ゴディバが饅頭……だと…? 国立劇場とゴディバと日本最強の饅頭屋による「蒸し饅頭 ショコラ」を食べてみた
ゴディバと言えば、もはや説明不要なベルギーのチョコブランドだ。お高い良いチョコという感じだが、四六時中コンビニ等とコラボしているので、庶民的にも身近だろう。
先ほど私はゴディバの横を通りがかったのだが、そこで非常に意外性の高いものを見つけてしまった。まさかの饅頭である。西欧のチョコ屋が饅頭ってマジかよ……! さすがに気になるので試してみることに。
・国立劇場
その商品、「蒸し饅頭 ショコラ」は4個入りで1620円。プレスリリースを見たところ、国立劇場とのコラボ商品らしく、2025年5月22日から数量限定で販売されているものだそう。
なるほど。さすがにいきなりゴディバが単独で饅頭を出すというような、異種業界へのカチコミムーヴではなかったか。
国立劇場と言えば歌舞伎など伝統芸能が主に公演されていた施設だが、真横は皇居と最高裁判所で、用事が無ければ外観すら見ることも無い立地。
23年末から建て替え工事に入り、入札が上手くいかないなどのニュースを聞いたきりで、私もその後は終ぞ名前すら見なかったが……まさかゴディバでまみえるとはな。
この饅頭はゴディバに関連する一部のショップでのみ扱われているもよう。見た感じ、都市部の大きな百貨店等に入居している店舗では扱われているようだが、例えば私の家の近くの埼玉の店舗では取り扱いが無かった。取り扱い店舗の一覧は、公式HPで見ることができる。
ということで、買って来たのがこちら。
こちら国立劇場コラボと言ったが、饅頭部分は和菓子の老舗、塩瀬総本家が関わっているもよう。つまり、ゴディバと国立劇場と塩瀬総本家のコラボってことだろうか。
ちなみに塩瀬総本家は饅頭界隈で「日本三大饅頭」的な感じでピックアップされがちな、東京の「志ほせ饅頭」の業者だ。
令和では三大饅頭の一角ゆえ、日本最強と断定したら波風が立ちそうだが、公式HPによると足利義政から直筆の「日本第一番本饅頭所林氏塩瀬」の看板を貰ったそうなので、日本最強の座に至った経歴を持つ饅頭なのは間違いないだろう。
日本語ではレンチンして食べるよう書かれている。英語の説明ではレンチンの他、詳しくはQRコードをスキャンするようにとも書かれている。
開けるとこんな感じ。
ははあ、国立劇場成分はこの梅王丸か。外国人にウケそう。
よくある感じの関連各社について紹介する説明書きと
けっこう手順の多い温め方。ただレンチンするのではなく、二重になったトレーの下に水を入れて色々やるらしい。さすがはベルギーと日本の大御所コラボ饅頭だ。ベストな状態で食わせるための工夫が凄まじい。
そして、肝心の饅頭とご対面! これは……ビジュアルは完全に「志ほせ饅頭」だな。表面の文字がGODIVAになっている所がレア度ある。
断面はこんな感じ。ここがゴディバ成分だ。チョコ餡がみっちり詰まっている!
こいつを、インストラクションに沿って蒸したのがこちら。パッと見てわかるほどの変化はないが、蒸されてちょっとふっくらしたかもしれない。触れると明らかに柔らかくなっている。
食べると……なるほど。これは、何とも興味深い味わいだ……!
皮は大和芋由来のシャリフワッとした感じ。中にあるのは、チョコとも餡子ともつかぬ、まさにチョコレート餡。味は、どことなくチョコ羊羹に似ている。
美味さで言えば普通にゴディバのチョコには美味いものが多く、志ほせ饅頭も美味いため、このコラボ饅頭がそれぞれの既存の商品を出し抜くほどに美味いということは無い。
しかし、上手いこと両方の遺伝子が明確に反映された日欧ハーフ饅頭みたいな感じに仕上がっており、面白さという点では抜きんでるものがあるだろう。贈り物とかに良さそう。話のネタにもなりそうだし。
参考リンク:ゴディバ、塩瀬総本家
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.