地獄!冷暖房禁止で夏は32度になる職場、ホコリだらけでアレルギー疾患も続出 10か月で退職した女性
夏場のオフィスで冷房無しは地獄だ。とても仕事ができる状態ではなくなるだろう。ところが神奈川県の40代女性(Web・インターネット・ゲーム/年収450万円)が6年ほど前に働いていた会社は「渋谷という好立地、8階建ての自社ビル」であるにもかかわらず、
「よほど資金繰りが悪かったのか、まさかの冷暖房使用禁止!」
「電気代節約のためかエレベーター禁止の日などもありました」
などの謎ルールがまかり通っていた。入社したのは夏だったという。
「職場は少しだけ窓が開くタイプのガラス扉だったのですが、渋谷のオフィス街ということもあり風の抜けが悪く、室温は32度を超えていました。一日中首にタオルを巻き、昼休みになると逃げるように近隣の飲食店へ向かいました」
劣悪な労働環境はこれだけではなく、「10か月で辞めました」と語る女性に、編集部は詳しく話を聞いた。(文:國伊レン)
「みんな喘息やアレルギーを発症して辞めていく」
女性はその会社で派遣社員として電子書籍の編集の仕事に就いたが、入社早々驚くことがあった。仕事に必要な事務用品すら支給されなかったというのだ。
「初日にボロボロのノートPCだけ貸与されたのですが、マウスやボールペン等がなく、社員に尋ねたところ『この会社の方針でPC以外のものは支給しない』と言われました。仕方ないので、いそぎ自分で購入しました」
極度のケチなのか本当に経営がひっ迫していたのか、「退職する人には人件費は払えないという理由で、仕事の引継ぎもしない方針の会社でした」とも明かしている。
しかも職場の衛生状態も劣悪だった。
「業者による掃除を年1回しかせず、みんな喘息やアレルギーを発症して辞めていきました。社員もまったく掃除をしませんでしたね。そもそも清掃用具がなかったです」
風通しの悪いオフィスで冷房ナシ、しかもホコリだらけ……。これでは体調がおかしくなるのも無理はない。
手取り20万円以下なのに「正社員は役職者の誕生日には贈り物をしないといけない」
オフィス環境だけではなく、役職者たちの人間性も最悪だった。
「チンピラみたいな役職者が4人くらいいて、虫の居所が悪いと男性社員はエレベーター内で理由もなく殴られることがありました。あるとき私も目撃し、怖かったです」
そんな扱いを受けるのに、正社員の給料は高くはなかった。女性が同じチームの社員とランチに行ったときのこと。
「『正社員はどんなにハードな業務でも、役職がないと月の手取りは20万以下』と、社員さんがぼやいていました」
しかも、正社員にはこんな驚愕のローカルルールがあった。
「部長クラスの役職者の誕生日には、贈り物をしないとパワハラを受けると聞きました。平社員なら1人あたり最低5000円くらい、リーダーや課長クラスになると2万~3万円のものを贈るそうです。社員はみんな苦労している様子でした」
手取り20万円以下の給料から、5000円~数万円も贈り物に取られたらやっていけない。当然のことだが、離職者が相次いだという。
「結婚する人はみんな転職していきました。残るのは実家住まいの独身者が多かったです。私も10か月耐えましたが、あまりの不衛生さによる呼吸器系のトラブルで退職しました」
人材が定着しないので派遣業界内でもブラックリスト入り
あとで女性が聞いた話によると、あまりにも人が居つかず派遣もすぐ逃げ出すため、派遣会社の間では「あの会社とは取引するな」という噂が流れ、ブラックリスト入りしたということだ。
その後、会社はどうなったのだろう。何の縁か、実はこの会社は女性の夫の取引先となったそうで、こんな後日談を教えてくれた。
「どうやら分社化し、外部からまともな役職者を迎えたことで、だいぶ浄化(改善)が進んだと聞きました。取引先としての関係は良好のようです」
やはり上に立つ人によって、組織は大きく左右されるようだ。
退職後は無事にまともな会社に転職できたという女性。気管支炎も治り、退職について「満足しています」としてこう振り返った。
「おそらく人生最初で最後であろう、大変エキサイティングな会社での経験でした。おかげで多少のことでは動じなくなり、そこだけは感謝しています」
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