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猛暑から命を守る。品川区、飲み物を届けて見守る熱中症対策

TBSラジオ

品川区が、この夏から始める新しい熱中症対策の取組みを取り上げます。

区内の75歳以上のお宅に飲み物を届けます!

どのような熱中症対策なのか。品川区福祉部長の寺嶋清さんに聞きました。

品川区福祉部長 寺嶋清さん

「高齢者の見守り、安否確認に併せて、熱中症予防の啓発をセットで行う事業と考えています。民間の方に委託はするんですけれども、75歳以上の方のお宅に、熱中症に効く飲み物をお届けして、その際に、部屋の温度が異常に暑くないかなとか、やり取りが不自然じゃないかなとか、状況を確認させていただくといった内容です。

民生委員さんの見守りとか、社会福祉協議会、その他、ケアマネージャーさん等の見守りっていうのは、これずっとやってきてることなので、ここは続くんですけれども、やはり昨今のこの気候ですから、それに加えてやれることはどんどんアイデアを出してやっていく必要はあると思います。

やっぱり見守りの数って増やしていかないと、高齢者の方の人数も増えてますし、逆に、見守りをする側の人にとっても猛暑じゃないですか。だから回数を増やしてくださいとかって簡単に言えるものじゃないし、逆にそういった人たちの負担軽減にもつながると思いますので、そういう意味では施策は多い方が良いと思ってます。」

品川区の75歳以上の人口は4万人弱。そのお宅を一軒一軒訪ねる、というもの。ここまで網羅的に熱中症の見守り活動をするのは全国の自治体でも初と、記事にもありました。ペットボトルの水とスポーツドリンク計12本を2回に分けて届ける予定になっています。

そして、飲み物の配達の際に、部屋の温度はどうか、受け答えはどうか、といったことを、本人の回答に加えて、配達員さんの感覚的な評価もしてもらう。また、水分摂取など熱中症対策がなされているか、のアンケートもあわせてチェックシートに記入し、区に報告する、という形になります。

高齢者の見守りというと、主に民生委員さんが行っているのでは?と思いましたが、民生委員さんの側も高齢化が懸念されていますし、どの世代にとっても、この暑さは尋常じゃない。見守り側の負担の軽減も非常に大切になります。

昨年、熱中症の搬送件数は過去最多。しかも、亡くなる方の大半が75歳以上であることを受け、寺嶋さんは、残念ながらこの猛暑が日本の夏になるなら、行政もそれに対応した施策を打たなければいけない、と話していました。

ありがたい!でも心配もありますね

この、全国初の取り組みについて街のみなさんに話を聞いてみました。

「ありがたいですよね。やっぱり気にかけてもらってるっていうのは、年寄りは嬉しいんじゃないかしら。たぶんね。」

「あんまりあれだね、来てもらっても、特に。迷惑とも思わないけども。人それぞれだけどね、僕は結構ですって感じですね。」

「いいと思いますけど。まあでも、いま怖いから、来る人がちょっと心配だけど、ちゃんとした、分かるような形で来てくれるんなら、お話したりとかも出来るので。」

「様子を見るのにはいいのかなと思いますね。中で倒れてたりもするかもしれないので。でも、係の人だと思って開けたら悪い人が入り込んで来てとか、暑いとこ来られたらお茶でも出してたら襲われちゃってとか、あるかもしれないので、その辺が心配。」

「いいと思うけど、ね、それをまた悪用してっていう人もいるじゃないですか。今なんかほんとにどこを信じていいか分かんないとこがあるから。」

今のこの猛暑に対応すべく、一人でも多く熱中症から守ろうと動いたこの取り組み。ほとんどの方が、ありがたい、助かる、と賛成していました。ですが、同時に、また別の「このご時世」によって、手放しでは喜べないと思ってしまうと話す方がとても多かったんです。

とにかく命が大事!工夫して安否確認をしていきたい

今、怖いですからね。街の方々の心配も分かります。そこで品川区の寺嶋さんに、率直にその点をぶつけてみました。

品川区福祉部長 寺嶋清さん

「こういうご時世なのでね、ドア開けたくないとか、そもそも来てほしくないとか、飲み物なんか要らないっていう人もそりゃゼロかと言われれば、それはないと思いますけれども、ただ何かあってからでは遅いので、もちろんどうしても不安であればインターフォン越しの対応でも構いませんので、しっかりお元気でいらっしゃるっていうことが確認できれば、こちらの目的は達成できてるかなと思います。

それから飲み物に関しては、やはり、いざというときに無いと、もう対応のしようがないじゃないですか。これがやっぱり合計24本とはいえ、家にあるということで何かあったときに緊急対応にはなるだろうなと思います。

全国初というお話もありましたけれども、やはりそういうネガティブ要素を考えると、なかなかこう踏み切れないっていう所はあるんだろうなと思います。我々も決して、絶対安心だと思ってるわけじゃなくて、これからいわゆる安全確認、身分証明とか、どういうやり方が一番ご理解いただけるのかなってとこは、考え続けなきゃいけないんだろうなと思いますけれども、ただ、やはり命が一番大事ですから、ここはもう何としてもご理解いただいた上で進めていく必要はあると考えてます。早く発見できれば早く対応が出来るものも、それが無いことによって残念な結果になるということも、もちろんありますから、そこは何としても守りたいですね。」

区議会臨時会の補正予算案に盛り込まれたので、今年は7月下旬以降の配送になる予定。安心して見守り活動を受け入れてもらえるよう、ギリギリまでやり方を検討します、と。

「区役所から来ました」と聞いても疑わなければならないというのは、本当に嫌なご時世だなと改めて実感してしまいましたが、暑さからも、犯罪からも、命を守るために、工夫をしてがんばってほしいですね。

(TBSラジオ『森本毅郎スタンバイ』より抜粋)

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