「藤枝MYFCには恩がある」GK六反勇治がオーバートレーニング症候群を乗り越えて復活できたのは…
SBSラジオの静岡サッカー熱血応援番組「ヒデとキトーのFooTALK!」のスペシャルコーナー「魅せろ HIGH ENERGY! MYFC!」に、藤枝MYFC背番号1番ゴールキーパーの六反勇治選手をお招きしました。聞き手はパーソナリティのペナルティ・ヒデさんと鬼頭里枝さん(2025年3月11日放送)
ヒデ:私、年末に六反選手と会うことが多いんですよ。また身長伸びた?
六反:そうですね。やっぱり静岡には美味しいものが多いんで、すごい栄養が端から端まで上ってくる感じがするんです。
鬼頭:なんでも拾ってくれる。
ヒデ:全部拾う。自分でも決めるし。
静岡に来て蕎麦好きに
鬼頭:プロフィールを簡単に紹介します。六反選手は鹿児島県出身、1987年生まれで現在37歳。2006年にアビスパ福岡に加入。その後、清水エスパルスなど5クラブを渡り歩きました。横浜F・マリノス、ベガルタ仙台、清水エスパルス、横浜FC、そして期限付き移籍でFC琉球です。今季、完全移籍で藤枝MYFCに加入しました。
ヒデ:藤枝にはどういう印象があるんですか?
六反:焼津もすごい魚が美味しいですし、藤枝にも美味しい蕎麦屋さんもあります。
ヒデ:静岡のご飯の美味しさは励みというか楽しみにもなりますよね。
鬼頭:お蕎麦好きなんですか?
六反:静岡に来て、水が綺麗で蕎麦が美味しいっていうので蕎麦が好きになりました。
ヒデ:それは嬉しいですね。
六反:今回もまた静岡に来られて、違うエリアになったから美味しい蕎麦屋ないかなって探しています。
「藤枝MYFCには恩がある。断る理由なかった」
鬼頭:2019年の清水時代にオーバートレーニング症候群があって、当時、その期間に藤枝MYFCでトレーニングを行っていたということです。このときからご縁はあったんですよね?
六反:そうですね。契約期間内に違うチームに練習参加させてもらえるってことが本当はないです。
ヒデ:人柄もあるし、藤枝MYFCの素晴らしさですよね。
六反:受け入れてもらえたのもそうですし、エスパルスの担当の方が一生懸命探してくれたということもあります。
ヒデ:そこに行くことによってちょっと違う空気を味わって、徐々に徐々にって感じだったんですか?
六反:そうですね。MYFCに行く前はサッカーやめようかなって本当に思っていました。2ヶ月半ぐらいMYFCに行って、練習試合とか試合観戦も一緒にやらせてもらいました。次の年に横浜FCに行っちゃったんですけど、サッカー続けようっていう気持ちになれた場所って感じですかね。
ヒデ:ご家族もいらっしゃるじゃないですか。相当な決断になるとは思うんですよ。その先のこともちゃんと考えてのことではなかったんですか?
六反:ではないですね。純粋に今やめたいなっていう気持ちが強かったです。
鬼頭:当時はまだ20代後半ぐらいですもんね。
六反:今思えばやめなくてよかったなとは思いますけど。
鬼頭:5年ぶりに藤枝に戻ってくるご縁があったんですね。
六反:最初にオファーをもらった時に、行くってすぐ代理人に伝えました。チームを選んで行けるような年齢でもないですし、話をもらったらすぐ行こうと決めてました。藤枝MYFCというチームだったので断る理由もなかったですし、すぐに自分の中では決断できました。
超地元の霧島でキャンプ
ヒデ:キャンプは地元鹿児島の霧島でしたね。勝手知ったる場所ですし、水もまさに合うというか。
六反:エスパルスで鹿児島市内には行かせていただいてるんですけど、藤枝MYFCがやってるとこは僕が中学校通ってた学区内の場所なんで、本当にド地元ですね。
ヒデ:当時好きだった子の家とか…?
六反:中学校の時に同じクラスの子が、泊まったホテルで働いてたりとかする感じの近さです。
ヒデ:霧島のスーパースターですよ。
鬼頭:今回はご親族も見に来られたりしたんですか?
