産卵期接岸のカサゴを狙った穴釣りで怪物級24cm含む良型7匹手中【三重・箕田テトラ帯】
あでやかな錦秋の時期も過ぎ、いよいよ冬目前の11月25日。三重県鈴鹿市の箕田テトラ帯にカサゴを求めて釣行した。当日は長潮で透明度が高いタフなコンディション。しかし、カウンターリールを駆使して水深を正確に把握し、テトラの最深部を攻略。結果、最大24cmを含む良型カサゴ7匹をキャッチした。
テトラ帯の穴釣り
当日の潮汐は長潮。海は海底が見えるほど澄んでいる。穴釣りの場合、干潮時になるとテトラの隙間が水面に露出して狙いやすくなるので、午前7時に釣りを開始した。
カサゴは基本、夜間にエサを求めて行動する。一方、日中の明るい時間は巣穴の奥でじっと身を隠す。そのため、海水がクリアな状態では警戒心が高くなり難易度は格段に上がる。
そこで役に立つのがカウンターリールだ。10cm単位で水深を把握することで複雑な海底を正確に捉え、仕掛けをカサゴが潜む最深部まで届けることができる。常にカウンターで水深を確認しながら各テトラの隙間を1つずつ探った。
ブラクリは重めの5号
テトラ帯の足元は空洞が多く外海から内海に抜けているため、穴の中でも海流が発生しており根掛かりの原因となる。
ブラクリの号数は5号以上を使用すると位置が安定して使いやすい。ただ、8号を使用するとシルエットが大きくなり根掛かりのリスクが高くなるのでバランスが重要だ。
仕掛けを投入して着底したらサオ先を移動させながら深みを探る。目安の水深は3.5m。経験上、これより深い穴はカサゴが潜む確率が高い。
24cmのデカサゴをキャッチ
カウンターを確認すると4.2m。絶好のポイントだ。誘いを入れるとブラクリが薄暗い穴の中で踊る。するとものすさまじくサオ先をたたくアタリがある。カサゴだ。
エサをくわえるとサオ先がゆっくり沈み込む。この瞬間にサオを一気に持ち上げてヒット。ただ、なかなか持ち上がってこない。横穴に潜られたようだ。
カサゴはエラを膨らませじっと身を隠す。この場合、カサゴが穴から飛び出すように誘導する必要がある。ラインが若干張る程度の位置でサオを固定してじっと待つ。
するとカサゴが嫌がって暴れ始め穴から飛び出した。途端に電光石火でリールを巻き上げる。海面には茶褐色の幅ったい魚影が浮かんだ。
釣れたのは24cmの超デカサゴ。シーズンの最大サイズに匹敵する良型個体だ。エラとヒレを張り上げ威嚇するさまは怪獣そのもの。根に潜られたがラインを張ってプレッシャーをかけることでキャッチできた。
エサを変えながら数を伸ばす
その後もエサをローテーションしながら釣果を重ねる。アオイソメ、イカの短冊、サバの切り身と試したが、一番良かったのがイカの短冊。魚の反応も上々でフッキング率が高かった。
また、産卵のために接岸した真っ赤なカサゴもキャッチ。腹の中には未熟な卵を抱えていたので最盛期は近い。シーズンの開幕を感じる釣行となった。
最終釣果
水清ければ魚棲(す)まず。今回はクリアウオーターでタフなコンディションだった。カサゴの警戒心が上がり穴の最深部だけでヒットする状況だったが、カウンターリールで水深を正確に把握することで隙間の形状を把握して奥に潜むカサゴを攻略。20cm以上の良型を7匹キャッチできた。
これから産卵シーズンで接岸するカサゴは最盛期を迎える。夜間は活発に動き回るので釣果も伸びやすい。ぜひこの機会に箕田テトラ帯のデカサゴ、求めてみては。
<週刊つりニュース中部版APC・波瀬金鉤/TSURINEWS編>
この記事は『週刊つりニュース中部版』2024年12月13日号に掲載された記事を再編集したものになります。