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手軽で確実に高級魚をゲット!! 快適な「海上釣堀」の楽しみ方

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手軽で確実に高級魚をゲット!! 快適な「海上釣堀」の楽しみ方

暑い季節の日中、釣りはどこに行ってもしのぐのにひと苦労です。そんななか、海上釣堀は足場が木で組まれていて、多くの施設は陸から少し離れた海上に設置されているため、比較的風通しもよく思いのほか快適です。

海上釣堀では貸し道具もあり、釣り上げたあとの魚の処理(血抜きや場所によっては下ごしらえ)もやってもらえます。装備が手軽で済むので、ぜひ当記事を参考に、トライしてはいかがでしょうか!

※渡船時は救命胴衣の着用が必須。レンタルもあります

海上釣堀とは

沼津まるやさんの全景

「海上釣堀」とはイカダや囲いが設けられていて、網により人工的に仕切られた生け簀の中で釣りを楽しむ施設です。中には魚が放流されており、有料で魚を釣ることができます。
海上釣堀でねらうことができる魚種は、マダイ、ブリ(ワラサ)、シマアジ、カンパチ、イシダイなど施設によって、また季節などにより放流魚は異なる場合がほとんどです。

釣果の一例

釣りの準備

タックル

仕掛イメージ。圧倒的に立ちウキが有利です

基本的には手ぶらで十分楽しめるよう、レンタルタックルが用意されている場合がほとんどです。また、施設によって竿の長さに規定が設けられているので、初心者はレンタルタックルが無難です。自前の場合、竿は振り出しのもので全長3.5mくらいが目安です。

※釣り場によって規定が異なるので事前に確認のこと

基本的な仕掛

自身で仕掛を持参する場合、汎用の仕掛であれば道糸はPEラインでは5号、ナイロンであれば6号に、ハリスはフロロカーボン4号を50cm結んでおきましょう。また、ウキは立ちウキが好適で、オモリ2~3号を背負えるもの。ハリはマダイバリの10~12号といった具合です。
一方、青物ねらいであれば、(道糸は前述の通りで)ハリスは5号を30cm。立ちウキは8号、ハリは14号といった仕掛となります。参考にしてください。

基本的な仕掛釣り堀でのエサ

施設によってはエサを持ち込み禁止のところもあり、そのような施設では、オキアミ、練りエサ、冷凍エビ、魚の切り身、生きアジなどが常備されています(あくまで施設によります)。また、持ち込み自由の施設では同様のエサを持参することになりますが、生きたイソメや冷凍の貝など人によってさまざまです。
エサを変えると突然食ってくることが多いので、何種類か用意しておくとよいでしょう。

ただし、プラスチックワーム、ジグヘッド、ハードルアー、メタルジグは使用禁止です。エサについては事前に確認しておきましょう。

エサのキビナゴ

エサの海エビ準備しておくと便利な物

竿やリールはレンタルで十分ですが、大きな魚が掛かるので玉網(たまあみ=タモ)が常備されています。釣れた魚を一時的にキープするためのスカリもあります。
ただし、魚を持ち帰るための大きめのクーラーは用意が必要でが、ない場合でも現地で発泡の箱を購入(施設によって異なります)することもできます。また氷も販売しています。

また、釣り上げた魚の口から釣りバリを外すときは、指を絶対に魚の口の中に入れてはいけません。噛まれて大ケガにつながる恐れがあるからです。ハリ外しやプライヤーを持参すると便利です。もし、飲み込まれている場合は、外す際にケガの原因になるばかりでなく、釣り上げた魚が弱ったり死んでしまうので、無理に外すことはおすすめしません。釣った魚が死んでしまうと、帰りまでに鮮度が落ちてしまいます。そのような場合はハリスをカットして、速やかにスカリに入れましょう。

そして、飲み物や食料は必要な分をしっかり持参すること。とくに夏場は飲み物を多めに用意しましょう。ほかにハサミや手ぬぐいなどの準備は言うまでもありませんが、折り畳みのパイプイスなどもあると便利です。

