おすすめの庭木を常緑樹・落葉樹それぞれ5選でご紹介|選び方も解説
「おすすめの庭木を知りたい」
「おすすめの庭木の中から、自宅の庭や家族にぴったりな1本を選びたい」
このように考えて庭木を探しているけれど、どれを選んでいいかお悩みではないでしょうか。
この記事ではシンボルツリーや植栽におすすめの庭木10選を、常緑樹5選と落葉樹5選に分けてご紹介します。また、おしゃれで管理しやすく、さまざまな効果を持つ庭木の選び方も解説していますので、ぜひ庭木選びにお役立てください。
庭木の役割と効果
樹木には一年を通じて枝に葉をつける常緑樹と、落葉期に葉を落とす落葉樹があります。
樹木の種類やそれぞれの特徴を押さえて庭木を選ぶと、次のような役割や効果を期待できるでしょう。
景観を豊かにする
庭木は家周りや庭の景観を美しく豊かにしてくれます。
樹木は種類によって樹形や枝ぶり、葉の色や形、樹皮などが異なり、それぞれが魅力的です。季節によって花や実で庭を彩ってくれる樹種もあります。
こうした樹木の特徴や個性が加わることで、家や庭の景観にも趣のある魅力が増すでしょう。
四季の移り変わりを感じられる
庭木は自然のサイクルに応じて葉の色や姿を変え、四季の変化を身近に感じさせてくれます。季節ごとに草花などの植物を植え替えるのは大変ですが、庭木は一度植えると長年にわたって四季の移り変わりを知らせてくれるでしょう。
庭木選びの際は、花や実をつけるものや秋冬の落葉前に紅葉するものなど、季節感を楽しめる樹種をチェックしてみるのがおすすめです。
日射量をコントロールする
樹木には枝葉を茂らせたり枯葉を落としたりすることで、自然のリズムで日射量を調節する機能があります。そのため、庭木を植える際は樹種の特徴や家の方角を考えて配置を決めるとよいでしょう。
たとえば、家の南側や西側に落葉樹を植えると、夏場は外壁の日焼けや室温の上昇を抑え、冬場は暖かい日差しを室内に取り込めます。
目隠し効果でプライバシーを守る
庭木には、外部からの視線を遮ってプライバシーや防犯効果を高める効果もあります。特に常緑樹は目隠し効果が高く、古くから玄関前や窓辺の植栽や生垣にも活用されてきました。
庭木による目隠しは塀やフェンスと比べて圧迫感が少なく、通りや隣家からの視線をさりげなく遮ってくれるでしょう。
家族のシンボルや記念になる
古くから樹木は記念樹やシンボルツリーとして植えられてきました。シンボルツリーとは、その家を象徴する、ある程度高さのある庭木のことです。
シンボルツリーには、家を引き立てる効果があります。シンボルツリーによって家に個性がプラスされるため、来訪者の目印として活用することも可能です。
新築や改築、新しい家族の誕生を記念してシンボルツリーを植えるケースも多く見られます。特別な意味や思い出のあるシンボルツリーは、家族を温かく見守ってくれるでしょう。
庭木におすすめの常緑樹5選
シンボルツリーや植栽におすすめの庭木のうち、5種類の常緑樹をご紹介します。
ソヨゴ
ソヨゴはモチノキ科・モチノキ属の常緑樹です。 一年を通じてつやのある濃い緑色の葉が美しく、初夏には花、秋には小さな赤い実を楽しめます。洋風の庭にも和風の庭にもマッチするため、シンボルツリーとして人気の高い木です。
あまり手を加えなくても自然な樹形になるため、手がかかりません。放置すると5~10メートルになりますが、成長が遅く1年間に20センチメートル程度しか伸びないため、高さも管理しやすいでしょう。
シマトネリコ
シマトネリコはモクセイ科トネリコ属の常緑樹です。すっきりした樹形とつやのある小さな葉が、洋風の外観にマッチします。シンボルツリーとしても人気が高い木です。
生命力が強く、日当たりを好み耐暑性や乾燥にも強いですが、半日陰の庭でも十分育ちます。ただし成長スピードが速く、放任すると高木になるため注意が必要です。大きくなりすぎる前に、剪定で3~4メートル程度に抑えるとよいでしょう。
また、寒冷地では冬の寒さで葉を落とすことがあるため、目隠ししたい場所には不向きです。
常緑ヤマボウシ
