ピーマンは味噌汁に合わない?野菜ソムリエが検証&解決!
ピーマンは味噌汁「合わない」は本当?野菜ソムリエが検証!
「味噌汁にピーマンは合わない」という声をよく聞きますが、本当にそうなのでしょうか。この記事では、野菜ソムリエがピーマンの味噌汁を作って実食レビューし、合わないと言われる理由について徹底検証します。
そのうえで、ピーマンの味噌汁はどのように作ればおいしくなるか、プロならではのコツを盛り込んだ作り方を3つ提案。実際に食べてみて、問題点が解消できているか、おいしくなったかも詳しくレポートします!
この記事のまとめ
普通に味噌汁に入れると、合わないという感じるひとが多そう。
おいしく味噌汁に入れるなら、細切りにしてごま油で炒めれから「後のせ」がおすすめ!
結論!ピーマンでも工夫次第でおいしい味噌汁は作れる
ピーマン味噌汁の実食レポート
まずはシンプルに、「ピーマンを縦に切ってヘタと種を除き縦に6等分に切り、だしで煮て味噌を溶く」という方法で作りました。分量は以下の通りです。
ピーマンはクタッとしていてあまり食感はなく、汁にもピーマンの風味が染み出ていました。最近のピーマンは苦味が軽減されていることもあり、特有の青臭さや苦さはあまり感じられません。ただ、ピーマン自体の身が薄いため、食感はなく存在感がありませんでした。
野菜好きな我が家ですが、「これ、わざわざ作って食べなくてもいいかも」という感想が多数。具材のピーマンも汁も物足りなく感じました。
分量▼
・ピーマン……1個
・だし汁…300cc
・味噌……大さじ2/3杯
ピーマン味噌汁が「合わない」と言われる3つの仮説
実際にピーマンの味噌汁を食べてみて、どうして合わないと言われるのか、イマイチと感じるのか、仮説を立ててみました。仮説は「食感がない」「においが気になる」「満足感がない」の3つ。
ピーマンを食べやすいサイズに切って煮ると、あっという間に火が通り歯ごたえがなくなってしまいます。くにゃっとした食感のピーマンは物足りなく感じがち。そしてどうしても特有のにおいが汁に染み出てしまうため、なんとなく青っぽいピーマン臭が残ります。
さらに身が薄いピーマンは、具材としてあまり役割を果たしてなく、満足感を感じられません。これらの理由から、わざわざピーマンの味噌汁じゃなくても……という印象になるのかもしれませんね。
ピーマン味噌汁をおいしく作る改善策1「切り方を変えて炒めて煮る」
「食感がない」という点を改善するために、ピーマンを乱切りにして作ってみました。あらかじめサラダ油でサッと炒めてだしで煮て作ります。これにより、ピーマンの食感を残すことができ、青っぽさが和らぐのではないでしょうか。以下、ベースとなる味噌汁の材料、分量はすべて同じで作ります。
1. ピーマンは縦に切って乱切りにする
2. 鍋に油をひいてピーマンをサッと炒め、油が回ったらだしで軽く煮る
3. 火を止めて味噌を溶き入れて完成
ピーマン味噌汁をおいしく作る改善策2「ごま油で炒めて後のせ」
「においが気になる」という点を改善するために、ピーマンをごま油で炒めます。食感も残すために煮込まず、細切りにして後のせしてみました。これにより、ピーマン特有のにおいが気にならなくなり、シャキシャキとした歯ごたえを楽しむことができます。
1. ピーマンは縦に切って細切りにする
2. フライパンにごま油をひいてピーマンをサッと炒める
3. 味噌汁に後のせして完成
ピーマン味噌汁をおいしく作る改善策3「まるごと焼いてサッと煮る」
「満足感がない」という点を改善するために、ピーマンをまるごと使います。まるごとじっくり焼くことで、ピーマンの甘味を引き出すことができ食べごたえもアップ。切らないので、ピーマン特有のにおいが汁に染み出るのも和らぐと思います。見た目もインパクトがあり物足りなさを軽減できますよ。
1. 鍋にごま油をひいてピーマンをじっくり焼き、焼き色を付ける
2. だしを入れて煮立て、火を止めて味噌を溶き入れて完成
【家族で実食】ピーマン味噌汁はおいしくなった?
改善策1「切り方を変えて炒めて煮る」→物足りなさが残り微妙
ピーマンは乱切りにすると、食感が残っていて食べごたえがありました。サラダ油で炒めたおかげできれいな緑色で見栄えがよく、「縦切りよりも断然存在感がある!」と好評。
ただピーマンのにおいは全体的に残っていて、サラダ油ではあまり効果はないかもしれません。一緒に油揚げやベーコンなど炒めて煮て旨味を足したり、しめじやかぼちゃ、豆腐などピーマンとは違う食感のものを合わせたりするとよさそうです。
改善策2「ごま油で炒めて後のせ」→文句なしでおいしい!
シャキシャキッとしたピーマンの食感が楽しく、全体にごま油の香りが広がり「うまい!」と全員が大絶賛。ごま油のおかげでピーマン臭はほとんど感じられず、ペロリと完食しました。
細切りのピーマンをサッと炒めたことで、歯ごたえが残り食べごたえもありましたよ。一緒に細切りのにんじんやえのきだけを炒めて後のせすると彩りがよくなります。香りのあるニラも合いそうです。
改善策3「まるごと焼いてサッと煮る」→意外と普通
まるごと焼いて煮たものは、なんと言っても迫力のある見た目がポイント。食べる前から「これはおいしいはず」と人気でした。実際に食べてみると、ピーマンの甘味とおつゆがジュワッと染み出て、肉厚でボリューム満点。
ピーマンを香ばしく焼いているのとごま油の効果で、苦手な青っぽさはなくなっていました。種やわたの違和感も感じませんでしたよ。ただ「まるごとは大きいから食べ飽きる」という声も。一緒に長ねぎやしいたけを香ばしく焼いて合わせたり、卵を落としたりすると飽きずに食べられそうです。
結論!ピーマンの味噌汁はごま油で炒めるのがコツ
ピーマンの味噌汁の弱点は、やはり物足りなさ。肉が薄いことで味気なく感じてしまうのかもしれません。ごま油で炒めることでコクが増し、ピーマン特有の青っぽさやにおいも解消することができます。仕上げに回しかけてもよいのですが、ピーマンは油と相性がよい点から、やはり炒めたり焼いたりするのが良さそうです!工夫すれば格段においしくなるのでぜひ作ってみてくださいね。
※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。
※本記事は個人の感想に基づいたもので、感じ方には個人差があります。
ライター:稲吉永恵(野菜ソムリエ / ローフードマイスター / オーガニックコンシェルジュ)