直江津港と神戸港を結ぶ定期コンテナ航路開設 国内外への物流ルート多様化に期待
新潟県上越市の直江津港と、主要国際貿易港の神戸港を結ぶ新たな定期コンテナ航路が開設され、直江津港で2024年8月1日、初入港を祝う記念式典が開かれた。秋田や新潟などに寄港する北九州港経由の航路に、新たな寄港地として直江津が加わった形で、直江津港に内航コンテナ船の定期航路が出来るのは初めて。
《画像:直江津港で行われた新航路の初入港記念式典》
新航路は内航海運業などの井本商運(神戸市)が、外航船社オリエント・オーバーシーズ・コンテナ・ライン・リミテッド(香港)と連携して運航する。秋田から新潟、直江津、富山の順で各港に寄港後、北九州港で積み替えをし、神戸港まで運航する。週1便で、直江津港には木曜に寄港する。
この日初入港したのは20フィートコンテナ670個分を積載できるコンテナ船「なとり」。直江津海陸運送によると、電子部品などのコンテナ18個を陸揚げし、空のコンテナ15個を積んだという。
《画像:運行会社や行政など関係者25人が出席》
直江津港では、韓国や中国へ国際定期コンテナ船が週2便運航されている。新たに内航航路が就航することで国内外への輸送ルートの選択肢が増え、「物流の2024年問題」への対応や、環境負荷軽減のためトラック輸送から船舶輸送などに転換する「モーダルシフト」の推進に期待が高まっている。
関係者25人が出席した式典では、中川幹太上越市長が「社会課題の対応策として、荷主企業から選ばれ充実した航路となることを期待する。直江津港の利用促進に向けた取り組みを官民一体で進めていく」とあいさつした。
《画像:式典であいさつする井本商運の井本社長(左)》
井本商運の井本隆之社長は「国際貨物と内航貨物を積み合わせることで安定した航路を築きたい。内航船は地方港までネットワークがあるので、モーダルシフトの推進になれば」と話していた。