TSIホールディングスが約2割の本社スタッフ削減と一部の不採算ブランドの撤退を表明
アパレル大手のTSIホールディングス(以下、TSI HD)は9月25日、収益の改善が困難なブランドの撤退と本社人員の削減を実施し、構造改革を進めていくと発表した。また、13あるECサイトと会員サービスをひとつに統合し、新たにMix.Tokyoとしてローンチ、業務オペレーションを共通化することで大幅なコスト削減を実施するとしている。
TSI HDは、2025年2月末を目処に約20%の本社人員を整理する。TSI HDは2021年にも希望退職などの人員削減プログラムにより、グループ全体で351人が退職している。同年には、子会社が運営していた「ハーシェル サプライ(Herschel Supply Co.)」「ファクト(FUCT)」の2ブランドを閉鎖している。
TSI HDは現在、傘下の子会社が「パーリゲイツ(PEARLY GATES)」や「ジル スチュアート(JILL STUART)」を始め、「アンドワンダー(and wander)」「ハフ(HUF)」「マーガレット・ハウエル(MARGARET HOWELL)」など、56ブランドを展開している。
撤退するブランドは未公表だが、TSI HDは成長に向けて投資するブランドをリストアップしており、こうしたブランド以外を「再生見極めブランド」と位置付け、収益改善が可能かどうかを判断していくと見られる。
TSI HDの2025年2月期の第1四半期決算(3月1日〜5月31日)は、売上高は392億9500万円(前年同期比0.2%減)、営業利益は10億1800万円(同44.5%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は5億4600万円(同72.5%減)だった。「ステューシー(Stussy)」や「アンドワンダー(and wander)」「マーガレット・ハウエル(MARGARET HOWELL)」などが好調だった。
また、TSI HDは9月25日に2025年2月期の中間決算の連結業績予想の修正を発表している。売上高は752億円(前回発表は745億円)、営業利益は1億7000万円の赤字(同9億円の赤字)、親会社株主に帰属する中間純利益は9億円の赤字(修正なし)に修正し、営業利益の赤字幅が縮小しそうだ。
なお、通期での連結業績予想に変更はなく、売上高は1600億円(前年比3.0%増)、営業利益は20億円(同13.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は40億円(同17.5%減)としている。