玉網は釣り堀に常備されていますが、釣りのために準備しておいた方がよいアイテムもあります。食料や飲料なども含め、困らないように準備しておきましょう

海上釣堀のテクニック

まずはタナ取りが重要

海上釣堀のほとんどは網によって仕切られています。また多くの魚は底面近くでエサを食べることが多いため、投入したエサが底面近くに届くようタナを設定することが大変重要です。
タナが浅すぎると魚はなかなか食ってきません。かといってタナを底面よりも深く設定してしまうと、釣りバリが網に引っ掛かってしまい、一度掛かるとハリスを切らない限りなかなか回収できません。

釣り堀は周囲が網で囲まれているので根掛かりしないように釣りましょう

さらに、釣り堀の底面は中央よりも周囲の方が浅くなっているため、ねらうポジションによって水深が異なります。ですので、海上釣堀でいかに多くの魚をゲットできるかは、このタナ取りに集約されるといっても過言ではないでしょう。

海上釣堀ではタナ取りが重要朝はチャンス!

モーニングタイムはチャンスです。海上釣堀では前日釣れ残った魚がお腹を空かしているので、朝一番は食いつきがとても良好なことがよくあります。準備に手間取るとその間にほかの釣り人に釣り上げられてしまいますから、手際よく仕掛を入れましょう。

放流後もねらい目

開始して1時間から2時間ほど経過すると放流があります。マダイや青物など少し時間を空けて追加されます。放流されて5分もすると次々と食ってくるので、放流後もチャンスです! このタイミングでトラブルがないように準備を整えておくとよいでしょう。

釣り堀に放流される魚は施設によってさまざま。朝や放流後など、チャンスを逃さなければ、初心者さんでも十分に釣れる可能性があります!食い渋ったときは…

放流直後のやる気のある魚が釣り上げられてしまうと、残った魚はなかなか食いつかず、スレた魚が多くなります。実はここからが腕の見せどころ。底面すれすれにタナを取り直すエサのローテーションをするなど、たゆまず工夫すると釣果を得ることができます。

エサを小さくしたり生きアジにチェンジするなど、魚へのアプローチを変えることが必要で、同じパターンで待っていてもなかなか好転しないと考えることが重要です。その意味で、魚の切り身や冷凍エビに「クックックサイゼ」のような添加剤を使用すると、思わぬ好釣果につながることもあります。

エサに添加剤を使用して、釣れるように加工するのも手

そうはいってもなかなか思い通りにならないのが現実です。そんなときは遠慮なくスタッフの方にたずねてみましょう。また、近くに上手な方がいたら思い切って声をかけ、教えてもらうのも一つの方法です。
釣れている人の技を見たり、教えてもらうことは次回にもつながることでしょう。

海上釣堀でのマナー

ほかの釣り人に大きな魚が掛かったら、すぐに仕掛を上げて取り込みが終わるまで待ちましょう。とくに青物(ブリやカンパチ)は生け簀の中を広範囲に泳ぎ回るので、仕掛を入れたままにしておくとオマツリの原因となり、釣り時間の浪費になってしまいます。
竿は必ず手で持っておくこと。仕掛は絶対に海中に入れたままにしてはいけません。たとえエサが付いていなくても魚に仕掛ごと持っていかれることがあるので要注意です。

また、近くの人に魚が掛かったら取り込みを手伝ってあげましょう。水面に魚が顔を出したら備え付けの玉網で救ってあげると喜ばれるはずですよ。ランディングが速やかであれば、自分の仕掛を入れる時間も長くなります。
ちなみに生け簀は狭いので、まずは周囲の方に挨拶をしておくのも忘れずに。

沼津のまるやさんで実釣

8月上旬にLちゃんほか数名を連れて、沼津にある「まるや」さんに釣行しました。Lちゃんは以前、小メジナ釣りを1回経験しただけという超初心者です。この日はとりあえず私の手持ちのタックルを用意しました。

朝の風景。船上では救命胴衣が配布されたあとに出船します

慣れない釣りに苦戦しながらも、満足の1尾をゲット!

