岡山から片道2時間!「新型やくも」に乗って鳥取・米子をめざす旅
なんて気持ちの良い走りっぷり!瀬戸内から日本海側へ、山陽から山陰へ。JR岡山駅から全速力で疾走する「新型やくも」に乗って、鳥取・米子をめざしてみました。「A5限定千屋牛すき焼き重」をほおばりながら。
2024年4月デビュー!やくもブロンズ(JR岡山駅)
週末のJR岡山駅。2番線に、8時13分発の「特急やくも」が入ってきました。2024年4月デビューの新型やくもの車体は、宍道湖の夕陽やたたら製鉄など4つのブロンズ色がベースになっているんだとか。今までにないような重厚感と艶に旅への期待も高まります。
大きな荷物をかかえた旅行客も、リュック姿の山登りのグループも、みんなよろしく、やくもさん。
やくも立つ!雲型デザインの駅名看板(JR倉敷駅)
特急やくも3号出雲市行き。JR岡山駅を無事発車して倉敷へ!JR岡山駅だけかとおもいきや、JR倉敷駅の駅名看板も雲型デザインになっていました。もくもくと優しいラインの木製の椅子まで設置。沿線のおもてなしにも抜かりがありません。倉敷をぬけると一気に北へ北へ。晴れの国から神話の国をめざして走ります。
車体がうねりはじめます
内装は木目調。大きな窓から明るい光が差し込みます。総社、豪渓、日羽。駅をすぎると次第にうねりはじめる車体。そしてJR美袋(みなぎ)駅あたりからは、高梁川に沿うようにいよいよカーブの連続がはじまります。さあこい新型やくも! 新しくなった「制御付自然振り子方式」とやらを体感させてもらわねば!
山城のあるまち 備中高梁(JR備中高梁駅)
JR備中高梁駅までは本当にあっという間の34分です。
備中松山城へ登って猫城主に会ってみたり、美しい教会や町屋の並ぶ町を散策したり、ベンガラ色の吹屋の町へもいってみたいな。麻の葉柄のサンシェードからのやさしい光を浴びていると、いつか行きたい旅へ構想もどんどん湧いてきます。
駅弁で千屋牛を味わう
目的地の米子まではまだ1時間半もあるので、ここらで腹ごなしといきましょう。旅の愉しみ駅弁をいそいそとテーブルに。こちらにおわすお方こそ、A5限定、日本最古の蔓牛(つるうし)の「千屋牛すき焼き重」であらせられます。染み染みの大きなどんこ。アクセントに最高な紅生姜。そしてやさしい歯触りの黒毛和牛のしぐれ煮。こんなに美味しい牛さんを育む新見のまちは、もうすぐです。
奇石・怪石のまち 新見
JR方谷駅で新型やくもとすれちがうと、鍾乳洞で有名な井倉渓があらわれます。新見では、ごつごつとした岩肌だったり、不思議なかたちの山々など、自然の大きさを感じられる奇石や怪石の景色が続きますよ。JR新見駅で下車して、中国勝山方面や津山方面へローカル列車乗り継ぎの旅もいいですね。いや、新見市内で千屋牛三昧もすてがたし。
車内探険
さすがは乗り心地の向上をめざした新型やくも。座席間のスペースも本当にゆったりとしていて、シートの座り心地も抜群でした。しかし新見、布原ときて、さすがにただならぬ振動と傾きが感じるように。どうやら急カーブの区間へと差し掛かってきたようです。どんな揺れかな。ちょっと車内を歩いてみることに。
座っている分にはほぼ感じないのですが、さすがに山岳区間走行中の揺れはなかなかのものです。連結部分がトリックアートのように傾いていたり。ちょっと楽しくなってしまいました。しかし、最適なタイミングで車体を傾かせるよう改良されたという新型やくも。まちがいなく進化した乗り心地でしたよ。
山陽から山陰へ
高梁川に寄りそうように走ってきた伯備線は、鳥取県内に入ると西川と並走していきます。どうどうと流れる川とやくも。土地ごとの自然な地形もたっぷりと感じられますよ。山陽から山陰へ。瀬戸内海から日本海へ。全速力で走り抜けます。
旅のおやつは薄荷とゆず
たのしい遠足におやつは付きもの。備忘録に写真を一枚、というタイミングでちょうど上り列車のやくもとすれ違いました。幻の矢掛産薄荷(はっか)使用という、ゆずとミントのお酒「HARERU」。総社市の酒蔵「ヨイキゲン」のオリジナルリキュールです。高梁名物「天任堂」のゆべしもあわせて。薄荷とゆずの清涼感が、やくもの疾走感のようでした。
フリースペース
もうすぐJR伯耆溝口駅。さあ右手に大山が見えてくるでしょうか。こんな時はフリースペースでゆっくり大山待ちもおすすめです。曲線のかわいらしい折りたたみシートに座って、伯備線や山陰本線の写真集をながめたり。ひとりだけの時間が過ごせますよ。
伯耆大山
伯耆大山さん、この日は雲の隙間からあたまが少~しのぞいただけでした。大山のかけらも今日の思い出に。島根県松江市出身のバンド・Official髭男dismの「I LOVE・・・」の発着メロディーが聴こえてきました。JR米子駅。今回の旅の下車駅です。
いつか乗りたいセミコンパートメント
「いつかセミコンパートメント席で旅してみたいな」。ホームに降りてからも、思い残すことなくやくもを眺めましょう。
やくもと銀河(JR米子駅)
レトロさたっぷりの木の柱のホームからやくもを見送ると、足元には星が散りばめられた鉄道車両の絵が描かれていました。「ようこそGINGA」。JR米子駅はWEST EXPRESS銀河の山陰コースの停車駅なんですね。地元のあたたかい歓迎に、こちらまであたたかい気持ちになりました。
ねずみ男列車
JR米子駅の境港線ホームへ行くと、ねずみ男とゲゲゲの鬼太郎仕様の列車に出会えました!漫画家・水木しげるの出身地である境港は、妖怪の町としても有名なんですね。JR米子駅では、名探偵コナン列車(山陰本線)にも乗れますよ。ちなみにJR由良駅は、コナン駅としても人気なんですって。
緑やくも色のビール
JR米子駅のおみやげ売り場では、大山Gビール「強吟(ごうぎん)特急やくもラベル」(緑やくも色)も購入できて満足満足!みなさんもJR岡山駅を拠点に特急列車の旅をどんどん楽しんでくださいね。