常緑ヤマボウシは、ミズキ科・ミズキ属の常緑樹です。さまざまな色味が混じる葉色と整いやすい樹形が魅力で、洋風や和モダンの庭によくなじみます。初夏に白やピンクの花が咲き、秋には実もつくため、一年を通して観賞価値の高いシンボルツリーとして人気です。
耐暑性が高く日当たりを好みますが、半日陰でも育ちます。ただし、寒さには弱めです。
常緑種でも強い北風で葉色が変化したり落葉したりすることがあるため、寒冷地では日当たりが良く北風が当たりにくい場所に植えるとよいでしょう。
オリーブ
オリーブはモクセイ科オリーブ属の常緑高木です。 シルバーがかった細い葉がおしゃれで、洋風の庭のシンボルツリーとして人気があります。
地中海地方の原産で乾燥に強く、強い日差しにも耐えられるため、南向きの庭におすすめです。水はけと風通しが良い場所に植えると大きく育つため、ゆとりのある植栽スペースを選ぶとよいでしょう。
なお、オリーブの実を楽しみたい場合は、品種が異なる木を2本以上植えて受粉させる必要があります。
フェイジョア
フェイジョアはフトモモ科アッカ属の常緑樹です。表と裏で異なる葉色のコントラストが美しく、個性的な花や果実も楽しめます。樹高は2~3メートルと比較的低めです。常緑の小ぶりなシンボルツリーを兼ねる果樹として人気があり、植栽や目隠しにも使われます。
南米原産で耐暑性も耐寒性も高く育てやすいですが、乾燥が続くのは苦手なため、土が乾いたらたっぷり水やりするとよいでしょう。
オリーブと同様で、実をつけるには異なる品種を2本以上植える必要があります。
庭木におすすめの落葉樹5選
シンボルツリーや植栽におすすめの庭木のうち、5種類の落葉樹をご紹介します。
アオダモ
アオダモはモクセイ科トネリコ属の落葉広葉樹です。 幹は細めですが硬く、木製バットの素材となる木としても知られています。
すらりと伸びた幹の上部に葉をつける姿がスタイリッシュで、和風や和モダン、洋風や雑木風の庭にもおすすめです。樹形がスリムなため、植栽スペースが限られた庭のシンボルツリーとしても重宝されています。
日向から日蔭までさまざまな環境にも適応しやすく、寒冷地でも育てやすい樹木です。寒冷地では夏の葉焼けの心配がなく、グレーがかった美しい幹肌に模様が現れます。
マユミ
マユミはニシキギ科ニシキギ属の落葉樹です。 もともと日本の山林に自生しており、花や実、新緑や紅葉を楽しめることから鑑賞性が高く、盆栽としても親しまれてきました。和風はもちろん、洋風や雑木風の庭にもよく似合うでしょう。
5~6月ごろに小さな花が咲き、緑の実がついてピンクに色づきます。実か完熟すると裂けて真っ赤な種子が顔をのぞかせるため、落葉後も庭が華やかです。
樹高は3メートル程度と低めで、樹形も自然に整うため、お手入れしやすいシンボルツリーとしても人気があります。
イロハモミジ
イロハモミジはムクロジ科カエデ属の落葉広葉樹です。 古くから庭木として植えられており、現在もさまざまなテイストの庭になじむシンボルツリーとして根強い人気を誇っています。
イロハモミジは葉がコンパクトで切れ込みが深く、樹形の美しさで知られます。住まいの外観に合う樹形を選ぶとお互いの魅力を引き立てあい、風情ある景観をつくれるでしょう。
イロハモミジを美しく紅葉させるには、日当たりや昼夜の温度差などの環境が必要です。特に夜間に冷え込む寒冷地ではきれいな紅葉が見られるでしょう。
ハナミズキ
ハナミズキはミズキ科ミズキ属ヤマボウシ亜属の落葉広葉樹です。新緑や紅葉に加えて、白色やピンク色の花も楽しめます。古くから庭木として親しまれ、洋風の庭のシンボルツリーにもおすすめです。
環境が合うと高木に育ちますが、庭木の場合は一般的に剪定で高さを抑えます。成長スピードは比較的穏やかで樹形も自然な形にまとまるため、管理もしやすいでしょう。
ハナミズキは日当たりを好みますが、夏場の直射日光や乾燥は苦手です。夏に日差しが一日中当たる場所は避け、株元に下草を植えて乾燥を防ぎましょう。
ジューンベリー
ジューンベリー(アメリカザイフリボク)はバラ科ザイフリボク属の落葉小高木です。花や実、紅葉まで楽しめるシンボルツリーとして人気を集めています。開花後に実がたわわにつき、6月ごろに赤黒く完熟することが名前の由来です。
