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【わざわざ行きたい北九州の名店】和洋のジャンルを軽々と超える独創的な料理を黒崎で

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裕の輪_メイン

「ミシュランガイド」といえば、言わずと知れた国際的に権威のあるレストランガイドとして知られているが、その表現にはやや分かりにくいところもある。たとえば、業種のカテゴリーにおける"フュージョン"がそうで、直近の「ミシュランガイド福岡・佐賀・長崎2019」では、福岡県で3軒だけ。その一つがミシュランプレートに選ばれた、北九州市八幡西区の黒崎にある「裕の輪」だ。ミシュランが認定する”フュージョン”(融合)とはどんな料理なのか、明らかにしたいと思う。

店はJR黒崎駅前から伸びるアーケードの外れにあり、人通りもまばらな場所。決して恵まれた立地とはいえないが、わざわざ訪れる客が絶えないのは、その実力を示しているといえるだろう。
料理は「おまかせコース」(6,050円〜)3種類のみで、今回は7,700円のコースを注文。店を切り盛りするのはオーナーシェフ・髙橋裕輔さん夫妻で、カウンターで生ビールを飲みつつ一品目を待つことにした。

ガラスの器に盛られきたのは一見すると刺身の盛り合わせだが、彩りの豊かさにただのお造りではないことが分かる。マダイ、地ダコ、ヤリイカ、タチウオ、クリガニ、ホウボウ、キンメダイといった鮮魚に、それぞれ異なるソースや薬味を合わせているのである。それもマダイにはサワークリームと梅肉、タコにはフェンネル、カニには摺り下ろしたキュウリなど、素材同士の組み合わせが絶妙で、旬の味を楽しむ冷前菜としては白眉の出来映えだ。
聞くと、魚は週に何日か福岡の長浜市場まで足を運んで熟成させ、野菜は若松や岡垣など近隣の生産者から買い求めるという。仕入れや仕込みに手間ひまかけるのを惜しまない姿勢が、料理の完成度を高めている。

二品目は天然鯛のソテーに、今が旬の若松産スイートコーンの組み合わせ。食材の持ち味を、赤ナスのソースとたっぷりと振りかけられたパルミジャーノ・レッジャーノが引き立て、よく冷えた自然派の白ワインとの相性も抜群だ。

肉料理はA5ランクの鹿児島産黒毛和牛の赤身を、低温でじっくり火を通したローストビーフ。それに甘味の強いジャガイモ・デストロイヤーとズッキーニーを合わせるなど、舌から伝わってくる情報量の多さに頭が追いつかない...が、こんな時には美味しい赤ワインをグビッと飲めば、たいていは解決する。要するに、旨けりゃなんでもありなのだ!

続いて蓋付きの球形の器で出てきたのは、桜海老とイカ、フレッシュな若松トマトを、鰹節と昆布、ハマグリをベースにしたソースで和えたパスタ。これがまた独創的で、ここまでくるともう洋風とか和風とかいう概念はなくなり、現代料理における"フュージョン"(融合)という意味も理解できる。
それにしても料理はほぼ独学という髙橋さんのセンスには脱帽するばかりで、まだまだ大きな伸び代があることに期待したい。

裕の輪
北九州市八幡西区熊手1-3-21
093-776-7682

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