが快適になる」…といったアイデアを紹介しよう。

今回「サルカンとスナップの種類や用途」について教えてくれたのは、エギングやタイラバから堤防・船のエサ釣りまで(?)、長年開発に携わり、あらゆる釣りに広く精通している有田さんだ。

小さなパーツ「サルカンとスナップ」、気にしたことある??

釣りをする際に、必ずといってよいほどお世話になるだろう「サルカン」「スナップ」。道糸と仕掛をつなぐ際に…、リーダーとルアーをつなぐ際に…など、エサ釣りルアー釣りを問わず、使用することが多いのではないだろうか? しかし、当たり前のように使用しているパーツで、かつ、細かいパーツであるがゆえに、あまりその用途についてこだわっている人は多くないかもしれない。

そもそもサルカンって何のためのパーツなの? スナップってないとだめなの? 今回は、そんなサルカンとスナップへの疑問、種類や用途について有田さんに教えてもらった。

“ヨリ(撚り)戻し”こと「サルカン」の種類

まず「サルカン」からだが、そもそもサルカンって…?
「昔から使われているサルカンですが、釣り糸とエサが付いたハリ(もしくはルアー)を直に結んでしまうと(直結すると)、どうしてもエサが海中で回転した際の“ヨレ”が取れないんです。釣り糸がヨレたまま釣り続けると、釣り糸にクセが付いて扱いづらくなったり、リールスプール内で絡んでしまう(バックラッシュ)といったトラブルが発生します。そんなヨレを取ってくれるのがサルカン。すなわち『ヨリ(撚り)戻し』としてのパーツの役割です」と、まずその定義を有田さんは教えてくれた。

左から、「タルサルカン」「クレンサルカン」「ローリングサルカン」

もしかすると、今どきの若いアングラーはご存じないかもしれないが、サルカンはかつて「ヨリ戻し」と呼ばれていたように、海中で発生する釣り糸の“ヨレ”を“戻して”くれるのが本来の役割。サルカンのお陰で、糸ヨレをあまり気にすることなく、釣りに集中できるというわけだ。

そんなサルカンの種類は主に3つ

(1)タルサルカン    …スタンダードで安価

(2)クレンサルカン   …回転がよく強度もある

(3)ローリングサルカン …回転がよく強度もあるが、やや高価

仕掛には必ずといってよいほど付いているサルカン

「堤防でのサビキ釣りや足下を探る胴突仕掛を使った釣りであれば、釣り糸をあまり出さないので糸ヨレは気にならないかもしれませんが、投げ釣りや船釣りとなると、ヨレが顕著になってきます。また、ルアー釣りなどは動きも激しく、サルカンがヨレを取ってくれるという恩恵は大きいですね。一般的にヨレが強く発生する可能性が高いものに、より回転性のよいサルカンを使用します。
そして、船から深場をねらう釣りや、何が掛かるか分からない(大物が掛かるかも!)ジギングサビキなどには、強度も必要になってくるので、クレンサルカンやローリングサルカンを使用するといった具合です」と有田さん。

ナルホド! 一口にサルカンとはいっても、その回転性能や強度を釣りモノに合わせて使い分けているということだ。既成の仕掛を購入する際には、既にメーカーさんが考慮してくれているので安心だが、もし仕掛を自作する際や、自分で用途に合わせて購入する際には参考になる!

釣り糸をカンタンにつなぐ「スナップ」の種類

次にスナップの種類だが、こちらも主に3種類

(1)スナップオンリー    …一般的なスナップ

(2)インターロックスナップ …ロック機構付き

(3)エイトロック(エイト系)

あまり耳馴染みのない名称だが…こちらに関しても、引き続き有田さんに解説してもらった。

左から、「スナップオンリー」「インターロックスナップ」「エイトロック」

「スナップは仕掛と道糸を結ぶ際に使用しますが、極端にいえばサルカンに直接結んでしまえばスナップは必要ありません。ただ、仕掛やエダスが切れてしまったり、状況に応じて仕掛やルアーを付け替える際に、スナップがあることで素早く手軽に交換ができるという大きなメリットがあります。なので、スナップがあると釣りの手返しがよくなり便利なんです」。

ウンウン。これは釣り人ならばきっと実感しているに違いない。いちいち現場で結ぶ面倒は、誰もが思うところ。あらかじめ道糸に輪っかを作っていれば、ワンタッチで仕掛交換ができるので楽だ!

