【高校野球】大阪学院大高はセンバツ落選の無念晴らせるか、「打倒2強」へ勝負の夏
昨秋近畿大会ベスト8もセンバツ選考漏れ
第107回全国高校野球選手権大会の地方予選が熱を帯びてきた。大阪大会は5日に開幕。6日には、ともに甲子園出場経験のある近大泉州と上宮が1回戦で激突し、近大泉州が延長10回の熱戦を制した。
昨年春夏連続で甲子園に出場し、今春の大阪大会でも優勝した大阪桐蔭と、昨秋の大阪大会を制した履正社が2強と見られているが、虎視眈々と頂点を狙うのが大阪学院大高だ。
昨春の大阪大会で履正社、大阪桐蔭を破って優勝しながら夏の大阪大会は初戦で同志社香里に敗退。新チームとして臨んだ秋は大阪3位となって近畿大会に出場した。
大阪1位の履正社が滋賀短大付に、大阪2位の大阪桐蔭が滋賀学園にいずれも初戦で敗れる中、大阪学院大高は北稜を下して初戦突破。準々決勝で優勝した東洋大姫路に0-4で敗れた。
近畿のセンバツ出場枠は「6」。例年ベスト8のうち2校が漏れるが、優勝校に敗れた大阪学院大高を有力視する声も少なくなかった。
しかし、今年1月の選考委員会の結果、準々決勝で敗れた4校の中から滋賀学園と滋賀短大付が選ばれ、大阪学院大高は落選。今春センバツは1927年の第4回大会以来、98年ぶりに大阪勢不在となった。
選考結果に異論を挟む余地はないが、結果的にセンバツで滋賀学園は0-3で浦和実に、滋賀短大付は0-15で敦賀気比にいずれも初戦敗退。もし、大阪学院大高が出ていれば…と考えたくもなるだろう。
選手の能力をフルに発揮させる辻盛英一監督
今年の春季大阪大会では5回戦で履正社と延長10回タイブレークの末、3-4で惜敗。選手たちの最後の夏へ懸ける思いは強い。
智弁和歌山から転校した長瀬大来、山本凌青、下條晃大の両右腕、元U-15侍ジャパンの1年生・林将輝ら戦力は充実。昨夏はオリックスに育成1位で入団した今坂幸暉を擁しながら初戦で涙を呑んだが、今年はさらに期待が高まっている。
指揮を執る辻盛英一監督は、大阪市立大で監督を務めながら保険代理店を経営する社長として辣腕を振るい、2023年に大阪学院大高監督に就任した異色の経歴の持ち主。選手たちの自主性を重視した指導で持てる能力をフルに発揮させている。
長らく無敵を誇った大阪桐蔭の実力にやや陰りが見え始め、履正社を長年率いた岡田龍生監督が東洋大姫路に転任したことも、打倒2強への気運が高まる理由のひとつ。夏の大阪を2強以外が制したのは、南北に分かれた第100回記念大会(南大阪代表・近大付)を除くと、2015年の大阪偕星が最後だ。
大阪学院大高の初戦は13日の門真なみはや戦。唯一の甲子園出場となっている1996年センバツ以来の聖地へ、勝負の夏がいよいよ始まる。
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記事:SPAIA編集部