サカナ好きを集めて魚のカードゲーム『魚魚あわせ』をやってみた お正月遊びにも最適!
クリスマスも終わり、もういくつ寝ると……。
お正月遊びといえば、凧揚げや羽根つき、福笑い、コマ回し、けん玉、すごろく、百人一首、かるた、だるま落としなどがあります。
中でも、かるたなどのカードゲームは、現代の家庭でも比較的に取り入れやすい遊びですよね。いや、職場でもできそうです。
魚が好きな人・魚に詳しい人を集めて、魚をテーマにしたかるたをやったら楽しそうじゃないですか?
実際にやってみました。
水族館飼育員らが開発した<魚魚あわせ>
今回体験するのは「魚魚(とと)あわせ」。魚編の漢字と、色とりどりの千代紙・色紙の切り絵を使った“絵合わせかるた”です。
魚魚あわせは、株式会社KANSOテクノスが運営する「魚魚工房」による制作。同社は環境・土木・建築の総合エンジニアリング企業ですが、2023年5月30日に閉館した水族館「丹後魚っ知館」の運営業務も担っていました。
当時、「丹後魚っ知館」の飼育スタッフらが何か専門知識を生かすことはできないかと考え、同館のオリジナルグッズとしてカードゲームの開発を始めたことがきっかけなのだそう。
全国各地の地域版から英語版まで
魚魚あわせシリーズの第1作目は<京都丹後版>。「丹後魚っ知館」があった京都府北部の丹後地方にすむ魚介類が登場します。
そして、現在では全国の魚介類が載った<日本津々浦々版>や英語表記の<Sushi Bar (英語版)>のほか、全国各地の地域版が販売されています。
いざ開封! 今回使用するのは<江戸前版>
今回使用するのは<江戸前版>!
そして、対決の会場は東京都新宿区にあるサカナに特化した本屋『SAKANA BOOKS(サカナブック)』。東京だから江戸前版という安易な発想です。
さっそく開封すると、説明書が入っていました。
要約すると、「江戸前寿司に使用される魚介類が登場するよ!」「小さな子どもからご年配まで遊べるよ!」「魚介類の色・味・旨み・歯ごたえなどそれぞれの特徴を知って、身近に感じてね!」といったところです。
説明書を広げると、「遊び方①神経衰弱」「遊び方②カルタ」と、2種類の遊び方が書いてありました。
「遊び方①が『かるた』じゃないんかい!」と心の中でツッコミを入れるも、箱をみたら「かるた」ではなく「新しい『カードゲーム』」とちゃんと書いてありました。
今回は企画者がかるたゲームと思い込んでいたこともあり、「遊び方②」を採用します。
読み手が左側の札を読み、取り手は広げた札の中から見つけ出します。そして、一番多く取った人が勝ちという、まさに「かるた」のルールですね。
なお、説明書の裏には「もっと魚を食べよう」というメッセージとともに、登場する魚介類の“魚魚ばなし”が載っていました。
参加者はサカナ好きの強者たち
参加者は社内イチの魚好きFさんと、サカナに特化した本屋『SAKANA BOOKS』のスタッフイチ魚に詳しいMさん。
他のスタッフにも声をかけたものの、いずれも都合により不参加に。みんなでワイワイと楽しむつもりが、奇しくも弊社における「魚が好き・魚に詳しい人」ツートップによる頂上決戦とも言える対決になってしまったのです。
早速、テーブルにカードの片方(取り札)を広げていきます。
Fさん
ブリは江戸前じゃないよな〜
Mさん
確かに、そうですね。
司会
早速、ツッコミだ……。
本カードゲームの趣旨はですね、おそらく(現代の)江戸前寿司に使用されることがある魚介類を楽しく知りましょうってことなんですよ。
Fさん
うーん、なるほど。寿司ってことですね。あ、これもおかしいな、アラ。
司会
駄目だ、聞いてない、この人たち。いや、確かにアラを「江戸前」は無理があるかもしれないけれど、そういうことじゃないねん。いや大事だけれども、うん。
色々意見はあるけれど……いざ対決!
司会
では、いよいよ1枚目です。
「はまつりで にんきいちばん ひかりもの しろみでたんぱく しょかのあじ」
Mさん
えっ
Fさん
えっ
あれ、意外と難しいのかなと思ったら、読み手の滑舌が悪すぎただけでした。
司会
では、もう一度読みます。
「浜釣で人気一番 光り物 白身で淡白 初夏の味」
Mさん
サヨリ?コノシロ?
Fさん
あ、「浜釣」か!キスだ。
Mさん
あ〜そういうことか。
司会
正解! 文字で見ると簡単ですけど、音だけだと意外と難しいのかもしれないですね。
どんどんいきます。では次。
「海原を 縦横無尽に大回遊 海の恵みのトロの味」
Fさん
マグロ!
司会
これは簡単でしたね。あ、次も簡単かもしれません。
「方々歩いて……」
Mさん
ホウボウ!
司会
正解! まあ分っちゃいますよね。
一応、全部読むと「方々歩いて 餌探し 胸びれ開けばアゲハ蝶 甘い白身のにぎりずし」ですね。
中には判断が難しい札も
司会
お、次はちょっと難しいかもしれません。
「沿岸暮らしは生後三年 深みに移って飽食三昧 大魚になって90センチ」
Fさん
スズキ?
Mさん
アラ?
司会
もう一度、読みますね。
「沿岸暮らしは生後三年 深みに移って飽食三昧 大魚になって90センチ」
Mさん
ムツかな。
司会
正解です。これはなかなかの良問でしたね。
では次にいきます。あれ……これはもう答えそのものだ……。
「イカの女王 アオリイカ 水のよう……」
Fさん
え、イカってこと? これもアオリイカだとちょっとあれですね。
司会
確かに。江戸前ならコウイカ(スミイカ)とかの方がいいかもですね。
では、次。あ、これも答え言っちゃうパターンだ……。
「夏が来て 丸々太った金太郎イワシ……」
Fさん
イワシ!
Mさん
子どもでも楽しめるようにラッキーな札なんですかね。
司会
あ、なるほど! 大人の真剣勝負の意識でいたから、ついその視点が抜けてました。そうだよね、カードゲームだもんね。
では次です。「青柳に劣らぬ朱色 鮮やかに しこしこ弾けて 磯の香り」
Mさん
赤貝かな。
司会
正解! 赤貝って江戸前ですかね?
Fさん
昔は東京湾にもいたんですよ。
司会
そうなんですか。知らなかった……!
その後も、白熱したのかしていないのかよく分からないけれど、なんだか楽しい戦いは続き……。
最後の1枚に。
「魚魚あわせ」対決の結果は……?
結果はFさんが17枚、Mさんが15枚。ということで、Fさんの勝利でした。
Mさん
気になる魚介のチョイスもあるけど、結構いいことも書いてありましたね。
Fさん
子どもと楽しむなら面白いと思います。
【結論】サカナ好きを集めて魚のカードゲーム『魚魚あわせ』をやってみたら、大人でも意外と楽しい。
「魚魚あわせ」は、「魚魚工房」のサイトのほか、今回参戦したMさんも店頭に立つサカナに特化した本屋『SAKANA BOOKS』の店舗およびオンラインストアでも販売しています。
(サカナト編集部)