タナ取りを説明し、冷凍エビを刺しての第1投、すぐにマダイが食ってきました。しかしながら釣り上げたのち、本人は自分で釣りバリを外そうと大苦戦。仕掛が絡んでしまいました…。その間に周囲では次々とマダイやワラサが釣れ続いています。

慣れない手つきでキビナゴをセット

ようやくトラブル解消。気を取り直しキビナゴをセットして再び投入。しかし、モーニングタイム終了といったところでしょうか? なかなかウキが沈みません。

我慢すること約1時間強。マダイとそれに続いて青物の放流が始まりました。そこで仕掛はそのままに、とりあえず生きアジを付けて投入。どうやらこれがよかったようで、ワラサがヒットしました!

Lちゃんにワラサがヒット

初めての大物に戸惑いながらも、竿を起こしてリールを巻く。再び竿を起こしてリールを巻く…。その間周囲のみなさんは仕掛を回収して温かく見守ってくれました。ようやく浮いてはきたものの、ポンピングに慣れていないためか、再び下方向に突っ込まれてしまいます。それでもなんとか粘って無事にランディング。再び周囲から温かい拍手があり大満足のようでした。

タナ取りをシビアに…ラストチャンス!!

そうしているうちに食い渋りタイムとなり、マダイ1尾を追加したもののなかなかアタリがきません。残り時間もわずかとなってきたので、再度シビアなタナ取りを。そして、付けエサには冷凍エビを「クックックサイゼ」に漬け込んだスペシャルバージョンを使用しました。最後のチャンスです。
納竿時間直前、周囲では撤収の準備が始まったそのタイミングで、わずかながらウキのトップが半分ほど沈みました! すかさずアワせて見事取り込んだのが、高級魚のシマアジ。これがこの日のラストヒットとなりました。

高級魚のシマアジに大満足

港に到着すると多くの釣果が出ていましたが、Lちゃんも初心者としては良好な結果だったようです。隣の生け簀で楽しまれていた親子連れのお客さんも大満足とだったようで、快くカメラ目線で応えてくれましたよ。

初めての釣り堀でワラサに大満足

友人もワラサをゲット

隣の生け簀では親子連れが満喫していた

沼津海上つり堀まるや

住所:〒410-0242 静岡県沼津市西浦足保 足保漁港内
TEL:080-5118-8080
HP:https://maruya-maruya.com/

後日、Lちゃんが持ち帰ったマダイ、ワラサ、シマアジは大変美味で、翌日は家族も大喜びだったと感謝の連絡がありました。

高級魚を手軽にゲットできる海上釣堀は、管理が行き届いた設備で初心者でも楽しむことができます(乗船時・救命胴衣の貸し出しもあります)。また、ゲットした魚は、言うまでもなくその日に釣り上げたものなので鮮度が高く、家族や友人にも喜んでもらえること間違いなしです。釣れた魚を刺身や3枚におろしてもらうこともできます(要確認)。
これから快適なシーズンになるので、ぜひ、海上釣堀に出掛けてみてはいかがでしょう。

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レポーター

プロフィール:長岡 寛
1960年生まれ、東京都出身
北里大学水産学部(現・海洋生命科学部)を卒業後、大手釣りエサメーカーに入社し研究開発担当として数多くの新製品を手掛けた経歴を持つ。
定年退職後の現在は、「フィッシング彩」代表としてメジナ、クロダイ用の立ちウキ「彩ウキ」を製造・販売するほか、釣り関係の新聞・月刊誌などの執筆、大学や高校での講師としても活躍。代表著書に「釣りエサのひみつ(つり人社)」がある。
趣味はもちろん釣りだが、写真撮影、魚の組織標本作成、釣りに関連したアニメーション作成など多方面にわたる。さまざまな活動を通じて、ハードルの高い釣りのとっつきにくさやその先入観を拭い、できるだけ手軽に楽しんでもらうキッカケづくりができればと考えている。

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