六反:そうですね。親がすごく喜んでいました。去年が沖縄だったんで、あんまり来れなくて。
ヒデ:ヤット(遠藤保仁)の実家行ったけど、超ド田舎だった。でも星が綺麗だったよ~。
鬼頭:桜島に行ったんですね。桜島と霧島のどちらがもっと田舎なんでしょう?
六反:桜島の方がめっちゃ田舎っすよ!
キャンプ中に幼稚園の先生と再会
ヒデ:サッカー始めた頃のフレッシュな気持ちでキャンプに入れたんですかね?
六反:そうですね。幼稚園の時にサッカーを教えてくれた先生が見に来てくれました。
鬼頭:え~、ドラマみたい。
六反:あんまり変わってなかったんですけど、久しぶりに会えました。あそこでやれた一つのメリットだったかなと思います。
ヒデ:すてきだね。失礼だけど、幼稚園の時はまさかプロになるとは絶対思ってないですよね。
高校からキーパーに。きっかけは?
六反:僕、鹿児島でキーパー多分やったことないです。高校からキーパーを始めたんですよ。
ヒデ:え!途中でコンバートされたの?
六反:そうです。
ヒデ:それまでのポジションは?
六反:フィールドやってました。
ヒデ:足元上手いわけだ。
六反:キーパーになったきっかけは?
六反:きっかけは親です。親が教師で、僕も大学に行って教員になる予定でした。幼稚園からフォワードやったり、小学校4年生でディフェンスやったりしてきたけれど、どうせ教員になるんだったら、全部のポジションをやった方がいいんじゃないかと言われました。そこで、身長が高いからキーパーをやってみようと思って、高校を選びました。
ヒデ:それにしても急だよ。キーパーからしたら、キーパーなめてんのか?って感じですよ。キーパーは気持ち的にも技術的にもスっと入れたんですか?
六反:熊本国府高校に進学したんですけど、その高校を選んだ理由はゴールキーパーコーチがいたからです。鹿児島実業と鹿児島城西も、当時はゴールキーパーコーチがいなかったんですよ。
ヒデ:鹿実でもいない?
六反:今はいますけど、その時はいなかったんです。初心者が初心者のままやってくとちょっと大変じゃないすか。なんで、キーパーコーチがいるところに行きました。
ヒデ:プロになるわけだから、そこでみるみる頭角を現したんですよね。俺行けるぞっていうタイミング、瞬間ってありました?
六反:いや、なかったですね。県大会も優勝したことなかったし。
鬼頭:どこで目立って拾われたって感覚なんですか?
六反:運ですかね…。同い年にはエスパルスに高卒で入った武田洋平(現・名古屋グランパス)がいて、彼が国体とかでも試合に出て、僕がサブでした。
ヒデ:国体に入ってたけども、2番手だったんですね。
六反:もう洋平が抜群にうまかったっす。
鬼頭:高校から始めて2、3年で国体ってすごいですよね。
ヒデ:お父さんがキーパーやってみれば?って言ったからよかったですよ。これ、芸人やってみれば?って言ってたら、今俺のポジションにいるかもしれないよ。
鬼頭:ロクさん、素質ありますもんね。
六反:ヒデさん級になれるんだったら、芸人になって大正解じゃないすか(笑)
ヒデ:なんでもなれる人。R-1は決勝までいけると思うんだよね。
六反:ピンなんですね(笑)
鬼頭:何でもこなせちゃう。ロクさんのイメージって真面目で、読書家。多分ご両親の影響もあると思うんですけど、1本芯が通ってらっしゃる感じがします。
ヒデ:フィールドプレーヤーだったら、Jリーガーにはなってなかったかもしんないっすね?
六反:なってないですね~。
鬼頭:これはサッカーを頑張ってる子たち、試合に出られない子が勇気もらえますね。もしかしてポジションや組み方を変えてみたら、ものすごくいいものを出せるかもしれないですよね。
「監督の熱さがすごい」
ヒデ:質問が来ています。「藤枝MYFCはどんなチームと感じていますか?特に仲が良い選手や面白い選手を教えてください」
六反:年代にとらわれず、みんな仲がいいなって思いますね。
ヒデ:それは戦術にも繋がりますもんね。
六反:それが一体感っていうのにも繋がってると思います。
ヒデ:監督は?
