【北海道の絶景写真11枚】雄大な山々のふもと…キタキツネの物語と、人の営みを感じて/日高山脈襟裳十勝国立公園
数多くの「絶景」を持つ北海道。
観光情報にはなかなか載っていない、「日常の絶景」も多くあります。
今回は、2024年6月に国立公園として指定された「日高山脈襟裳十勝国立公園」周辺の風景を、HBC帯広放送局のカメラマン・大内孝哉さんが撮影した写真でお届けします。
連載「テレビカメラマンがとらえた“一瞬”の北海道」
日高山脈がある風景
北海道で日高山脈をじっくりと見たことはありますでしょうか?
十勝、日高にお住まいの方ならお馴染みの光景だと思いますが、札幌出身の私は帯広に転勤するまで、しっかりと日高山脈を見たことがありませんでした。
札幌に住んでいるときは西区に行くと手稲山、南区は藻岩山があったり定山渓のほうに行けば八剣山があったり、身近に山はあり、登山などもしました。ですが日高山脈は、雄大さが今まで見てきた山とは違う…そんな印象を最初に持ったのを覚えています。なんせ十勝から日高方面へまたいで、ずらりと連なってる山々なのですから。
・撮影日:2025年1月
・場所:更別村
・シャッター速度 1/100
・絞り f/8.0
・ISO 320
・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom
日高山脈は、北海道中央南部を南北約150キロに渡っている山脈です。
帯広市在住の僕は、西の方角が晴れていると日高山脈を見ることができます。
引っ越してきたばかりのときは、広い十勝平野の移動中、自分がどの方角に向かって車を走らせているのかが分からなかったことがあったのですが、日高山脈の位置を理解してから、なんとなくの方角が分かるようになりました。
・撮影日:2024年12月
・場所:芽室町
・シャッター速度 1/100
・絞り f/10
・ISO 320
・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom
・撮影日:2024年12月
・場所:芽室町
・シャッター速度 1/100
・絞り f/10
・ISO 320
・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom
2024年6月25日。僕も取材に行きましたが、日高山脈は晴れて、国定公園から国立公園となり、「日高山脈十勝襟裳国立公園」が誕生しました。
陸域は24万5668ヘクタールと、陸域面積が日本最大の国立公園です。
北海道ってすごいですよね。国立公園が7つもあるのですから。雄大な自然が多い証でもありますね。
十勝、日高に住む方は、晴れていれば、毎日国立公園が見られる。
カメラマンにとってはなんとも贅沢な日常です。
出かければ撮影意欲が湧くのも、日高山脈があるからこそだと感じています。
・撮影日:2024年12月
・場所:芽室町
・シャッター速度 1/100
・絞り f/10
・ISO 1000
・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom
日高山脈襟裳十勝国立公園が誕生したおかげで、十勝管内は三つの国立公園に囲まれています。
・日高山脈襟裳国立公園
・阿寒摩周国立公園
・大雪山国立公園
こんな地域なかなかないですよね。
本当にとても特別な景色が見える場所に住んでいるのだと感じます。
・撮影日:2024年12月
・場所:芽室町
・シャッター速度 1/100
・絞り f/5.6
・ISO 160
・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom
・撮影日:2024年12月
・場所:芽室町
・シャッター速度 1/100
・絞り f/10
・ISO 1250
・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom
日高山脈がきれいに見えていれば、画角に入れたくなる。いや、必ず画角に入れてやろう。
そんなことを思いながらいつも撮影をしています。
日高山脈が見えているか、見えていないかで景色の見え方は全然違います。
十勝平野を撮影していると、広大な畑、まっすぐな道、そして日高山脈…カメラを向けている方向には美しい被写体ばかりです。そのふもとには、野生動物も多くいます。
・撮影日:2024年12月
・場所:大樹町
・シャッター速度 1/2000
・絞り f/7.1
・ISO 400
・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom
この写真は自分の中でもお気に入りの一枚です。
物語を感じませんか?
奥にいる1匹のキタキツネに向かって、走って追いかけるもう1匹。
雄大な日高山脈を背景にして、この先、この2匹はどこに行くのだろう。
そんなことを考えながら撮影していました。
・撮影日:2024年3月
・場所:大樹町
・シャッター速度 1/250
・絞り f/5.6
・ISO 100
・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom
渡り鳥「オオハクチョウ」です。毎年10月くらいから十勝管内に飛来し、越冬して春先まで過ごします。
・撮影日:2024年4月
・場所:大樹町
・シャッター速度 1/100
・絞り f/10
・ISO 100
・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom
オオハクチョウは、十勝のさまざまな地域で見ることができます。これらの写真は3月、4月に撮影しました。残雪残る日高山脈のコントラストある風景と、渡り鳥の観測ができるこの時期が、とても画になります。
・撮影日:2024年4月
・場所:帯広市
・シャッター速度 1/100
・絞り f/6.3
・ISO 3200
・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom
日高山脈の最高峰は幌尻岳から始まり、標高1900メートル以上の山々が多く連なっています。
広大で原始的な自然が多く存在している場所です。
「北海道の背骨」なんて呼ばれています。
帯広で一年生活してみて、春夏秋冬の日高山脈を見てきましたが、季節ごとに見える景色が全然違ってきます。
今回、僕が皆さんにお伝えしている風景は、十勝平野から見えるほんの一部の外側の景色です。
山を登れば、昔から続くもっともっと雄大な自然があり、動物がいて、見たこともない絶景がきっとあるのだと思います。
十勝平野と日高山脈、そしてその場所で仕事を営み、生活をしている人もいる。
美しいだけではなく、厳しい自然環境もあるはずです。
でもどこか憧れてしまう。それほど美しく感じるときがある。
十勝、日高方面に行くことがあればぜひ!日高山脈を見て、四季折々の雄大な自然風景を感じてほしいなと思います。
連載「テレビカメラマンがとらえた“一瞬”の北海道」
撮影・文:HBC帯広放送局 大内孝哉
2015年からテレビカメラマンとして、主にニュースやドキュメンタリーを撮影。担当作品に映画/ドキュメンタリー「ヤジと民主主義」や、ドキュメンタリー「核と民主主義」「ベトナムのカミさん〜共生社会の行方〜」「101歳のことば ~生活図画事件 最後の生き証人~」「クマと民主主義」など。
2023年10月から帯広支局に異動。インスタグラム@takayasunset0921では、プライベートで撮影した北海道の写真を公開中。
編集:Sitakke編集部IKU
※野生動物は望遠レンズを使い、距離をとって撮影
※掲載の内容は記事執筆時(2025年1月)の情報に基づきます