「値上げできない宿」も値上げ 名張のホテルAZが看板付け替え
三重県名張市希央台1のビジネスホテル「ホテルAZ三重名張店」が、6月1日からの宿泊料金の値上げに伴い、長年掲げてきた価格表示の看板を新しく付け替えた。AZグループは外壁に大きく価格を掲げるスタイルが特徴で、インターネット上で「値上げできない宿」と呼ばれてきたが、昨今の物価高騰の波は象徴的な看板にも及んだ。
同グループのホテルは、アメイズ(本社・大分市)が九州を中心に全国約90店舗を展開。「いつ泊まっても変わらない朝食付きの宿泊費」といった独自のサービスを提供し、リーズナブルな価格設定を維持してきたが、光熱費や人件費などの上昇を受け、全国一律での値上げに踏み切ることとなった。
三重名張店も2011年のオープン以来、「シングル4800円朝食付」の文字を掲げてきたが、5月20日から2日間かけて看板の付け替え工事を実施。「シングル5800円朝食付」の新しい看板に変更した。
同店をフランチャイズ経営する企業「稲穂」の稲田忠博代表は「開業当初からの価格をなんとか保ちたかったが、限界だった。いつでも気軽にご利用いただける、清潔で安全安心なホテルであり続けたいという気持ちは変わらない。この新しい価格も、できる限り守っていきたい」と話した。