犬が『震え続けている』ときに考えられる原因3つ 状況別の対処法や見逃してはいけないサインを解説
犬が『震え続けている』ときに考えられる原因3つ
1.寒さや痛み
犬が震える原因として、まず考えられるのが「寒さ」です。
動物は寒さを感じたときに、体を小刻みに震わせることで体温を上昇させます。そのため、犬が寒いときに震えるのはごく自然なことです。
また、寒さだけでなく痛みを感じているときにも、体が震えることがあります。特に強い痛みに耐えているときに震えることが多いため、体を丸めてじっとしているときなどは痛みによる震えを疑ってみてください。
2.不安や恐怖
身体的な問題だけでなく、精神的な問題が起きたことで体が震えることもあります。
強い不安や恐怖にさらされると、交感神経が活発になり体が緊張状態になります。それによってぶるぶると体が震えてしまうことがあるのです。
雷や花火など大きな音を怖がる犬や初めての場所に緊張しやすい犬などは、体が硬直したり小刻みに震えていたりすることがあるので、しっかりと観察してケアしてあげましょう。
3.けいれんなど神経系トラブル
犬が震え続けているときに最も心配なのが、けいれん発作などによるものではないかということです。
てんかんのような脳神経系疾患や中毒によってけいれんを起こすことがあり、その場合はできるだけ早く獣医師の指示を仰ぐ必要があります。
意識がない状態での急激なけいれん発作だけでなく、1日中小刻みに震えてぼんやりとしている発作などもあるので、少しでもおかしいと感じたら必ず動物病院に相談してください。
状況別の対処法や注意すべきこと
犬が震えているときにまず大切なのは、その原因を探るために犬の様子をしっかりと観察することです。
寒さや痛みにはすぐ対応する
寒さによる震えであることが考えられる場合は、室温を調整したり洋服を着せたりして適温を保てるようにしましょう。
「ただ寒いだけでしょ」と放っておいてしまう飼い主さんもいるかもしれませんが、寒さにさらされ続けると免疫力が低下してしまうため、感染症を引き起こしたり持病を悪化させたりする可能性があります。
また、寒さではなく痛みが疑われる場合、内臓疾患や関節の痛みなど見た目にはわからない痛みを抱えている可能性を考えましょう。食欲や排泄の状態にも気を配って、気になる様子があれば獣医師に相談するようにしましょう。
けいれん発作の間は体に触れない
震えているときに音に反応しないなど意識がない場合や、体の自由が完全に効かない場合は、神経系トラブルによるけいれん発作が疑われます。
その場合は無理に震えを止めようとしたり、体を揺り動かして起こそうとしたりしないでください。
そのような対応をすると、無意識の状態で犬が噛みついてきたり嘔吐して誤嚥したりといったトラブルを引き起こすことがあります。
けいれん発作中は、犬のまわりのものを片付けて安全を確保し、収まるまで見守ってあげてください。
可能であれば犬の状態を動画で撮影しておくと、動物病院での検査や診断してもらうときに役立つでしょう。
まとめ
犬にとって震えは、寒さや恐怖などで比較的起こることの多いトラブルです。
すぐに対応すれば大きな問題にならないこともあると思いますが、なかには大きな病気が原因になっていることもあることを覚えておきましょう。
震えているときや直後の様子をしっかりと観察し、異変がないか十分に確認してください。少しでも心配な点があれば、動物病院で相談するようにしてください。
(獣医師監修:寺脇寛子)