暑さや寒さ・病虫害にも強く、水はけと風通しの良い場所で大きく育ちます。大きくなりすぎると剪定や実の収穫が大変になるため、高さは2~3メートル程度に抑えるとよいでしょう。
熟した実は生食もできますが、酸味が強いためジャムにするのがおすすめです。実りの季節には鳥も集まります。また、落ちた実の掃除が必要です。
庭木の選び方
庭木を植えると長いつきあいになるため、植栽後に後悔しないよう選ぶことが大事です。
庭木選びで押さえておくべきポイントについて解説します。
家の外観や景観との調和を考えて選ぶ
庭木は家の外観と調和する樹種を選ぶことが大切です。
庭木そのものが好みでも、家や庭の雰囲気と合わないと樹木だけ浮いてしまいます。迷ったときは、庭と家全体の写真や絵に気になる庭木を描き入れると、植栽イメージを確認しやすいでしょう。
また、住まいがある地域の景観との調和も重要です。近隣の植栽に使われている木はその土地の環境に合う育てやすい木でもあるため、庭木選びの参考にしてみるとよいでしょう。
成長したときの樹高や樹形をイメージする
植えて後悔しないために、何年かけてどんな姿に成長するかを把握して選びましょう。
樹木の樹高に注目すると、低木から高木までさまざまな種類があります。
下記は高さで分類した樹木の種類と、最終樹高の目安です。
・低木:30センチメートル~1メートル・中木:1~2.5メートル・中高木(準高木):2.5~4メートル・高木:4メートル以上
庭木として人気が高いのは低木や中木です。高木になるタイプでも成長スピードが穏やかであれば剪定によって高さを抑えやすいでしょう。
樹形に注目すると、枝葉の茂りがコンパクトにまとまるタイプや大きく広がるタイプがあります。大きく育つタイプは広い植栽スペースが必要です。
常緑樹か落葉樹かを選ぶ
樹木は常緑樹と落葉樹に大別されます。どちらを選ぶかは好みや庭との相性によりますが、それぞれの特徴を押さえておくことが大事です。
常緑樹の庭木は、秋冬も緑の葉を楽しめますが、植栽環境や季節によって落葉するものもあります。植栽する地域の気候と植物の相性や、育て方の注意点なども確認して選ぶとよいでしょう。
落葉樹は季節による葉色の変化を楽しめますが、落葉期は落ち葉の掃除が必要です。隣家との境界は避けるなど、植栽場所もよく考えておく必要があります。
求める機能で選ぶ
庭木の機能にも注目してみましょう。
庭木には日差しを遮る効果や目隠し効果などが期待できます。常緑樹を選ぶと一年を通して日差しや外部からの目線を遮ってくれるでしょう。
落葉樹を選ぶと夏場の直射日光を遮り、冬場は葉を落とすため家屋や小さな植物に日が当たりやすくなります。ただし、落葉樹は目隠し効果は低めです。
また、ブルーベリーやかんきつ類といった果樹を植えると、収穫して家族で食べたり、ジャムに加工したりして楽しめるでしょう。
管理ができるものを選ぶ
庭木を植えると、以下のような管理やお手入れの手間が発生します。
・水やり・剪定・落ち葉や落下する花ガラ、実の掃除・害虫の駆除
お手入れの方法は樹種によっても異なるため、適切に管理できる樹種を選びましょう。難しい場合は管理しやすい樹種を選んだり、業者に委託したりする方法もあります。管理のしやすさで人気が高いのは、常緑樹の低木や中木です。
成長スピードが穏やかな樹種は剪定の頻度も少ないため、比較的管理がしやすいでしょう。成長スピードが速い樹種はこまめな剪定で高さを抑えるか、コンパクトに育てられる鉢植えで管理する方法もあります。ただし、鉢植えは水やりの頻度が増えるため、自分にとって管理しやすい方法を選びましょう。
まとめ:選び方や注意点を押さえて、おしゃれで育てやすい庭木を選ぼう
この記事ではおすすめの庭木とその特徴、植えて後悔しないための選び方をご紹介しました。
庭木を選ぶポイントを振り返ってみましょう。
・家の外観や景観との調和を考えて選ぶ・成長したときの樹高や樹形をイメージする・常緑樹か落葉樹かを選ぶ・求める機能で選ぶ・管理ができるものを選ぶ
おすすめの常緑樹や広葉樹の特徴と選び方のポイントを参考に、おしゃれで育てやすい庭木を見つけてください。