このように、好みによってはスナップに直接結んでもよいが、道糸側に輪っかを作っておけば、ワンタッチで仕掛交換できるのがスナップの強み

「スナップの種類に関してですが…、まずスナップオンリーは、いわゆるド定番のスナップですね。さまざまな仕掛に使用され開閉しやすいために汎用的です。ところが、開閉しやすい分、少々強度が弱く強い力に負けてしまいがちです。大物や引きの強い魚をねらう仕掛や、強い力でキャストするような釣りには、強度のあるインターロックスナップが使われることが多いと思います。インターロックスナップはその名の通り、ロック機構があるので強い力でも開きづらいのが特徴ですね」。

有田さんによると、スナップはこの「スナップオンリー」と「インターロックスナップ」が定番とのこと。だいたいこの2種で(とくにエサ釣りは)事足りるとのことだ。

ルアー釣りで使われることの多いエイトロック

「最近はとくにルアー釣りで使われることが多いですが、エイトロックも見かけますね。エイトロックはワイヤーのみを曲げて作られているので軽量で、しかも、締まれば締まるほど(=引っ張れば引っ張るほど)強度を発揮する特性があります。なので、ルアーの動きを損ねない軽さと小さなサイズで、かつ強度十分のエイトロックはルアー釣りで重宝されています」とのことだ。

用途別に使い分ける、サルカンとスナップの組み合わせ

サルカンとスナップそれぞれ単体で使用することもあるが、「サルカン+スナップ」と一体化したものもよく見かける。恐らく、前述したそれぞれを組み合わせて、その用途別に使い分けていることは想像に難くないが…。こちらに関しても有田さんに聞いてみた。

左が「タルサルカン+スナップオンリー」、右が「ローリングサルカン+インターロックスナップ」の組み合わせ

「ご想像の通り、各サルカンとスナップの特性を考慮し、釣りモノや釣りのシチュエーションに合わせて使い分けていますね。仕掛開発においては、こういった細かいパーツのチョイスも腕の見せ所ですから(笑)」。

有田さんによると大まかな組み合わせは以下の通り。

(1)タルサルカン+スナップオンリー
・そこそこに誰でも使いやすい
・サビキ釣りやちょい投げ、(足下を探る)胴突仕掛に使用

(2)タルサルカン+インターロックスナップ
・やや強度を求める釣りに
・船の根魚五目、遠投投げ釣りに使用

(3)クレンサルカン(または)ローリングサルカン+インターロックスナップ
・強度+ヨリ取りの強さがある
・大物釣りや深場の釣りに使用

(4)クレンサルカン(または)ローリングサルカン+エイトロック
・ルアー釣りやルアー要素のある仕掛(ジギングサビキなど)に
・ルアー本来の動きを損ねず、大物が掛かっても安心の強度

仕掛によっては、竿側とオモリ側で異なるサルカンとスナップの組み合わせを用いているものもある。これも、用途やその目的による開発担当のこだわりによるものだ

「サルカンとスナップの組み合わせは、『回転性(ヨリ戻し性能)』『強度』『使い勝手』などを気にしながら、釣りモノやシチュエーションを考慮して使い分けているのですが、かんたんに言えば、釣り糸の放出量と対象魚のパワーに対して(1)~(4)をチョイスしているといってもよいかもしれません。釣り糸がたくさん出ればヨレやすくなりますし、遠くや深いところをねらえば釣れる魚もパワーも大きくなる。あとは、もちろんコストパフォーマンスも考えて、あまりオーバースペックで高価になり過ぎないようにパーツを選んでいますね」と、有田さんは締めくくってくれた。

普段、あまり気にすることがないかもしれない小さなパーツ「サルカンとスナップ」だが、その特徴を知ると、何だか仕掛やほかの細かい部分にも興味が出てきそうだ。より細部にこだわれば、アングラーとしてのテクニックや釣果UPにつながるかもしれない…。

といったわけでサルカンとスナップの種類や用途はココまで。釣りに詳しいエキスパートなら「な~んだ」な知識、かもしれないが、釣りを快適に、スムーズに楽しむための知識としてお役に立てれば幸いだ。
仕掛のスペシャリストとして日々開発に携わるなかで、きっとアングラーのタメになるアイデアがいろいろとあるはず! そんな目から鱗なプチ知識を発掘し、引き続きお届けしていこう。

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