六反:須藤大輔監督、言葉のチョイスだったりとか熱さだったりがすごいですね。監督と若い選手ってなると、結構年齢差もあるじゃないか。監督には無邪気な部分もあって。
ヒデ:須藤監督がこのスタジオ入ってくると、空気清浄機が反応するのよ。熱いやつ来た!って。ベテランのロクさんから見ても、すごいですか?
六反:その部分は他の監督と比べても秀でているものがあるのかなと思います。
ヒデ:このキャリアで新しいものを吸収できるっていうのは嬉しいですね。
六反:嬉しいですね。今4試合観てみて、もっとやれるんじゃないかなっていうのはすごく感じますね。結果うんぬんじゃなくて、今年のスローガンは「超・超・超攻撃的」で、今はまだ攻撃的かなっていう感じです。監督が掲げる超・超・超攻撃的にするには、もう少し選手が勇気を持ってガンガンいかないといけないんじゃないかな。
最後にこじ開けた甲府戦
鬼頭:3月9日は、アウェーでヴァンフォーレ甲府と対戦して、大卒ルーキーの中村涼選手がプロ初ゴール。すごかったですよね。
ヒデ:劇的だよ。アディショナルタイムだもんね。気持ちが入る叩きつけるようなヘディングシュートでした。チームの風向きって変わってきた感じですか?
六反:そうですね。最初の2試合は停滞してる感じがあったんですけど、3試合目、4試合目と点が取れて、少しずつ硬さも取れてきました。僕が練習参加させてもらった時に比べると、すごくスタジアムの雰囲気とかサポーターの雰囲気もここ最近すごく伸びてるチームだと思うので、そこはすごく大きいんじゃないかなって思います。
選手は選手だけで気持ちを作ってやんないといけないんですけど、サポーターの声だったり雰囲気だったりっていうのはすごく伝わります。特に若い選手が多い藤枝MYFCでは、ものすごく大きな力になるんじゃないかなと思いますね。
杉田選手にいじられる(笑)
ヒデ:特に一緒に過ごしてる選手は?
六反:いじられるのはマサ(杉田真彦)なんですけど。
鬼頭:元キャプテン杉さんですか?
六反:そうそう。キャプテンを降格…させられた(笑)
鬼頭:わざと言ってる~!あんなに真面目なキャプテンいないんだから(笑)
六反:僕は練習参加した時、ノブ(川島將)とかとは家族でも一緒にいたりとかしました。一応2人ともベテランの部類に入るんで。
ヒデ:いいですね~。
「自分を信じれるかが大事」
ヒデ:長くプロをやっていく選手とそうじゃない選手の違いっていうのは何なんですかね?
六反:自分を信じれるかが大事かなって思います。特にプロになった選手は大体うまくて今まで必ず試合に出てた人じゃないですか。プロになって11人しか出れないってなった時に、「俺、何もできないな」って思う選手が多分結構多いんです。
鬼頭:年齢ももっといろんな人がいますしね。
六反:そうですね。だから、僕はそれが一番大事なんじゃないかなと思います。自分がどこまでいけるって信じられるか。藤枝MYFCで今年10点取りたいなのか、J1に連れて行きたいなのか、日本代表に入りたいなのか、海外行きたいなのかっていう自分の基準を持ってやってれば、必ずそこに向かって努力できる。それが大事かなと思いますね。
鬼頭:ロクさんもきっとご自身の夢の途中ですからね。
ヒデ:リスナーの皆さん、そしてサポーターの皆さんに熱いメッセージをお願いいたします。
六反:藤枝MYFCは自分たちも強くなりたいと思ってますし、その中でサポーターの力、藤枝総合の雰囲気っていうのがものすごく良くなってきてると思うので、それを選手とサポーターと一緒に、さらにいいものにしていけるようにみんなで頑張っていきましょう。