動物園で体重180キロ超のトラが豹変 ベテラン飼育員が重傷(豪)
豪クイーンズランド州の動物園で今月2日、キャリア12年以上のベテラン飼育員がトラに襲われて大ケガをした。体重180キロを超えるトラに襲われた飼育員は、腕や肩に深い裂傷を負い、救急車で病院に搬送された。幸いにも命に別状はないと、豪ニュースメディア『9News』などが報じた。
【写真】トラに襲われた飼育員。かつてテレビ番組に出演し、飼育員として仕事の素晴らしさを語っていた
今月2日午前9時、豪クイーンズランド州クーメラにあるテーマパーク「ドリームワールド(Dreamworld)」の開園前に、併設された動物園で飼育員がトラに襲われる事故が発生した。被害に遭った飼育員のメリッサ・レイノルズさん(Melissa Reynolds、47)は、同園で12年以上働くベテランだった。同園では一日2回、トラのショーを開催しており、メリッサさんはトレーナーの1人として、普段からトラと近い距離で触れ合っていた。
事故当時、メリッサさんは他の飼育員とともに1頭のトラと並んで歩いていたが、トラが突然メリッサさんに襲いかかった。トラはメリッサさんの腕に噛みつき、鋭い爪でメリッサさんの肩を切り裂いた。
すぐに救急車が呼ばれ、メリッサさんは現場で応急処置を受けた後にゴールドコースト大学病院へ搬送された。対応したクイーンズランド州救急サービス代理地区長のジャスティン・ペインさん(Justin Payne)は、当時の様子をこう語った。
「メリッサさんは顔色が悪く、体調がすぐれない様子でしたが、全体的には落ち着いていました。メリッサさんはしっかりとトラを訓練されていたようですし、他のスタッフにサポートされていたようなので良かったです。」
ベテラン飼育員のメリッサさんは、過去にテレビ番組に出演し、トラについて紹介したこともあった。その番組の中で、メリッサさんは「トラたちにエサをあげたり遊んだりして、一緒に過ごす機会を得られるので、本当に素晴らしいですよ」と自身の仕事について語っていた。
今回メリッサさんを襲ったのは、5歳のトラであると報道されている。ドリームワールドは、“ハン(Khan)”、“ハビ(Javi)”、“ザカリ(Zakari)”という3頭の5歳のトラを飼育しているが、どのトラがメリッサさんを襲ったのかは明らかになっていない。
メリッサさんは命に別状はないものの、感染症のリスクを考慮して抗生物質が処方され、現在療養中だと伝えられている。なお現時点でドリームワールドは、通常通りの営業を続けている。
今回の事故について、ドリームワールドは「単発的で滅多に起こらない事故であり、徹底的に調査を行います」とコメントを発表した。
この事故が複数のメディアで報じられると、「トラと友達になることなんてあり得ないよ」「エサの時間の前だったのかな?」「飼育員が動物に襲われるのは、珍しいことではないよ」「これだから動物を飼育下におくべきじゃないんだ」といったコメントが寄せられている。
ちなみに今年3月には米テキサス州の動物園で、アクシデントによりゴリラと飼育員が同じエリアに居合わせてしまう事態が発生した。慎重にゴリラと距離を取りながら脱出する緊迫した映像には、固唾をのんで見守る来園者の様子も映っていた。
画像は『9News 「Handler bitten by tiger at Dreamworld identified」』より
(TechinsightJapan編集部 iruy)